11・25自決の日 三島由紀夫と若者たちのレビュー・感想・評価
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もうこれで憲法改正のチャンスはなくなったんだ
満島慎之介が良い感じ。新くんも相変わらず良い感じ。ディシプリン系の稀代のコスプレイヤーの本気のコスプレ、考え抜かれた軽薄でキッチュなその振る舞いを、当たり前のようにキッチュに切り取ってみせる若松孝二の剛腕。なんだか三島は別に右な訳じゃなくて、単に若者と一緒にいたかったんだな、宮殿に住んでるのに、ストリートで死にたかったんだな、馬鹿だな、大健が怒りを覚えてマレーシア?の海でバシャバシャ泳いだのもしかりと思わせる素敵な作品。若松印の富士の裾野の演習場が出てきて嬉しくなるし、なんか寺島しのぶの美人じゃないのに魅力的なのはピンクの感じだったのかと変に納得。普通にラストの新くんの演説シーンが素晴らしく感動する。
武士道
三島由紀夫の生き様を描いた記録映画。
作家でありながら軍人的思想が強く愛国心に溢れた三島由紀夫は自衛隊に1ヶ月間入隊し精神と肉体を鍛えた。
時は学生運動が盛んな時代…
学生達は大学に立てこもりバリケードを築き機動隊と揉め事を起こす。
そんな中、日学同盟の森田は先輩に頼まれ三島由紀夫が主催する自衛隊体験入隊に参加する。
三島と一緒に過ごすうち森田は自分の命を三島に預ける決心をする。
三島は民兵組織、盾の会を立ち上げるが、世の中は赤軍の起こしたニュースで紙面を賑わしている。
盾の会としての活動がない事に森田は苛立つ
2.26事件後、三島の天皇崇拝は強くなり自衛隊と共にクーデターを起こしたいと提言したが自衛隊は公務員であり協力は出来ないと拒否された。
三島と盾の会は陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地を占拠し自衛隊員になぜ立ち上がらないのか?日米安保条約延長に反撃しないのか?と問う。
三島由紀夫の持論…行動は一回のみ‼︎
死にも美しさを求める。
自衛隊員は誰も賛同しなかった…
ならば、切腹し武士道を貫くのみ。
森田も三島に続き切腹。
悲しいかな2人の死は時代に流されてしまった
三島の日本男児だとか、武士の心、大和魂、愛国心と言うフレーズは現代人には響かないのかも知れない。
政治や思想が絡んでいて理解しにくく3回見てもよくわからなかった。
市ケ谷駐屯地での演説は迫力あった。なるほどと思うところもあるし、時...
市ケ谷駐屯地での演説は迫力あった。なるほどと思うところもあるし、時代の本質を見通す眼力は凄いと思う。三島は生まれる時代を間違えた。心底、彼自身がそう思っただろう。
知らない昭和
連合赤軍あさま山荘→キャタビラ→三島由紀夫 と若松孝二昭和三部作で あたしの知らない昭和をかいま見た 浅間山荘事件はかなり見応えがあり事件の真相がリアルにわかったが 今回の三島由紀夫の自決はざっくりとした経緯はわかったが理解はむずかしい 全編に流れる板橋文夫のピアノがチョーよかったんだよね 三島由紀夫って人のあたしのもつイメージがもっと狂気的な美しさを際だてて 劇中ずっとそぅじゃないかな~?(板橋さん?) と思っててエンドロールで確認したときはヨシ!となったよ
井浦新ファンとしては悔しいけれど
満島真之介が名演技過ぎて、演説のシーンまでは井浦様が食われてる感が否めず、、、でした。
満島ひかりの弟だよね?すごい姉弟だな。
三島由紀夫に興味なく、
歴史にも政治にも興味なく、
自衛隊にも興味なく、
ただただ井浦様にだけ興味があって観たからほんと意味わかんなかった、、、懺悔。
つまるところ、自分の主張(憲法改正・警察から自衛隊に国防の力を戻すこと)を通すために警視総監の部屋に乗り込んでいって(にしてもよくすんなり入れたなぁ)、総監を人質にして立て籠もってベランダぁら演説をして、主張が通らなかったから自決したってこと?←超薄っぺらい理解
ベランダから肉声で、声って届いたのかなぁ?
でも演説しているシーン、すごい圧倒的にかっこよかった!
