ブリッツのレビュー・感想・評価
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もろ「ダーティ・ハリー」
一応原作もあるらしいのだが、あまりにも「ダーティ・ハリー」と類似点が多くてあきれた。無名な作品ならともかく刑事物としてシリーズ作品も多数作られ、あれだけ有名な作品をここまでパクるとは・・・ ジェイソン・ステイサムは、現在のアクション・スターNo.1と思っていたので、何だか悲しかった。ハリーの方があそこまで酒飲みで、ただ飲みしていなかったし、犯人もスコルピオンの方がいやらしかった。すべてにおいて劣ると言える。残念ながら!
ジェイソン・ステイサム、まだまだ落ち着くには早すぎる
ジェイソン・ステイサム主演。一見、いつものアウトローに見える。
だが、この作品はちょっと違う。
ジェイソン・ステイサムがこれまで演ってきたのは、決して“エエもん”ではないのだ。「トランスポーター」の運び屋にしろ、「メカニック」の暗殺屋にしても、“ワルもん”のなかで筋を通す一匹狼が本来の姿だ。
本作でも、上司の忠告を無視し、犯罪者に容赦のない鉄槌を振るうが、ジェイソン演じるブラントは体制派の人間だ。そういうバックボーンは彼に似合わない。
クリント・イーストウッドの「奴らを高く吊せ!」(1968)を思い出す。「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」などアウトローだったイーストウッドが保安官となって悪いヤツに復讐する話だ。悪くはないが、物足りなかった。
本作も、つまらなくはないが物足りなかった。
イーストウッドは、あの後、「ダーティー・ハリー」シリーズを経て社会派作品を生み出す名監督になった。
まさかジェイソンも方向転換??
もうしばらくは、体制派に属さず、権力にも媚びず、“ワルもん”のなかの“エエもん”でいてほしい。
まだまだ落ち着くには早すぎる。
p.s. [単純]の項目にチェックを入れたが決して単純な作品ではない。ほかに該当する項目がなかったのだ。[物足りない]という項目がほしい。
テンポはイギリス流
イギリス版ダーティ・ハリーとでもいおうか。
法が裁けない犯人を処刑する、言わば必殺仕置き人。
何が正義か、何が悪かの議論はこの際置いといて、悪い奴、しかも性根の腐ったやつらは叩きのめす。
かといって、自分が絶対正義とは言わず、どちらかといえば悪、しかも悪い奴には徹底して悪。
本当にあったら大変だが「毒を以て毒を制す」は古今東西の一つの「正義」の考え方なのかも。
*
ジェイソン・ステイサムは、どちらかというと「まともな悪い奴」の役が多いが、今作では「悪いまともな役」となっている。
彼は車のアクションが多いが今作では普通の運転しかしておらず、その部分の期待には応えてない。
いずれにしても肉体派、武闘派の役柄が多く、もう少し違う役柄も見てみたい。
パディ・コンシダインは「ホット・ファズ」では古参の地元警官、
「ボーン・アルティメイタム」ではボーンを追うシャーナリスト。
ストークスのルーク・エバンスは「三銃士」のアラミス。
ザウィ・アシュトンは初見だが、TVの出演が多いようだ。
ジェイソン君らしい作品ではあるが、、、
この映画を見て最初に思ったのは、「ジェイソン君、演技の幅狭いなぁ」って事。トランスポーターの頃のジェイソン君は、渋みのある演技が好きだったけど、その後はどの作品見ても同じような役柄ばかりで、若干食傷気味。例えるなら、歌手の槇原敬之の歌みたいな感じで、どの曲聴いても同じに聴こえてしまう。物凄く狭い範囲の演技しかしないんですね。そのせいか分かりませんが、どの作品も同じような世界感になってしまっていて、見る前から大体の予想がついてしまう。
この作品についても、全く予想通りというか、ジェイソン・ステイサムらしい映画になっていて、予定調和的な内容に若干眠気が、、、。
まぁジェイソンファンなら楽しめるんじゃないでしょうか。
もっとダーティな“正義”でも良かったかも
狂気の殺人鬼を、凶暴なはみ出し刑事が追い詰める……
そんなあらすじから真っ先に連想したのはやっぱり『ダーティハリー』。
まぁあれは僕が生まれる遥か以前の映画で、
「あー、当時はエポックメイキングな映画だったんだなあ」
という感慨こそ抱くものの、スゲー面白い!という印象は残念ながら無い訳で。
だから本作は若い観客でも楽しめる『ダーティハリー』的映画かもと期待していたのだが、
実際、なかなか楽しめた。
まずは御存知、ジェイソン・ステイサム兄貴!
