「テンポの悪さでのめり込めなかった」かぞくのくに wutangさんの映画レビュー(感想・評価)
テンポの悪さでのめり込めなかった
訴えかけたいことはよく伝わったし、リアリティもあった。
特にヤン同志のキャラクターはその目的の上で強くワークしていたように感じたし、安定の「宮崎美子の母親役」は見ているだけで琴線に触れるものがあり脚本にハマっていたと思う。
実体験に基づいているという事で、事実に何を加えることで作品として成就するかという選択は成功していたのではないかと思う。
一方で、演出とは分かるが映画としてのテンポ感が自分にハマらず、物語にのめり込むことを阻害する部分が多かった。
25年ぶりに息子に会う母親はともかく、幼少期以来25年も会ってなかった妹が終始ここまでニタニタするかなというのがちょっと不自然に感じた点、兄が唐突に発言をしたり無言を貫いたりする点(その理由も一定の説明はされているが)、同窓会のシーンの展開等、芝居で状況説明されるものが全体的に唐突でぎこちなく感じてしまった。
「なんか分かりやすくニヤニヤしてるぞ」「急に喋り出したぞ」「急にギター弾き始めたぞ」それぞれ、数秒のタイミングやコマ割りが自分にハマれば問題ないのだろうが、それがハマらなかった。
役者がそれぞれ良い味を出していただけに、このテンポの悪さが残念に感じられてしまった。
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