一命のレビュー・感想・評価
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紅葉(もみじ)を模した菓子は、なぜ緑色なのか
小林正樹監督、仲代達矢主演のモノクロ作品「切腹」を観たときの衝撃は忘れられない。竹光の痛み、どす黒い血、人物相関の図と地が入れ替わる瞬間…。だからこそ、三池監督とは言え、本作への不安は少なからずあった。 思えば、三池監督はいつでも分の悪い挑戦を敢えて選んできた。今回は、様々な点でことさらに。個人的には、笑いを封印した点がいちばんの挑戦だったように感じる。前作「十三人の刺客」ではおぞましすぎて笑いを誘った敵役(稲垣吾郎が演じた藩主)も、役所広司演じる家老は、背筋が凍るまでの冷徹さと悲哀を滲ませていた。 さらに今回印象的だったのは、菓子の使い方のうまさ。饅頭をつましく分け合うのは常套として、井伊家で出される紅葉(もみじ)を模した菓子には唸った。秋の菓子である紅葉が、なぜ緑色なのか? 後半その謎が解けたとき、胸が痛くなった。3D、高画質ならではの美しい紅葉(こうよう)が、違った色を醸し出す瞬間だった。 小林版、三池版、どちらが上、どちらが勝るといった比較にこだわらず、今だから表現し得た、新たな物語世界を味わいたい。
狂言にしなかった、ではなかった
食い詰めた浪人が大名屋敷にやってきて、「切腹のために庭先を拝借」と願い出、困った屋敷は金子を与えて返す。そうした狂言切腹が横行していた。井伊家に、津雲半四郎がやってきて切腹を願い出る。家老斎藤勘解由が対応し、以前同様にやってきた青年千々岩求女のことを語る。千々岩と同じ福島家だった津雲は、彼を存ぜぬというが。
武士の体裁、恥、外聞、故の物語。現代人の自分なら、恥を忍んで命乞いをして逃げ出し、他の屋敷に行くだろう。竹光での刃傷は壮絶でした。狂言にしなかった井伊家、狂言ではなかった津雲半四郎。
10歳も離れていない役者に、親子を演じさせたことに疑問。演技自体は良いと思うんだけど。いつもは見る人を引き付ける役ばかりなのに、今回はあまり共感できない、いい役とは言えない役所広司。それでも、さすがやくどころひろしだなぁ。
旧作「切腹」も観たいと思います。
役所広司さんが嫌いになる作品
冒頭の瑛太さん扮する州女の切腹シーンは見てられなかった。
介錯役の何度もの非情な言葉かけは
この場合に必要なことだったのか⁉️
州女が最初に振り向いた時に役を果たしていても良かったのではないか、と思えてならない。
はるか400年前、
人一人の命なんて軽いものだったと本作で教えてくれる、 武士、侍の時代、
武家諸法度によりお家取り潰しとなり浪人となった津雲が父を亡くした州女と娘美穂と江戸に移り貧しいながらの暮らし。
子供達は成人し、津雲の口添えもあり夫婦となり金吾という息子ももうけた、
一番幸せな頃。
あばら家で住むせいか胸を悪くした美穂と流行病かの金吾を抱えて途方に暮れる州女。
一大決心をした州女の果ては、‥‥。
父津雲は、
州女は妻子を救うが為に必死だった旨話すが、
家老斎藤には、「庭を貸したまでよ。」と
鼻で括ったかのような物言いで返されるだけ。
そこで介錯人だった者達から切り落とした髷を見せ、命を惜しみ隠れているぞと暴露する。
自身が携えた腰の物も竹光であった。
愛する娘、婿、孫を失い生きることなど望まない津雲が州女の無念を晴らすべく乗り込んだのだ。
津雲の話の矛盾を無くすが為三人に切腹を申し渡す家老。
何かあると直ぐ切腹❗️
州女は賢い人間であるのに、焦りからか、
間違った選択をしてしまった。
何の落ち度も無く命を差し出す羽目になろうとは。
厳しい武士の世界、こうして淘汰され、
運の良かった者、が生き延びれたのか⁉️
『切腹』ならぬ不服←ちょっと上手いこと言った。オリジナルには叶わなかったかなぁ。
本作ね、結論から述べると、オリジナルの『切腹』と比べて、かなり不満の残る作品でした。
いくつか理由があるんですが。
まず、勘解由が根っからの悪人として描かれていなかったので、鬼畜っぷりがいまひとつだったんですよね。