何でもかんでも腕っぷしに物を言わせるオッソロシイ刑事だが、
ユーモアはあるし、同僚達の悩みを解決しようと色々と気を回す情に厚い男でもある。
早い話がジャイアンである(←違う)。
エイダン・ギレン演じる殺人鬼も、雑な犯行の割には
奇妙に研ぎ澄まされた動物的な勘でのらりくらり逃げまくる姿が憎たらしい。
その下卑た笑いの裏には警察への——更には社会そのものへの憎悪が見え隠れする。
派手な見せ場は無いし、展開のアラも目立つが、キャラやアナログなアクションで魅せる。
街路をひたすらに走りまくる中盤のチェイスもいいね。
監督がCM界出身というだけあって音楽もクールだ。サントラ欲しい。
また作り手には、自国の暗い側面をエンタメ映画で描きたいという思惑もあったんだろう。
クスリに手を出す刑事。
ギャングを抜けられない青年。
殺人の阻止より特ダネを優先する記者。
車上荒らしの現場を見られても悪びれない少年たち。
イギリスの内情について知識がある訳でも無いが、
「イギリスって病んでるなあ……」と、この映画を観て感じた。
(ま、日本もいい勝負さね)
だがその点について不満がひとつ。
別に「暴力反対ザマス!」とモラリストを気取る訳じゃないけど、
犯罪に対しては否定的な描写をしてるのに、
主人公の暴力をクールに演出しようとしてるのはなんかチグハグじゃない?
この刑事のやってる事は“常識的”な正義とは違う。
だがこれくらい凶暴な正義じゃないと止められない残忍な連中が、世の中にはいる。
それはある種の諦念な訳だが、この映画は寧ろ
それを積極的に肯定しているように僕には見える。
上層部との対立とか、主人公の弱点とか、
暴力が更なる暴力を生む展開とかを掘り下げて、
彼を単なるヒーローではなく、もっと“ダーティ”に見せてほしかったかな。
ともあれ、悪くない出来。
<2011/10/15鑑賞>
持つのはエンピツじゃない。ホッケースティック?
ジェイソン・ステイサムはこのての役が多くて少々飽きた。
サイコ野郎もザ・シークレット・サービスとレオンに比べると悪役のキレ度不足。
ゲイの上司もイマイチ。
フォールズ婦警がちょっと気になったけど、不良のガキとの関係が深まらない。
エッ、そんなのあり的な驚きが欲しい。
こんなデンジャラスなステイサムは見たことがない!
