灼熱の魂のレビュー・感想・評価
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やっと断ち切られた連鎖
1+1=1の驚きの真実。
やっと断ち切られた連鎖。
母が最後に残した「共に生きることが一番大事」の言葉通り、兄として、父として、母のためにも共に生きて欲しい。
強烈な展開
ルブナアザバル扮するナワルマルワンは、双子の子供に変わった遺言を残した。息子のシモンは母親としては変わっていたが普通に埋葬したいと言った。
確かに遺言とはいえ兄がいるとか突然自分が知らない事が書かれていたらとまどうよね。ましてや親として自分自身が分からなかった事を子供に押しつけるか?
評価が高かったので観たんだが、とても難解な展開だったね。でも後半に入るにつれその強烈な内容が理解出来る様になってきた。レバノンは恐い国だ。女性も強いね。
ややこしい、響かず、
最初から複雑っぽい家族関係やら設定やらを「押し付けられてる」かんじがして入り込めなかった。
映画というものはそれぞれの設定や背景があろうけど、最初からその説明や描写が雑だったり簡素化しすぎると、その始まりから興味がついていかず、そのあとの話の展開にも興味がもてなくもなる。
個人的にはもうちょっとそのあたりの描写や相関関係、状況設定の説明や経緯が丁寧だったらよかったな、と。
登場人物も増えてきて、時代がさかのぼったり戻ったり、お母さんと娘の顔が似てて混乱したり(笑)、武装勢力だか軍だかに巻き込まれたり、いきなり宿敵のボスのとこに潜り込んで射殺したり、いきなりどこかのプールで泳ぐシーンになったり、シーン展開も雑なようで、わからんまま興味をもつ前に話が進んで見てても冷めたとこはある。
中東での宗教やら民族の争いで銃や暴力がないとなんもできん連中の後進国の地域で、残酷で悲惨なことは多々あり腹ただしくもなるところ、こういう映画でそれを描写しようにも、ただ残酷につらく描けばいいというものでもなかろうかと。
物語のよさ、深さ、どんでん返しは伝われど、そこにも入り込めず感銘も受けず。
これは知るべき真相なのか?
心を閉ざしがちだったという母が亡くなった双子の姉弟。母を雇っていた男から、遺言書を読み上げられるが、そこには衝撃の真実が書かれており・・・といった物語。
遺言書に書かれていたのは、既に亡くなっているハズの父が実は生きていること、実は2人に兄がいること、そして彼らを探し出し、手紙を渡してほしいということ。
そんなこんなで、ジャンヌが母の残した謎を解明すべく、母の歩んだ人生を辿っていく。
終始、とにかく哀し気で寂しい雰囲気の物語。
本作でも、中東の悲しい現実や、宗教上のタブーなんかがガツンと描かれている。
何度見ても辛いし、腹立たしいし・・・。
少ないヒントを元に、母を知る人を知る人とかを探し、少しずつ母を知る人に近づき、探していた真相に近づくたびに明らかになる悲劇。観ていてこちらの精神も疲弊していく。ミステリー作品としても秀逸ですね。
やがて、真実を手に入れたジャンヌとシモンだったが・・・これは・・・。
辛く哀しい真実にぶち当たる映画作品はいくつも観てきたが、これはいくらなんでも。。
果たして、2人はこのことを知るべきだったのだろうか?
途中、世の中には知らない方が良い事も…なんて言う人もいたが。本当にね。
それでも母が残したメッセージには光明があったのかな?
タイトル通り、観ているこちらの心も焼き尽くされるような、哀しく、それでいて熱い作品だった。
個人的なことは政治的なこと。
やられたらやり返す。歯には歯を、目には目をの風土の中、禍福は糾える縄の如しの斜め上をいく人生をたどった女性。残された子どもにとっても、これほどの許されざる、そして許すしかないこじれた神の采配があったのかと気づかされるお話。
激しいパレスチナの内戦を肌感覚で知らない自分、いかに平和ボケしているかと思った。母の半生を辿る旅に出た娘と若い頃の母の姿が重なりすぎて、平たい顔族の自分は「え、どっちだ?」と一人でボケていたりもした(余談です)。
今後、1+1=2 という表記を見るたび、この映画を思い出すんだろうなあと思う。
ロケ地の迫力はもちろんのこと、双子たちの心象風景のようなプールの場面の静けさが印象的だった。たまたまプロット上は双子だったけど、ある意味この二人も二人で一人、その一方、一人の人間の中にもアンビバレントな人格が潜んでいるのだろう。だからこそ生育環境の影響は本当に重い、と再認識させられた。
本領発揮
なんだかよく分からない導入から、いったい何処へ連れて行かれるのか分からないまま、想像もつかないほどの残酷な運命を、双子の兄弟とともに体験するのは、あまりに劇的で、あまりに映画的な体験だった…
やはりヴィルヌーヴはこのくらいヒリヒリとした映画を撮ってこそだね。本領を発揮したのだなと、思わせられる。ヴィルヌーヴはこうでなくちゃ…
公証人
おもしろかった〜!各章がよくできている。
公文書は大事だ、ということをしつこく言ってくるので笑ってしまった。テキスト、コード、プロトコル、その結果たどりつくのは文字に刻まれた悲劇。
ギリシア悲劇みたいだ。
西洋人は英語もフランス語も通じない地ではあんなにうろたえるんだな。
公証人たちがいい味してるし、国を超えた信頼と敬意があるのも良いなと思った。
人生のエスプリを見せてくれる
人生の最後に自分の子供たちに壮絶な秘密を曝け出す。
その生きてきて秘密の人生をたどることで、子供たちに対する深い愛情を示した母親。