だからラストのカタルシスが、かなり物足りなかったと感じました。
本作での勘解由は、えげつない彦九郎を突き飛ばして、苦悶の求女に介錯の一太刀を振るって絶命させてあげたんですね。ここ、オリジナルにはなかったシーンです。
半四郎に対しても「悪いことは言わん」と切腹を思いとどまらせようとしていましたし。
半四郎の元へ、求女が命と引き換えに頼み込んだ三両の金子も届けていたし。役所さん、ちょっといい人っぽい。
加えて、半四郎に追い詰められていく心理戦が、淡泊すぎたかな?と思いました。
代わりに半四郎が求女の身を預かるに至った経緯が映像で子細に描かれていました。ここ、いらなかったかなぁ…。幕府の理不尽な御沙汰と、それに対する半四郎の無念、求女の窮状を描くにしても、ここは語りであっさりと流してもよかったような気がして。
そして、お白洲での半四郎の声色が怒り一辺倒の一本調子で、感情の抑揚に欠けていたと思ったの。
オリジナルでは、不気味だったり、不敵だったりの笑みがあったのに。そこがおどろおどろしい見どころだったのに。
おどろおどろしさと言えば、最大の見せ場、求女の切腹シーン。
どういうわけか、カラーよりも白黒の黒い血の色の方が残酷に見えたんですよ。
また、白黒の方が、各々の俳優さんの表情が鬼気迫って見えました。
海老蔵さん、瑛大さん、満島さん、結構頑張っていらっしゃったんですが。
彦九郎を始めとする介錯人、三名との果し合いも、ひとりずつ髷を切ったのではなく、まとめての対決だったから、あっさりしすぎていたし。
彦九郎との決闘は、もっと丁寧に見せてほしかったです。
余談ですが、オリジナルの『切腹』では、仲代さんと丹波さん、模擬刀ではなく真剣を使われたそうで。だから、あれだけ本気の迫力があったのは想像に難くなく。
何よりもラストの大立ち回りで、半四郎が切腹せずに斬り合いで果てたことが、大きく興を削いだと感じたの。
あそこは『切腹』のタイトルを付けるにあたって、重要なシーンだったでしょ。半四郎の“武士としての面目”を立てるシーンだったでしょ。
逆に彦九郎他二名の介錯人は、きっちりと自分で腹かっさばいていたし。むしろ井伊家の方が面目を保ったように見えてしまって。
肝心の殺陣も綺麗にまとまりすぎていたように思います。
オリジナルでの、腰を深く落として両腕を大きく開いた「八相の構え」に迫力があったのに。
戦国の世を戦い抜いた喧嘩殺法が見ものだったのに。
音楽も綺麗すぎたかなぁ。
ただね、半四郎が竹光で戦ったのは、意外だったし評価しているです。←何様?
求女の意趣返し、武士が真剣で斬られる以上の辱めを与えていたところは痛快でした。
キャスティングについてもさほど不満は感じなかったんですが。
総じて、どうしてもオリジナルとの比較に終始してしまいました。
それがなければ、一本の作品として、評価がもっと違ったのかもしれませんが。
狙った描き方がオリジナルとは違うポイントにあったのかな?
ストーリーは同じでも、元作とはまた違った味わい
元作の『切腹』(1962年)と筋立ての点で大きな変更はないようです。 モノクロ作品の元作から、本作はカラー化されたことで、紅葉など、ドラマの中での時間の経過(季節の移り変わり)の描写が効果的に使われていました。 「リメイク作品は元作を超えない」という評もときおり耳にしますが、本作は、元作とはまた違った味わいができた一本でした。
賛否両論にびっくり