チラシばら撒いてるだけで様になるってなんなの。神なの。
血管浮き出させながらワナワナしてて、なんかヒトラーみたいだった。
よくわかんないけどきっと純粋に、
「なんでわかってくれないんだ」
「なんで気付かないんだ」
って絶望してたんだろうなぁ〜って思ったら、なんか泣きそうになっちゃった。
自分が絶対にこうだ、と自信を持っていることが伝わらないと辛いよね。
主張の内容はさておき(さておくな)、世の中を変えようと必死になっているまっすぐな思いは伝わってきました。
まっすぐ過ぎちゃったのかなぁ〜
適当に折り合いとかつけられなかったんだろうなぁ。
私とか折り合いしかつけてないからいろいろ凄すぎるわ。
学生運動とか赤軍派とか同じようなテーマだけど、「実録・あさま山荘への道程」の方がわかりやすかったなぁ。
総監の部屋に乗り込むシーンまで、ほんと頭に入ってこなかった。
特に東大出の演説。「関係性」という単語しか聞き取れなかったw
みんなサウナ入り過ぎだし。
そんな大股開きで座ったら見えちゃうよーーーーーー!!!
でも、井浦様が芸名をARATAから本名に戻すくらい真剣に取り組んだ作品だと聞いていたから、諦めたらそこで試合終了ですよ?ってことで頑張って最後まで観た。
けどこんなカスみたいな感想なら書かない方がいいかもな、、、
若松監督、井浦様、三島由紀夫、ごめんね!
しかし寺島しのぶという女優は本当に天才的に変幻自在だな。
「ヘルタースケルター」「キャタピラー」「千年の愉楽」の役からの変貌があまりに凄まじすぎて、一瞬笑った。
なんか生々しくてあんまり好きじゃなかったけど、たくさん観ているうちに尊敬の念が芽生えてきた。
愚かさとは生きた証
三島が日本をハイジャックされた飛行機とたとえたが、まさに戦後日本はその状態である。それが良しか悪しかはどちらとも言えない。吉と出た部分もある。 だから一概には言えないが、三島の日本に対する絶望は日本人としてよく理解できる。 50年近く経った今、三島の求めた憲法改正が今まさに来ようとしている。 三島は時代を先取りしすぎていたのだ。 現代人は日本人ももっと三島由紀夫がどういった心持ちで割腹したかを知るべきである。 もし知っているならば、三島の意見は現代人にとって耳が痛いものであるだろう。 武士として死んだ三島由紀夫はまさに日本男児である。 こういう男の世界を現代の男児も忘れないで欲しいと思う。 最後に、三島由紀夫は日本の男であった。
なんだったんろう
中学生だった。同級生の女の子が三島が切腹というニュースを聞いてきた。 反応した生徒は少なかった。ナルシストの右翼のなれの果てという印象しかなかった。だからこの事件を特に考えることも無くきてしまいました。そのころ朝日ジャーナルを読んでいた私はすでに左を中心に世間を見ていたんでしょうね。 右も左も真剣な若者の姿が印象的でした。
若松監督だからこそ出来た、迫力の力作だ!
TVの昭和の実録大事件の特集番組で必ず放映されそうな天才作家三島由紀夫の自衛隊での乱入占拠後の割腹自決までの経緯を淡々と描いて行く本作「11.25自決の日」には、作家三島由紀夫の狂気的な美学の追求の果ての、その生き様の淋しいまでの最期の模様が、切々と観る者の心に響き渡って来る力作であった。
三島文学は、私などには正直、難し過ぎて理解出来ないでいる事が多いのだが、彼の作品を読んでいると、文学者としての完璧主義が過熱し、三島自身が信じる理想主義思想が留まるところを無くして、時代が移り変わり往くその、現実社会の時代の変化を受け入れる事が出来なくなる、その結果、1970代へと差し掛かる日本の高度経済成長過程にあるあの時代の社会の変化を、三島由紀夫は戦前に会得した日本に対する彼の美意識が彼の中で完成していて、その枠組みから外れた70年代日本社会を全く相容れる事が叶わず、完全なる理想主義を貫く彼の思想は、彼自身を生かす事すら出来ない程に、彼自身を追い詰めて行ってしまった。ある意味彼は、あの時代に殺されたと言った方が正しいのかも知れない。もし、別の時代に生を受けていたら違った人生を生きる事が出来たのかも知れない。