また人生に一度か2度しかないような偶然に、愕然としたエンディングを味わいました。
さすがフランス映画(?)の血流がミヤクミャクと流れている味わい深い作品でした。
母の過去とその足跡を探す現在とが重なり合って物語が進行していくので途中で今どっちと迷ってしまう時間があるかもしれません。
中東の嫌ミス。
メッセージ、ブレラン、デューンと続くヴィルヌーブの出世作なのでチェックです。
原作者は中東出身の劇作家の方で右派キリスト教とイスラム教の内戦がベースにあり、なかなか日本人にはすっきり腹落ちしない複雑な状況のなか悲惨な人生を送った1人の強い活動家で母親と、彼女の死後、遺書に翻弄される子供達の話。舞台でも日本で上演済みだそうです。
ズバリ日本でいうところの「嫌ミス」を中東の紛争地区ベースで組み上げた感じです。ちょっと都合良すぎる感じもしますが「嫌ミス」ですからトコトン追い込みます。欧米キリスト教圏、イスラム教のかたなら色々複雑な感情絡むのでしょうが幸か不幸か日本人なんで、宗教の話はいまいちピンとこず、どっちが悪いとか、ミスリードだとかあんまり気にしないで見たほうが「嫌ミス」を楽しめます。原題Incendiesはフランス語で炎の意味。
こんだけ面倒臭い話をよく捌いたなというか、この人ならブレラン、デューン行けるかも、、とプロデューサーに思わせる処理能力の高さと演出力。振り返るとヴィルヌーブ作品はたしかに宗教的な崇高さと説教臭ささを利用して話をリアリティ損なわず大袈裟に見せるのが上手いなと思う。レディオヘッドの音楽も効いてる。
つまり、この映画を観て彼はなるべくしてメジャーになったと納得しました。
ストーリー・テリングの巧みさが再確認できる
過去の母の物語と、その謎を追う現代の子供達の物語が並行して描かれる中で、徐々に真相が明かになっていく展開に、グイグイ引き込まれる。物語の描かれ方も、子供が事実を知ってから、母のエピソードが語られたり、その逆だったりと、画面から片時も目が離せない。
その構成の巧みさに、この監督は、つくづくストーリー・テリングの人なのだということを思い知らされる。
確かに、強引なところがあったり、ご都合主義的なところもあるのだが、衝撃の結末に持って行くまでの見せ方の上手さには、目を見張るものがある。
その一方で、そうした語り口の見事さが、最近のハリウッド大作では、あまり感じられなくなってしまったのは、残念としか言いようがない。
この監督の才能は、これぐらいの、小さな規模の映画でこそ発揮されるのではないかとも思ってしまった。
業火か煉獄か
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の出世作と云われる、戯曲が原作の映画。当人が舞台を観て衝撃を受けた気持ちを、そのまま取り出して彷徨った様な作り。洋の東西問わず作品の種類(映画、小説、音楽等々)問わず、初期作と呼ばれるものには作者の熱量が存分に備わっているので好きなのですが、コレもそう。劇場で鑑賞出来て良かった。
「キリスト教」と「ムスリム」を語れる程に宗教は知らないし、宗教や人種をベースとした中東の諍いの根深さも、極東の温室育ちには想像を超えるものがあるのだろう。そんな一端を抜き出した様な物語に途中から痺れが止まらなかった。一応舞台も含めて架空ではあるらしいが、むしろソレがリアルの生々しさを浮き彫りにしていた。なるほど「ボーダーライン」が改めてしっくりと腹に落ちていく感覚である。
思いは色々とあるだろうが、一度触れてみて頂きたい作品。
時として、知らない方が良い事もある
待っているのは驚愕の結末。
でも、分かりずらかった…
名前が似てるし、時系列が行ったり来たり…
中東に興味ないのもあるけど、退屈で眠かった…
オチは驚愕だけど。
驚愕結末映画ベスト10に入る。
なぜ?はある終わり方
なぜ母親は、兄と父に対する手紙を用意したのだろうか?2人がどういう心持ちになると読み切ってのことなんどろうか?結果1+1が1であることに気づくのだが。
それにしても、戦争、内戦というものは、人間性を喪失させなければ生き抜けない過酷な現実であることも思い知らされた。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とは誰?やっぱり最高ですね。
僕の評価の高い「メッセージ」「ブレードランナー 2049」「DUNE デューン 砂の惑星」を手掛けたビルヌーブ監督とは、
出世作とは?
とっても気になり鑑賞してみた。
時間と場所と私を幾度もチェンジして真実に近づいていく。
その度に殺戮と争いが繰り返され、真実が見えなくなっていくが、事実が明らかにっていく。
そしてオチが見えてくる。
ところが、
そんなオチと言う真実などどうでもいいことに大変換されてしまう。
しっかり、たっぷり映画を堪能させてくれる名画だ。
思わず「砂の器」を思い出し、
落涙してしまった。
「DUNE デューン 砂の惑星」見た人は観るべし!
評価はご自分の目で観てから
上映当時、何の予備知識もなく鑑賞し、真相が解った途端、周りも気にせず号泣してしまった作品です。なんちゅー酷い話なんだ!と 笑。少し間を開けてもう一度観に行き、再び号泣 笑笑。
淡々と進む長編ですが、構成が素晴らしいです。私の映画人生の中では、今でも一番記憶に残る衝撃作です。
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