劇場公開日 2011年10月1日

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「トーマス・マンがどんな性合なのか知らないが、この映画を見て、単なる...」ベニスに死す マサシさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0トーマス・マンがどんな性合なのか知らないが、この映画を見て、単なる...

2023年4月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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マサシ
Gustavさんのコメント
2023年4月18日

マサシさん、共感ありがとうございます。
浜辺のシーンで重く沈んで流れる音楽は、マーラーの第三交響曲のアルト独唱の第四楽章です。第五楽章の少年合唱とアルトソロの天国の音楽と対比になる“ツァラトゥストゥラの真夜中の歌”です。それと最初の出会いのレストランに流れるレハールの『メリー・ウィドウ』も選曲がいいですね。マーラーの第3番は約100分を要する大曲で滅多に演奏会の演目には掛からず、44年前の若杉弘指揮の都響の演奏が小生唯一の生視聴です。ヴィスコンティ監督は貴族の嗜みとして10代の頃はチェロを演奏して相当の腕前であったと言います。トーマス・マン始め文学と音楽の造詣の深さは常人の域を超えていますね。小説のタジオのモデルを昔日本の週刊誌で見た記憶があります。確かホテルマンだったと思うのですが、映画のビョルン・アンドレセンとは全く似ていない極普通の好青年でした。映画のアッシェンバッハにはマンとマーラーとヴィスコンティ監督の三人の芸術家の投影を感じます。
シルヴァーナ・マンガーノの「にがい米」は大好きな作品です。イタリア女優の上品な色気が溢れていました。マサシさんのお話を聞く度に、父上と趣味が合いそうで映画について語り合いたかったと、僭越ながら思いました。

Gustav