「車、夜の街、ポップミュージック」ドライヴ Hanaさんの映画レビュー(感想・評価)
車、夜の街、ポップミュージック
クリックして本文を読む
レフン監督作品。脚本的には西部劇のシェーン、作品自体はザ・ドライバーのリメイクに近いが全くの別物になっている。台詞を極端に削った演出、全編を彩る80年代的エレポップのサントラ、過度の暴力描写など非常にフェティッシュな作りでハマる人はとことんハマる。
主演のライアン・ゴズリングの存在感は素晴らしい。瞬きをほとんどせず人間味がまるでない。マシンのような男の仕事ぶりは単純にカッコイイ。ロン・パールマン、キャリー・マリガン、そしてオスカー・アイザックなど他の出演者の存在感も非常にいい。
この映画の何が素晴らしいかというと画作りもさることながら音楽だ。クロマティックス、エレクトリックユースなどの今の北米エレポップシーンを牽引するアーティストの曲がこれでもかと使われており、たまらない人にはたまらない。
画作りの点においてはサテンのサソリ柄のアウター、ダッフルバッグ、ライアン・ゴズリングの鍛えられた肉体ととに映る全てがコケティッシュでひたすらにクール。80年代の数々の映画へのオマージュとレフン監督特有の突発性演出が上手くハマっている。
当然だが人の考えていることはわからないものだ。行動によって見せればいい。冒頭の強盗を運ぶシークエンスからタイトルへの流れによって全て分かる。名前もない孤独な男の手によって文字通りこの映画は運ばれ、終わりまで目撃することになる。
コメントする