「巨人スプラッター映画」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN Dr. Santaさんの映画レビュー(感想・評価)
巨人スプラッター映画
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予想を大きく覆す映画だった。
なるほど、あの原作を実写化するとこうなるのか!原作に引っ張られる頭の中と折り合いをつけるのに多少時間がかかったが、要するにこれは人類を恐怖のどん底に落とすスプラッター映画なのだ。
ヒトが巨人に喰われるとはどういう事なのか、驚くほど緻密に、粘着質に描写していく。ゾンビ映画へのオマージュが其処彼処に感じられる。TV放映は無理だろうと思わせるほどの人体破壊描写。この世界がどれほど絶望的なのか、真に迫る。
おそらく、世の映画人はこのビジュアルに大きな刺激を受けるであろう。巨人スプラッター映画が流行るかも?
壁外調査隊は壊滅状態、壁の穴を塞ぐ作戦に参加しようなんて志の高い者などおらず、家族を殺された復讐や食い扶持減らし、特典目的で集まった寄せ集め集団による決死の作戦が展開される。
エレンはクレイジーさが弱められ、原作よりも感情移入しやすい。観客はエレンと共に、外の世界への憧れと不自由さへの鬱屈→巨人への恐怖→ミカサを救えなかった喪失感→自暴自棄で作戦参加→世の不条理に感情(だけではないけど)爆発、という旅をする。この先後篇で、このまま破壊しまくるだけなのか、巨人の謎解きカタルシスが加わるのか、それともエモーショナルな結末を迎えるのか?作品の評価はそれからだ。いずれにしても、後篇が待ち遠しい事だけは確かである。
ちなみに、個人的に一番印象に残ったキャラはヒアナ。子供の養育費のために作戦参加、エレンに惚れてて(この辺りの描写がもっと欲しい、訓練中のエピソードがカットバックされるとか)、言い寄ってたら巨人にパックンちょ。巨人の腹の中でエレンの感情爆発の源泉となる。水崎綾女、エロいぞ!
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