劇場公開日 1976年10月

オーメン(1976)のレビュー・感想・評価

全27件中、21~27件目を表示

3.5厳格かつダイナミックな悪魔系ホラーの金字塔

2019年5月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

レビュー666本目!
いやー、めでた……くはない数字ですが、ホラー映画好きとしてはキリの良い数字ってことでひとつ。まあ他の方々と比べると超スローペースな執筆なので、長いことこのサイトに参加させてもらってる割にはレビュー件数も少ない訳だが、ようやっとここまで到達。

なので今回は当然のようにこの映画のレビュー!
1976年公開のオカルトホラーの名篇『オーメン』!

...

主人公の外交官ロバート・ソーンは、死産した我が子
の代わりに、同時刻に誕生した孤児である男子を
妻キャサリンにも秘密で養子として引き取る。
ダミアンと名付けられた子どもはすくすくと育ち、
ロバートも順調に出世して政界の重役となっていくが、
ダミアンの5歳の誕生日にとある陰惨な事件が発生。
以来、彼の身の回りでは不可解な事件が相次ぐように。
不安に駆られたロバートはダミアンの身元調査に
乗り出すが、そこでダミアンの恐るべき出自を知る――
というあらすじ。

“オーメン(omen)”とは“予兆”を意味する単語。
実際、劇中では事件の前に幾つもの予兆が起こって
サスペンスを煽るのだが……そこは観てのお楽しみ。
また、映画の中で印象的に登場するのが666という
数字なのだが、ここについてもレビューの余談で
解説するとして、レビューでは詳細を省略する。

...

不吉の子ダミアンを巡って連鎖発生する死の数々。
映画内で描かれるのは数人の死だが、「世界中を
混沌に陥れる恐ろしい出来事がここで進行している」
という壮大なスケールをしっかり感じさせる演出が見事。

ぐるぐると一心不乱に走り続ける三輪車、
木葉を舞い散らす突風と落雷、悪意を放つ黒犬、
そしてそれらに被さる不穏で厳めしいコーラス……。
ダイナミックに演出されたショックシーンの数々は
今観ても色褪せない迫力で、かの有名な避雷針や
ガラス板のシーンは先が分かっていても思わず
「ヒッ!」と声を上げそうになる。
特に映画序盤の死(「すべてあなたのためよ!」)は、
それまでの和やかで楽しげなムードとの落差もおぞましく、
映画全体の不吉なムードを決定付けているようで忘れ難い。

事件の鍵を握る少年ダミアンを演じたのは、
当時6歳のハーヴェイ・スペンサー・スティーヴンス。
泣き狂う様子や微笑み方やらはいたいけな子供が
演じているとは思えない不気味さで、主役を張る
名優グレゴリー・ペックの重厚な演技にすら負けない
インパクト。いやはや、どうやって演技付けたのかねぇ。
しかし最終的にはやはり、グレゴリー・ペックや
その他熟達したキャストの演技によって『神と悪魔
の対決』という厳格さが醸し出されているのだと思う。

...

監督のリチャード・ドナーは『リーサルウェポン』や
『スーパーマン』など豪快なアクション作の印象が強い。
本作ではその特性がダイナミックな演出として発現して
プラスに働いているように思うが、映画キャリア初期に
あたる本作の方が後期の作品よりも老成しているように
感じられるのは、出演者や題材ゆえかね。

場面によってはやや演出が過剰と思えるシーンはあるし
(まあレビューしている自分が割とシンプルな演出
を好む人間というのもある)、聖書の記述を現実の
出来事に当て嵌めた解釈にはコジツケのようにも
感じる箇所もあり、「そこはいっそ曖昧なままの
方が不気味さが増したのでは」と考えたりもしたが……

幾つもの不穏な予兆をじわじわと熟成して繰り出される
ショックシーンの数々と、ダミアンの正体が解き明かさ
れていくミステリ的面白さを、畳み掛けるようなテンポ
で交互につづった本作。2019年現在のテンポの早い映画
に慣れた向きでもあまり冗長さを感じさせない出来だ。

