「"palinka"」ニーチェの馬 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
"palinka"
老いた父親と年頃も過ぎたであろう娘、そんな二人の生活を描く六日間は静かでありながら不穏な空気と雰囲気が付き纏う、無惨に思える毛並みもボロボロな馬、食事は茹でて蒸されたジャガイモをそれぞれ一個ずつ、それを毎日食す、おそらくは一日一食のジャガイモ、娘は慣れた手付きで熱がらず、父親は熱さに耐えられない模様、必要最低限の生活用品や道具はある筈なのに素手で食べるジャガイモ、そんな貴重な食料を完食することは一度もなく。
ワンカット長回しとまでは言わないが、静止画のように映る映像が全て絵画のように思える美しさがある中に混沌としたディストピア表現があるようにも、違うか??
何も起こらない日常の生活を描いているようで起こる出来事は唐突に、地味に進む物語自体に展開があるようで無いような、そんな世界観に飽きる事はなく最後まで魅入ってしまう。
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