しかし、その天才作家の目が有るが故に、余りにも有る意味、ロマンチストで、妥協を許す事が出来なかったが故に、自らが自決の道を選ばざる負えなくなってゆく人生も、大変に波乱万丈な、苦難の人生だっただろうなと想像するのだ。
確かに我が国日本国の歴史は、天皇制の制定により、幾千年にも渡る長き時代の流れの中、その中心に天皇制の制定が有る事で、日本の国家の存続が今日迄、存続出来て来た事実がある以上、戦後のアメリカ主導型による戦後制作である我が国を骨抜きにした政策が、三島由紀夫には耐えがたい出来事だったのであろう・・・
そして、一方戦禍に苦しんだ国民が、高度経済成長期を迎え、経済的には国民生活は所得が上がり、生活が豊かになっていくので、それに異を唱える日本人は極少数派だったのだろう。
日本人たる者その精神性こそが日本人が生きる上で最も大切な生きる価値だと信じて、生涯を生き貫いた天才三島由紀夫の思考は完全に、現実の社会生活とのバランスが崩れていったのだ。そのバランスを欠いて行く過程を、若松監督だからこそ、丁寧に描き得る事が可能でもあった作品だと高く評価したい。
しかし、日本人は農耕民族で、定住し集落を形成し、作物を集落全体で作り、生活を維持して来た民族なので、基本的に温厚で柔和であり、一人一人の人間が協力し、責任分担しながら、農作物の栽培をして生きる、長い歴史的生活環境の背景が有り、日本人の文化が自然に、精神性を重視し、廻りの出来事に異論を唱えず、総てを受け入れながら生きると言う国民性を豊かに育んできたのではないだろうか?
自然の天候など、環境はコントロール出来ないので、不作なども起こる事にも忍耐強い精神が培われてきたのだと私は考えているのだ。その長い歴史の中で、日本人は御上のされた決断には、逆らわずに粛々と従って生きていく事を唯一の美として、無意識に、生きてきてはいないのだろうか?
しかし、どんなに天才作家と謳われている三島由紀夫であっても、自分の信念と思想で、満島真之介演じる、若き森田必勝を道連れにした自決は大きな罪だと私は思う!
本人が理想の日本の立て直しの為に自決を決意するのは彼の生き様として、彼の人生として潔い、良い幕引きとしても、未来のある青年達を洗脳し、自決させるに至る、彼の犯した罪は大きいのではないだろうか?
自分を信ずる若者を死に追いやるのは、決して良い事とは私は個人的には考えられないのだった・・・
寺島しのぶも、若松組として、「キャタピラー」繋がりで、今回も存在感充分で彼女の役処が輝いていた。
過ぎたるは及ばざるがごとしと、言う様に人が幸せに生きるには中庸が大切であると思うのだが、あの時代、若者世代に、極左した人達が多数いた為に、三島由紀夫は、その反動で一心に極右に生きる道を走り抜けなければならなくなってしまったのだろう、時代の犠牲者なのだろうと私は考えているのだが、みなさんは、どの様にこの映画を読み解くのか、楽しみである。
最後に三島由紀夫原作映画を記して置く。「春の雪」2005年行定監督「鹿鳴館」1986年市川崑監督は「金閣寺」「炎上」と名作を撮っている。
「黒蜥蜴」深作監督「幸福号出航」など皆大監督が映画化していて、「潮騒」は度々リメイクされているが、三島由紀夫自身が撮影参加した「憂国」は観てみたい作品だ。
海外でも「午後の曳航」が1976年に映画化されている。1985年にポール・シュレーダー監督による「Mishima: A Life In Four Chapters」が制作されたが、その撮影現場を見た事があるが、三島由紀夫の遺族の意向で、この作品は日本未公開の為、未だ観れないでいるのが残念だが、何時かアマゾンで取り寄せて観たい作品だ。
人間は死ぬ美学ではなく生きる美学を語る生き物やと思う
先日、CXの深夜枠で偉人達の名言を紹介する番組で、三島由紀夫が取り上げられていたのが興味の発端だ。
戯曲の台詞
「幸福って、●●ことなのよ」
とは何か?と云う問題
正解は「幸福って、何も感じないことなのよ」
そして、
「幸福ってもっと鈍感なものなのよ」と続く。
この一連の羅列が眠気眼だった私の心に、急転直下でブランチャーしてきた。
初日の初回に並んで観た。
結果はってぇっと…
あの時代を知らないからなのか?
