劇場公開日 2012年2月25日

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「前半じっくり描きながら、後半バタつく」顔のないスパイ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5前半じっくり描きながら、後半バタつく

2012年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

素材はおもしろい。
20年前に死んだとされるソビエトのスパイ“カシウス”と同じ手口による要人暗殺。
そのカシウスを追い続けながらも引退した元CIA捜査官。そして、カシウスを調査していた若手FBI捜査官がタッグを組む。
ほんとうにカシウスは生きているのか?
生きているとしたら、その正体は?
その犯人の目的は?
呼び出された元CIAポールと、若きFBI捜査官ベンは生き残れるのか?
ミステリー&サスペンションとして、そそられる設定だ。

前半は、CIA長官のマーティン・シーンが渋く脇を固め、それなりに見応えはある。
だが、二転三転する肝心な終盤を、うまく見せられない。
演出が要領を得ずバタバタしてしまった。
原題「The Double」からおおよそ結末の予測がつく上に、ある人物の正体を早くから明かしてしまい、ほかの人間がそのことにいつ気づくのか、それしか興味を持てなくしてしまった段取りにも疑問が残る。
良くも悪くも、『はーちぃ』と犬に呼び掛けていたリチャード・ギアが極悪人であろうはずもなく、と勝手にキャラを連想してしまうキャスティングも足枷になって面白みを半減した。
せめて、ベン(若手FBI捜査官)が車を降りずに走り去ったなら、もう少し印象の違った作品になっただろうに。

マスター@だんだん