前作や原作を知っていると、これが軽薄に見えるらしい。 市川海老蔵じゃダメで満島ひかりもダメ なんだそうだ。 なるほど。 ただ 漠然と(瑛太の切腹風景は見てられなかったが) 娯楽(という言い方もこの場合不適切な言い方だが) として視聴したので、その類のレビューを見て、そうだったのかと驚いた。 まあ栄養状態の酷い母親の乳でこんなにぷんぷくりんの赤ん坊はナイわ、とは思ったけれど。 というか、これってホンモノの赤ん坊を使ったのだろうか。 最後の海老蔵の殺陣は美しく、満島ひかりの演技ももちろん申し分無し に見えた。 満島ひかりの子ども時代は、もうちょっとなんとかならないものか、こういうところに子役の層の薄さもしくは起用の仕方をハリウッドと比較してしまう。 あの顔は将来満島ひかりには、なり得ない。とは思ったが。 瑛太の、竹光での切腹は全く惨たらしい。 人を痛めつける快楽が顔に現れている二名(青木崇高と浪岡一喜)の起用が全くこの場合の悪役にうってつけで、そこに追加される新井浩文の中途半端な存在も良い。〜この演技がもう見られないかと思うと甚だ残念でしかない。 まあ 言われてみれば、 押しかけて来る狂言切腹は、来られた方もこれはこれでただの迷惑にしか過ぎないではないかと見えてしまう、という意見はごもっともであり、海老蔵の殺陣を見つつ、そういう風に感じたのも正直なところではあった。 この作品では、容赦ない体面のみを重んじる武士という存在の空虚さ を描こうとしている訳で、 国民一律医療も公的扶助も一切なく 雇用を切り捨てられた者はもはや生きていく事自体が困難となる有り様を描き切った。 竹光で美しい演舞とも言える殺陣を見せる海老蔵浪人の頑張りは、竹光であるが故に相手の人数は全く減りはしないのでいつまで頑張ろうが終わりはない。 海老蔵の刀は実は三人の死の時は竹ではなく、瑛太は父から譲られた立派な一振りを既に金に変えていたのに自分は武士の矜持に縛られていた(あってる?)事すらも恥ている。たぶんその後に竹に変えて井伊家へ という事のように見えた。だからこそ ホンモノの刀を持つものが怯む程の殺気を 人を一太刀で切り捨てられる武器を手にしているからこそひしひしと感じて腰が引けてしまう、その描き方は見事だった。 と思ってしまって ほお〜っと思いつつ視聴し終わった私は物知らずなのか、となったのだった。 配信でしか見てないしね、という弱みでもあります。 とは言え前作の「HARAKIRI」を この作品以上に残忍さを増す物を 見たいかというと まあ 見なくてもいいか と思う。
武士として、とは。
2回目の鑑賞。
1回目は映画館、今日はFODで。
自分の力ではどうにもならないことを、
大切な人のために、人に頭を下げる。
プライドを捨てること。
それは、恥ずべきことなんだろうか。
武士として。
誉れのために生きる侍の考えは
今の時代を生きる私には想像も出来ない。
病に伏せた我が子に、何でもするといいながらも
刀は捨てれなかった。
刀を捨てるなんて考えもしなかったのかもしれない。
しかしモトメは、本を捨て、刀を捨て、
何もかもを投げ打って、
妻と子のために尽くしてくれていた。
最後は我が身も投げうる。
武士の誇りとは何なのだろう。
懐に入れ、持って帰っていたお茶菓子を
美穂が食べるシーンが泣ける。
妻を想い、夫を想い、子を想い、親を想い、
ただ、皆んなで過ごす春が来ると願っていた家族の
悲しい物語だった。
海老蔵の所作が一つ一つ美しい。
特に立ち回りのシーンの目力が凄くてカッコいい。
さいごの刀を抜いたとき、まさか木刀であったのがなんとなく分かってはいてもゾクっとした。
瑛太の切腹シーンの演技が素晴らしい。
満島ひかりの幸薄い雰囲気も良かったし
竹中直人の引いてる顔も良かった。
青木崇高のさいごの血を吹く顔も良かった。
坂本龍一の音楽も、素晴らしかった。
あとセットが汚い貧乏な雰囲気がリアルで良かった。
相手の立場に立って考える
浪人側と井伊家のどちらから見るかで、事件の風景が大きく変わる。前半と後半ではまるで別の映画のよう。「スリー・ビルボード」と通底するものは一緒。いい日本映画。
予告編はもう少し考えて作って欲しかったな。あれ見たら筋が読めてしまう
肩入れしてはいけない
主人公の家族だけ見ると惨すぎて胸糞悪いが、一番悪いのはこの時代であり、政治である。客観的に見ると狂言切腹の見せしめは必要で、この一家は乳幼児の死亡率や貧富の差を考えると氷山の一角。ただの逆恨みとしか思えない。しかしあの赤ちゃんは太りすぎてて嘘くさかった。
満島ひかり、、出演作品。江戸時代初頭、大名の御家取り潰しが相次ぎ、...
