ミサイル(1987)

ミサイル(1987)

解説・あらすじ

1967年のデビュー以降、現代アメリカ社会を独自の視点で見つめ続けてきたドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマン監督が、カリフォルニア州バンデンバーグの空軍基地にカメラを入れ、空軍将校の訓練に密着。核戦争に対する議論やミサイルの装備・発射、暗号や通信、テロ防衛対策の模様などが映し出されていく。2011年、ワイズマン監督作を一挙上映する「フレデリック・ワイズマンのすべて」にて日本初公開。

1987年製作/115分/アメリカ
原題または英題:Missile

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

映画レビュー

もし、大統領が狂っていたら?

2025年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 カリフォルニアの空軍基地のICBM発射管制センターで働く資格を得るための14週間に及ぶ訓練に密着したドキュメンタリーです。つまり彼らは、核ミサイル発射の最後のキーを回す任務を託され、地球の運命をも背負う事になるのです。まず、国家最高機密とも思える基地内の撮影をペンタゴンがよくも認めたなと驚きます。

 最終試験に合格してここで働くには、「ミサイル発射に同義的迷いはない」という文書への署名が求められます。でも、もし自分が任務の時にその命令が下ったら、そりゃあ恐ろしくなるでしょうね。その一方で、ソンミ村虐殺のカリー中尉や、ホロコーストに手を染めたナチス高官が「上官の命令だったから」と語った事への妥当性を講義では突き付けられます。でも、ミサイル発射に同義的迷いを持つなと命じられ、上官の命令だからと盲目的に従う事への疑義を呈されたら、彼らは一体どうすればよいのでしょう。とはいえ、狂った大統領が発射の指令を出したらそれに従わざるを得ないのか? ましてや、今や狂った大統領は現実になっているぞ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
La Strada