厳格さとダイナミックさを併せ持った第一級の
古典オカルトホラー。未だ観て損無しの3.5判定で。

<了>
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余談:
そもそも何故 666 がキリスト教における不吉な数字と
されているかというと、新約聖書のヨハネの黙示録に
ある記載が由来とのこと。

それによると、まず世界の終末前に海から「角10本、
頭7本」の獣がやってくるんだそうな。角と頭の数
が合わないのでなんか気持ち悪いがそれはさておき、
獣の頭には神を冒涜する名前が幾つも刻まれており、
その獣が世界を42ヶ月間支配するという。その際、
人間に「0」か「666」という数字を刻んで、「666」
の数字が無い人間は物の売買が出来なくなるんだと。
早い話がマイナンバー制度の悪魔版ですね(違う)。
その後、獣は天使ミカエル達との戦いに敗れるのだが、
そんな流れで 666 は「獣の数字」と呼ばれ、反キリスト
的な意味合いを持つ数字として定着しているらしい。
なぜ6なのか、なぜ3つ揃えるかには諸説ある様子。
いちおう本作の中でもいち解釈が語られてます。

なお、しばしば世界の終末の予言のように扱われる
このヨハネの黙示録だが、一方でこれが未来の予言
ではなく既に起こった出来事と解釈する説もある。
その説によれば、ここで言う“獣”とは当時キリスト教を
激しく弾圧していたローマ皇帝達の隠喩であり、「いずれ
キリスト教を弾圧するヤツは滅ぶから皆負けるなや!」
的な立ち位置で書かれたと考えられているとか。

どちらを信じるか信じないかは――あなた次第です。
(オカルト番組っぽく締めるな)

※いちおうレビュー667本目でカウントされてますが、
 1本だけ下書き状態のままになっているレビュー
 があるので(『FAKE』)、ちゃんと書いてる
 レビューはこれが666本目。どうでもいいね!

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浮遊きびなご

5.0脚本と演出の上手さによってじわじわと盛り上げてくるサスペンスが作る正統的な怖さ

2019年2月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

さすが名作だ
本当に怖い
総毛立つ思いを何度も味あわされた
衝撃的なシーンは二度あるがそれよりも脚本と演出の上手さによってじわじわと盛り上げてくるサスペンスが作る正統的な怖さだ
単なる驚かせて怖がらせる子供騙しはない
聖書の黙示録からオカルトな文言や解釈が何度も飛び交うが、キリスト教の世界で育ってなくともキリスト教の知識が無くても、日本人もしっかりと怖い作りになっている

米国駐英大使というような超のつく要職にある人物があのように自由に動けるのかというのは野暮なのでそこは目をつぶろう

初老になった名優グレゴリー・ペックはきちんと駐英大使というスーパーエリートに見える
その彼がスクリーンに映るだけで隅々まで引き締まるのだから恐るべき名優だ

そしてその彼が修羅のようになる
彼の常識人、正直な人、高潔な紳士そのもののイメージの男が息子を殺ろそうする
その落差がより怖さを作る落差の高さになっている

音楽もまたこれぞ劇伴の正しい姿で、キャッチーなメロディも印象にのこるフレーズもないが、怖さを的確に盛り上げて行く見事な仕事をしている

ダミアンが振り返り不敵な笑みを浮かべるあのラストシーンは映画史上に残る程の名シーンだ

これぞエクソシストに並ぶ、オカルト映画の永遠の原点だ

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あき240

4.0悪魔のナンバーが導く恐怖の連鎖

2018年11月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

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しゅうへい

4.5ダミアンゾ-ン

2017年11月18日
Androidアプリから投稿

やはり今観てもゾッとするものがあります
歴史に残る傑作だと思います。

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しもかつ

3.0とにかく怖かった。。

2015年9月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

とにかく怖かった。。

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tsumumiki

3.56 6 6

2015年4月4日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波

怖い

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松井の天井直撃ホームラン