満島ひかり、、出演作品。江戸時代初頭、大名の御家取り潰しが相次ぎ、困窮した浪人たちの間では、裕福な大名屋敷に押しかけて切腹を申し出ると面倒を避けたい屋敷側から金銭を与えられることを利用した「狂言切腹」が流行していた。
勿体ない
三池作品は「十三人の刺客」以来の時代劇。 前回と違ってかなり全体抑えめなトーンで展開していく。 途中から昔に遡って進むんだけど、 昔の話の端折り方が上手いなあと。 遡る前に出てたキーワードを、どこで言うかとか、 あの‘物’はどのタイミングで…とか、 ちゃんと話の流れの中で見せてるので、 話の理解度が増していくのが楽しい。 あとネコの使い方。 ネコを武士にダブらせて、憎いね。 この監督は時代劇が合っているのか、 それとも元作品(これリメイク)がしっかりしているのか。 ただ最後の殺陣は必要だったのか、それにしても長くないかとか、 面目という飾りを嘲ったものの、ラストは哀しいし。 全体的に哀しい話で高揚感はない。 海老ちゃん凄みは良かったけど、台詞が聞き取りづらい。 役所広司も満島ひかりもいつもの良さ。 瑛太は時代劇にしては台詞が早口過ぎかな。 あと竹中直人が勿体ない使われ方。
骨抜きの駄作
駄作である。脚本が悪い。
夫婦愛、阿鼻叫喚切腹シーンに、やたら時間を割くあたり、タレントの露出を優先したのだろうか。結果テンポも悪く、ただ陰鬱なだけ。格調高さもない。
なぜか可愛らしい白猫が登場するが、まさかゴッドファーザーの真似事か。脚本は女らしいが、トレンディードラマでも作りたかったのだろうか。
最大の問題は、封建社会の残酷さや虚飾を暴く話なのに、武家側が大して残酷でも飾ってもないことだ。
特に家老職・斉藤勘解由が優しすぎる。
・千々岩求女の介錯に、短刀を貸し出そうとする
・介錯を遅らせる沢潟彦九郎を叱り、なんと自ら介錯に及ぶ
・あげく、千々岩家に金銭を与える。
目を疑う光景であった。
原作の斉藤が否定した「義理人情の通じる甘い世界の話」の体現者ではないか。
これでは、誰も井伊家を恨めまい。
こうなると、金吾が死んだのは、お金が家に来るまでの単なる時間差の問題である。間抜けな話だ。
求女がさっさと井伊家に行って無心してたら、お金もらえたのに。金吾も死なず、美保も後追い自決をせず済んだ。
求女の「(美保を)命をかけてお守りしたい」という言葉は、口先だけに終わった。タイトルの「一命」とは、何かスナック菓子のような軽めのモノを指すのであろう。
この脚本により津雲半四郎は、人の家に上がり込んで悲しそうに喋るだけのクレーマーに落ちた。
クライマックスで、半四郎が、井伊家の家臣3人の髷を見せる場面も、興ざめだ。この3人、なんと3対1で半四郎に負けて髷を切られている。どれだけ弱いのだ。井伊家というより、垢抜けないチンピラ3人の不始末の問題である。
そもそも、斉藤自身が「うちの家来は戦を知らぬ」といきなりハードルを下げてひよっているからね。
初めから「武士の面目」が描けていない。
原作で、武家の虚飾を暴くのは、半四郎の刀であった。
半四郎は武士として〝迂闊にも〟しがみついてしまった刀でもって、修羅と化してけじめをつけた。武士の誇りである刀は、持つ者の資質を問い、リスクを突きつけるまさに諸刃の剣。刀の持つ本質が浮き上がったのも、原作の魅力であった。
そのような展開、望むべくもない。
海老蔵半四郎が抜いたのは、やっぱり竹光。
「命を大切にね」とでも言わんばかりの、竹光チャンバラごっこ。
ビー・バップ・ハイスクールかよ。まだ城東のボンタン狩りの方が気合いが入っている。とんだおままごとだ。この作品に、刀はもったいないかもね。
誰か脚本家を止める者はいなかったのか。あれだけの方々がおられて。骨太な脚本が、すっかり骨抜きにされ、刀から竹光に落ちた。
「半世紀を経て、日本映画はダメになりましたー」ということを示したかったなら、成功である。
猫は可愛かった。
三池監督
