「原作を読みたくなりました」ヘルプ 心がつなぐストーリー ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)
原作を読みたくなりました
1960年代アメリカ南部。
黒人への差別が最後まで激しく残っていた地域のメイド達の心が解放されるお話。
念のため色々調べた。
当時は1$=¥360のため、日本円で給与額を調べると貧困層とは言えない…(価値3.9倍計算すると25万円台)
でも、182$×12ヶ月してもたかが知れていて、当時の平均年収は5,000$を超える層が一番厚いので、その半分以下の収入のために月に192時間も働いてると分かる。それも社会保障もなく、命がけの差別を受けながらね。
そんな中でエイビリーンが勇気を出すシーン、素敵。
ミニーも続く。彼女はやり過ぎるが笑、面白いから良いだろう。貧困街育ちの能天気美女シーリアはミニーに何の偏見も持たない。
彼女もまた、同じ白人同士なのに貧困街出身ということで差別を受けている1人。
結局人種じゃないじゃん、気に入らないのは差別という名のイジメの対象にするんじゃん。
ヒリーは、彼女自身も女性差別の犠牲者でもあるのに気付いてすらいない。エリザベスも、ジョリーンも。
作中、彼女達の旦那さんは見事なまでに出てこない。
家のことは女房に任せて(押し付けて)あるから、だろうな。
働いて自立することもなく、他人を攻撃して自分のプライドを保つヒリー。実はそんなヒリーに嫌な気持ちを持ちつつ、強き者に従うことしか出来ない、従属的なエリザベス。元々性格の悪いイビリ屋ジョリーン。
かなり最悪な友人しかいないユージニア…でも、エイビリーンやミニーとは友情も育んだよね。
コンスタンティンの解雇されてしまうシーンは、悲しくて堪らなかったけど、アレは娘のレイチェルも悪いよ。もう少し母親の勤務先で起きてることに大人の対応しないと。彼女はワガママだと思う。
アメリカ改革の娘の州代表と言いながら、恐ろしく保守派の会長に丸め込まれてしまうユージニアの母親の悲しさ。アレは現代でもあるあるだよね。
そして最後に、メイ・モブリーちゃん可愛かったけど…彼女もまた育つ過程で変な差別や偏見を抱いてしまうのだろうか。
是非ともそうならず、ユージニアのような聡明な女性になってね。