「複雑な心境、原作ファンとしては」ホビット 竜に奪われた王国 ebi_tiri2014さんの映画レビュー(感想・評価)
複雑な心境、原作ファンとしては
小説は、指輪物語が新装版で9冊に対し、ホビットは2冊であった。話の分量的に3部作するには監督の手腕が問われるところ。
第一部は、『ロード・オブ・ザ・リング』との関連を強めたり、「シリマリルの物語」からエピソードを引っ張り出したりして、さすがと思わせるものがあった。また、ドワーフの歌は、雰囲気が出ててよかった。
第二部は、見せ場はないだろうと予想していたが、どう映像化するかに興味があって見てみた。結果、原作の牧歌的雰囲気が削減され、『ロード・オブ・ザ・リング』的な要素がふんだんに盛り込まれていた。緊張感あふれるガンダルフの探索行、スリリングなアクションシーン、恋愛要素などなど。
原作ファンとしては、予想を上回る出来に喜びながらも、「トールキンの『ホビット』じゃない、深みがなくなった!」という思いもあり、心境は複雑。なのに、オリジナル要素が加わったことでハラハラドキドキ、画面から目が離せない。ピーター・ジャクソンめ!
原作を読んでない人には、『ロード・オブ・ザ・リング』に近い印象を受け、違和感を感じないと思われる。原作を固守するよりも、万人受けすること間違いなし!(小説だと指輪とホビットの落差は大きい)
最後にいわせて欲しい、副題は「竜に奪われた王国」でなく、「エルフに乗っ取られた映画」でおk!
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