「70年代を知る世代は見に行け!」愛と誠 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
70年代を知る世代は見に行け!
現在51歳の評者にとっては、「愛と誠」は西城秀樹主演で一世を風靡したのを知っている世代。とはいえ…、巨人の星、あしたのジョーは大好きの梶原一騎ファンではあっても、愛と誠にはちょっと違和感があり、原作は未読のまま今日に至っている。
で、通して「愛と誠」を体験したのは本作が初めてと言っていい。
結論は、題名に記したとおり。
三池監督は、原作と時代の持つ雰囲気を実にうまく映像化した。
おそらく梶原原作のテーストを十分に生かす、いやそれ以上に映像化に当たってはその持ち味を昇華している、と思う。
主演・妻夫木も真剣勝負で監督の熱情に答えていると思う。
ヒロインの武井はおそらくワケのわからないまま最後までやったと思うのだが、それがかえって早乙女愛が醸し出さないといけない純な持ち味を出すことに成功したといえる。
映像化に当たっては、ミュージカル仕立てにした段階で、遊びの要素に満ち満ちているが、最後まで見れば、梶原スピリットともいうべきものがちゃんと描かれているのは分かるだろう。
納得の一本だ。
平日昼間、東京・錦糸町の劇場で鑑賞したが、他には70代後半とおぼしき女性3人、60-70歳くらいの男性1人。そして51歳のオイラの5人。鑑賞者の平均年齢は68歳。
見ながら笑っているのは、オイラだけだったね。
あのオバハンたち、なんでこの映画を見に来たんだろうか。
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