「火と水が、木と土に。」最強のふたり りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
火と水が、木と土に。
「最強のふたり」は、本当に最強だった。
これが、実話を基にしているのだから、嬉し涙、感激の涙もも出るわ。
原題は、「アンタッチャブル」。
ケビン・コスナ―の映画を思い出すけれど、ちょっとニュアンスが違う。
調べてみた。
≪アンタッチャブル≫とは、
1、批判の余地のない
2、比類ない
3、触れることのできない
という意味。
また、名詞では
インドの不可触賤民のこと。
不可触賤民とは、奴隷のまだ下の人の事。
上流階級の人は、手を触れても汚れると言って呼んだ蔑称のこと。
大富豪(これが、とんでもなく大富豪なんだな。すごいお屋敷の見学に行きたいくらい)のフィリップと職もなく毎日生きていくだけでも大変なドリス。
私など不完全もいい所の人間だから、友人や知人、はたまた見知らぬ他人様の良き所を、吸いこんじゃえ~と思っている。
それは、大富豪でも同じだった。良き人に出会えたなら。
事故で顔と首しか動かないフィリップは、自分の介護者に、気まぐれでスラム街の青年ドリスを選んだ。
ドリスの自由奔放な言動に振り回され、いつしか人生の楽しみを見出す。
フィリップは、気まぐれとはいえ、差別しなかったし、ドリスは、貧しくてもユーモアを持っていた。
そして二人は、人間にとって大切な思いやりを持っていた。
二人にとって、お互いは、「批判の余地のない」「比類なき」友人となった。
二人の友情には、他人は「触れることのできない」物を感じた。
最初は、≪火と水≫に見えた二人も、いつしか≪木と土≫に変わったようだ。
いえ、二人が、それぞれ育てたのかもね。
それと、女性陣。
イヴォンヌとマガリ―の二人。
この二人が、実は、フィリップとドリスの二人を、うまく成長させていたのかもしれない。
二人は、欧州の経済問題や現実を背景に、ユーモアや思いやりが、人間それぞれが持つ困難を、笑いに変え、前向きな気持ちにしてくれた。
最後に、二人のモデルとなった人物の紹介が少しだけある。
見逃さないで。