劇場公開日 2012年10月6日

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アウトレイジ ビヨンド : 映画評論・批評

2012年9月25日更新

2012年10月6日より丸の内TOEIほかにてロードショー

キャリアを積んだ老境のヤクザたちの不敵な顔貌とその声の響き

耳をつんざくようなヤクザ同士の怒号と饒舌なダイアローグの応酬という見立ての「アウトレイジ」で、鮮やかに<暴力映画>への復帰を遂げた北野武だが、この続篇では同行の手法をあからさまに踏襲しながらも、初期の傑作「ソナチネ」への言及が目立つ。

冒頭、埠頭で心中を装って殺害されたカップルの乗った車体が海からクレーンでゆっくりと吊り上げられる光景、あるいは出所した大友(ビートたけし)が乗るエレベーターという密閉空間に漂う不気味な沈黙と間合い――、既視感を抱かせつつも、得体の知れぬ禍々(まがまが)しさを瞬時に画面にべっとりと滲ませる手腕は健在なのだ。

加えて、背をまるめて猫背気味に歩く大友を引きとクローズアップで正面からとらえる長いカットが頻出するが、そこにはたけし自身の紛れもない<老い>のドキュメントが確信犯的に刻み込まれている。この映画の最大の見所はたけしのみならず、花菱会会長を演じる神山繁を筆頭に、キャリアを積んだ老優=老境のヤクザたちの不敵な顔貌を飽くことなく眺め、その声の響きに聞き入ることである。一方、スピッツのように甲高く吠えまくる石原(加瀬亮)やキレるチンピラを演じたら当代随一である新井浩文など若手がコケにされまくりで好対照を形づくる。

関東VS関西というヤクザ組織抗争勢力図の拡大、警察との気色悪い裏工作のディテールやプロットの組立はきわめてオーソドックスで、かつての激烈な北野映画批判者であった笠原和夫の作劇術にますます似てきた。ラストなどほとんど「仁義なき戦い」第1作への屈折したオマージュにしか見えない。案外「アウトレイジ」5部作なんていうのもありかもしれない。

高崎俊夫

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