ミシマ先生が想う幸福を一欠片も発見できなかった。
数々の名作を発表し、美人の女将さんを貰い、莫大なる地位・名声・富を築いたが、幸せだったとは一切想っていないだろう。
むしろ、アメリカの言いなりになって堕落していく日本の文化・思想に憤怒するばかりで、そもそも幸福感なぞ存在してなかったのかもしれない。
浅沼委員長刺殺に始まり、金喜老、よど号etc.社会事件を織り交ぜながら、疑心暗鬼に陥る三島の心理を炙り出す手法は魅力的だったが、三島本人には格好良さを全く感じなかった。
滑稽にすら思えた。
ベトナム戦争が混乱を極める一方の激動期に、手をこまねいているだけの日本に苛立ちを募る三島の心中には共感する。
しかし、自衛隊を昔の軍隊に戻し、天皇を敬う武士道国家を呼び覚ませねばならないって叫びは、筋が違いすぎると思う。
人間は死んでこそ開花するって侍美学は、現代社会とあまりにも乖離している。
よって、狂気しか浮上しなくなり、決死の強行も
「命を捨てるまでの大事なのか?他にもっと手段は有った筈やろ」
と冷める一方やった。
商売上、常々想うが、人間は生きてこそ美学を語り継がれる唯一の生き物である。
この事件を決して美談にしては成らない。
本編には無かったが、自決後、現場に訪れた師匠の川端康成のショック度は後の自分の悲劇に直結している。
勇気ではなく、犯罪であり、挙げ句に自殺するなんて卑怯以外の何物でもない。
だからこそ、生き残りの隊員の汚れた掌のカットでサゲたんやと私は思う。
最後に短歌を一首
『皇國に 捧ぐ刃で 美をかざす 武士の幕引き 憤怒を裂いて』
by全竜
学生達の純粋な熱意が悲しい
若松孝二監督が「実録 連合赤軍…」と同時代を学生運動とは対極に思える方向から描いた作品ということで、注目していました。 大阪万博に日本が沸いていた1970年の「その日」に向け、三島由紀夫の「楯の会」に関わる活動を淡々と追っていきます。 学生運動家と違い、三島の資金が潤沢でみんな小綺麗。士官ばかりで兵の居ない組織のような、浮世離れした印象でした。当時の彼らの議論は言葉も意味も理解し難いけれど、学生達の純粋な熱意が悲しかったです。 演劇界にも大きな足跡を残し、映画も制作した天才三島由紀夫。破滅に向かうしかなかったのは、天才の強い感受性からでしょうか。三島を演じた井浦新、自身の美意識にこだわった男を演じ切っていました。 寺島しのぶ演じる三島の妻の存在が、意味深で効いてました。 小説「仮面の告白」には衝撃を受けたものです。満島真之介演じる側近・森田必勝との関係は、師弟のようでそれ以上のようで。
勉強になった
三島由紀夫が自衛隊を占拠して演説してそのあと割腹自殺した話には以前より興味があった割りに特に調べたりもしていなかったので、勉強になってよかった。 三島が自衛隊に大変な期待をしていて、みんな国を憂いていると思っていて、なので心揺さぶる演説によって決起させようとした。ところが大半の自衛官は公務員で、なお三島の演説は生声だったため全然聞こえていないようだった。ヒトラーのようなかっこいい衣装と身振りだったのに残念だった。 頭でっかちで格好から入る人のようだった。そしてやたらとサウナに入っていた。寺島しのぶがまた裸になったらどうしようかと思ったらそれは大丈夫だった。 低予算映画のため、自衛隊演習は野山を走るだけだったり、町並みも現代を誤魔化しきれず、割腹なども顔への寄りばかりで腹も首も映らなかった。『三丁目の夕日』規模で作って欲しかった。
腹筋運動のような☆=
良かったです! 役者さんの演技に緊張感があって、 編集も大変 緻密です。 苦しいのだけれど、身体が喜ぶ腹筋運動のような(笑)作品です。 平和ボケの目が覚めるというか。。 三島に関しては、まるで関心のない方もいらっしゃるかと思いますが、 意外や意外(??)BL感もある作品です(笑)(笑) 個人的には、迷っているより見ちゃったほうが! 。。という1本でした o^-^o♪
主義思想に関係なく。
『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』正直、役者さんを観に行きました。新さん三島由紀夫のイメージと違いながらも好演、満島さん映画初出演ながら熱演!これからの活躍が楽しみです。パンフレットも内容が濃いので要チェックかと。
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