同一原作に『切腹』がある。 三池監督にもこんな静の作品が作れるんだな!と感心する。出来ればこの路線を続けてほしいものだと願うばかり(笑)。 瑛太演じる千々岩は妻子のために3両が欲しかっただけだが、武士の面目を重んじる井伊家ではそんな簡単にはいかなかった。望むなら庭先を貸して思う存分切腹すればいい・・・しかし事態はそんな単純ではない。貧困のため刀も脇差も竹みつだった千々岩。家臣の沢潟(青木崇高)はその竹光で切腹させようとしたのだ。なかなか腹に刺さらない千々岩。苦しんでる姿に情けをかけて家老自らが介錯する・・・ 同じように津雲が切腹する前に、彼は沢潟、松崎、川辺に介錯を頼みたいと申し出るが、その三人は姿を消していた。そして、哀れな娘婿、千々岩の話を始めるのであった・・・ 津雲も千々岩もともに福島正則の家臣であったが、主君亡きあとの広島城受け渡しにより浪人となった身。関ヶ原では同じ東軍だったのに!という部分も虚しく響く。平穏な時代がやってきているのに武士の面目だけは残ることがいかに窮屈なことか。現代に置き換えてみても、単なる詐欺にしか思えない行為なのだが、実際に切腹するとなると侍魂がいかに邪魔になるかがわかる。 津雲が語る千々岩の生活ぶりは哀れでしょうがない内容。しかも孫が死にそうな状況で医者に診せるための3両欲しさに・・・やがて孫は死に、千々岩の死体が届けられたときには妻である美穂(浦島)も自殺。しかし、津雲の復讐心は武士とはなんぞや?と問いかけるような行動。沢潟らを殺すわけではなく、髷を切っただけなのだ。クライマックスでは竹光で大勢の井伊家家臣を相手に大乱闘。彼には相手を殺す気なんてのはないのだ!殺陣もさすがだけど、心にグサッとくるものがある。
切腹=現代の自殺ではないということか。
切腹。 死ぬだけならば飛び降りるとか、川に流されるとか、もっと楽に死ねる方法があるだろう。 あえて一番キッツイ方法で自ら命を絶つことで周りに一目置かれたりする。 現代社会においては有無を言わさず「命」が一番大切。 かといってこの時代は人の命が軽かったのか、ということではない。 自分の命に代えてでも守りたいものがあるとき、「自ら命を絶つ」という選択肢があったということなんだ。 それが愛するものなのか、自らの名誉なのか。 むしろ現代よりも命の価値や尊厳が重かったということなのかもしれない。 海老蔵、あんまり好きじゃなかったけど、立ち振る舞い、所作が美しい。 見直した
命の価値
海老蔵の演技がスゴイ!大見栄、眼光、声の荒立て方、静かさの中に見える怒り、全てがスゴイ迫力で、圧倒的でした。三池崇史監督が真面目に作った映画は、本当に面白い!真面目に作ってない映画も多いけどね(笑)
役者さんが悪いのか、演出が悪いのかしらないけど、みんな軽い感じで悲壮感がなく、悲惨なだけだった。
三池監督は、すごいチャレンジャーだと思います。今までいろんなことに挑戦して、とうとう日本映画の歴代最高レベルの名作に手を出した。 これは自分の演出力に、かなりの自信がなければできないことだと思います。 でもちょっと不思議なのは、宣伝とか解説その他に小林正樹監督の「切腹」のリメイクと書いてないことです。 ということは、別物だから比較しないでということで、真っ向勝負というわけでもないのかな? 内容的には、いわゆるリメイク映画と比べるとよくできている方だと思うけど、やっぱり元が超名作だけに、真っ向勝負はきびしいかもしれないというレベルでした。 いろいろイラっとくるところはあるけど、一番気になるのは配役かな? 仲代さんがやっていた役が、海老蔵さんでは、軽くなり過ぎ。作ったときには想定外だったのかもしれないけど、暴走族に殴られて逃げ回っているイメージがあってよくない。 やるなら瑛太さんところでしょう、それだったらピッタリだった。 海老蔵さんのところは、ベタだけど、役所さんがやればよかったと思う。 それから、満島さんのところもかわいいけど、よくない。 幸うすい感じはいいのだけれども、童顔すぎて悲壮感(悲しさの中でりっぱに振る舞うようす)がない。 全体的に言えるけど、役者さんが悪いのか、演出が悪いのかしらないけど、みんな軽い感じで悲壮感がなく、悲惨なだけだった。 テーマ的にも、別に同じにする必要はないけど、前は「カティンの森」(2007)的なものだったのに、今回は単なる復讐劇というか、武家社会への反抗みたいなものがメインで、だいぶ軽くなっていて、あまり共感できなかった。 それから、劇場で3D版で見たけど、覚悟していたとはいえ、3Dだったのは雪と文字だけという、とんでもなく酷いものだった。
歌舞伎役者の迫力。
勧められて観た映画だったのに、青木崇高も新井浩文も出ててびっくり♡
瑛太が竹刀で切腹させられるシーンはなんとも耐え難かった。
仇をうつために乗り込んで行く海老蔵の迫力が凄くて、さすが歌舞伎役者、声の通り方がずば抜けてました。
最後の髷を切られた新井さんの顔がなんとも言えない感じで笑えました。
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