「タイトル負けかと思ったが・・。」最強のふたり カル―ステ・ガルベンキヤンさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトル負けかと思ったが・・。
「史実に基づいた映画」と映画の冒頭にありました。そして、大げさなタイトルに「どうせ、大した作品じゃないだろ」と思いながら見始めました。頸椎を損傷して首から下が全く動かず、介護人が必要な大富豪のフィリップ(白人)と貧困層のドリス(黒人)が、介護人面接で出会い、フィリップがドリスを気に入ったことから、物語が始まります。
ドリスは飾らない態度でフィリップに接し、タバコを勧めるなど雇われている身を忘れているような感じでした。ドリスはフィリップの周囲にいる人たちにも、少し無礼な態度で接しますが、徐々に受け入れられていきます。
フィリップが音楽隊に「私のために曲を頼みます」と言い、ドリスも仕方なく付き合うのですが、ヴィバルディの四季の「夏」と言う曲にドリスは「全く何も感じない」言います。その他の名曲にも「この曲、知ってるよ!CMに出てた」とか、全くトンチンンカンなことを言います。貧困層だから仕方ないんですが、このシーンは面白かったです。
また、フィリップも負けてはいません。自分が車いす生活になった原因のパラグライダーにまた挑戦するのです。それに対して、ドリスは「あんたって完全に病気だよ」と言います。
自分の雇用主にです!w
フィリップは「次はドリスも頼む(ドリスにもパラグライダーをやらせてくれ、と言う意味)」と強引に、嫌がるドリスにパラグライダーをやらせます。ちなみに、二人とも後ろにインストラクターがついているので安全です。
で、無事にドリスはパラグライダーの初体験を終えました。別の言い方をすれば、筆おろしに成功した、とでも言いましょうかw(この表現は、ガイドラインにひっかかるかも。まぁ、いいや)
ドリスが雇われて、確か、3か月ぐらいが経ったころ、フィリップが言います。「失業手当がもらえる期間、働いただろ。一生、(私の)車いすを押していくわけにはいかないだろ(要するに、別の仕事を探して頑張れ、と言う意味)」と。フィリップはドリスが気にいってはいましたが、別の仕事を探すための一種の手助けしていたのです。
ただ、フィリップの新しい介護人はどんくさく、フィリップは全く気に入りませんでした。で、ドリスが復帰します。この描写は、不要かな?とも思いました。それは「何人もの介護人からフィリップたちが選んだ介護人だから、ここまでどんくさいはずは、ないだろう」と思ったからです。単にドリスを呼び寄せたかったら「ドリス、君じゃなければダメなんだ」とか言えば済む話しだったのでは?と思いました。
ドリスはフィリップが長年、文通していた女性との仲を取り持ち、二人は結婚し、2人の子供をもうけます。ドリスも会社社長になります。そして「今も二人は深い絆(きずな)で結ばれている」と言うセリフとともに、おそらく、本当の二人の映像が最後に流れて終わります。『最強の二人』と言うタイトルどおりのエンディングでした。
いやぁ~、映画って本当にいいもんですね。さいなら、さいなら、さいならw(水野春夫と淀川長治の合作ですw)