これまでは、精密な知謀に満ちた殺し屋や運び屋役というのがステイサムの役どころ。だから肉体派俳優でありながら、クールでストイックなイメージがつきまといました。
ところがどうでしょう。本作では、ガラリとイメチェンし、見るからにデンジャラスで正義に向かって猪突猛進する荒くれ刑事をこなしているではありませんか。
新たな見せ方を、いつものだみ声で演じるステイサムの魅力たっぷりの作品。犯行を予告して警官を殺していく、激情型の犯人と息詰まる駆け引き合戦。さらに小癪に、証拠不足で釈放された犯人に対する、予想不可能な主人公の復讐方法など、変化に富んだストーリーに大満足しました。
プロデュースにも参加し、脚本にもいろいろ意見したというくらい、ステイサムは本作に入れ込んで参加したようです。その目指すところは、役の幅を拡げたい一念だったのでしょう。
その狙いは、冒頭から炸裂します。自分の車を奪おうとした少年不良グループを、ホッケースティックで滅多打ちにしてしまいます。その容赦なさは刑事の片鱗も感じまさせん。一時が万事こんな感じだから、主人公の刑事ブラントは、以前の逮捕劇でも、犯人に過激な暴力をふるった罪を問われて、自宅謹慎中でした。
ある日巡回中の女性警官が射殺されます。身内を殺される警察の失態を、これ見よがしに新聞は叩くのでした。非常事態に、検挙率No.1の実力を誇るブラントも捜査に狩り出されます。
不敵にも犯人は、ブラントの暴力を追及してきた新聞記者に自らの犯行予告を売りこみ、カネに替えようとします。しかし、なぜ警官ばかり殺そうとするのか、その理由は明かされません。犯人のディテールも明かさず、第二、第三の犯行に突き進んでいくミステリアスな展開は、好奇心をそそられました。
ブリッツと名乗る犯人の呼称は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツがイギリスを襲ったロンドン大空襲を指す言葉。ロンドン市民には、恐怖の記憶として刻み込まれています。
ブリッツの外見は、風変わりな衣装に、警察犬を焼き殺し、マイケル・ジャクソンの排泄物を保管するなどクレイジーな面が目立ちます。しかし、犯行においては用意周到に、街頭カメラの位置など調べ上げて、決して証拠となるものを遺さない緻密な頭脳で、警察を手玉に取っていたのでした。
一方休暇中のロバート警部に代わって指揮を執ったのが、ナッシュ。ゲイというだけで署内で差別されてきた性癖の持ち主なんです。それが元で、犯人逮捕時に感情的に暴力をふるってしまったことで、ブラントの分署に飛ばされてきたのでした。ナッシュのキレた過去に共感したブラントは、お互い相棒となってブリッツを追い詰めていきます。暴力刑事にゲイという奇妙なバディではありますが、ナッシュの知能がうまくブラントを制御して、名コンビぶりを発揮するようになっています。不思議なことはブラントが余りに暴力的なので、ナッシュのオカマっぽいところが次第に気にならなくなり良識派刑事になっていくことです。
ブラントのあくどさは、情報屋のラドナーを脅して、金を払わず情報を聞き出すばかりか、待ち合わせに使ったカフェの飲食代まで払わせてしまうほどでした。このシーンステイサムが演じると、ちょっとユーモラスなんですね。
ついにブリッツは、ダンロップに犯行声明を連絡した上、ブラントの親友・ロバート警部を惨殺します。一見愉快犯に見栄がちなブリッツの犯行動機も、ブラントの親友・ロバート警部を惨殺された時点で、殺された警察官たちと容疑者ワイス(ブリッツ)との関連性を見出します。ブリッツは自分を逮捕した警官全員を襲っているのでした。
そして婦人警官フォールズが次の順番の筈だとフォールズの自宅へ急行します。
一方ダンロップは事件の原因にブラントの暴力があったことをかき立て攻撃します。
フォールズは、彼女の隠し子らしい少年が身代わりになることで、ブリッツの魔の手から間一髪逃れます。このあと麻薬漬けになってしまうのです。その後の顛末が描かれず、やや不満に思えました。彼女にも復讐に立ち上がって欲しかったです。
このあとブリッツは逮捕されて、釈放。ラストのドンデン返しに繋がっていきます。
結末の落とし方は、道義的には疑問を感じます。でも映画的には面白い展開。それに、ブラントが語る理屈の付け方が、なるほどと思わせてくれました。
劇中を通し強面のブラントではありましたが、本当は気の優しい男なのかもしれません。相棒へのナッシュに対する同情に近い感情や、麻薬に溺れたフォールズを立ち直らせようとするところなど、とても鬼刑事一辺倒の所業ではありません。そんな二面性が本作の主人公のいい持ち味なんだと感じられました。
ラストシーンで、散々ブラントをいたぶる記事を書いたダンロップに、二匹の猛犬が放たれるところが小気味よかったです。報道する側の負の側面も同時に明かさせる伏線もご注目を!
変態VS刑事
変態VS刑事そのものです。たいした内容はなくジェイソンステイサムの得意の格闘シーンもなくがっかりでした。ただ音響効果はなかなかハラハラさせるものがあり、よかったです。
しかし、映画館で1800円を払って見るような映画ではありません。
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