劇場公開日 2011年10月28日

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ミッション:8ミニッツのレビュー・感想・評価

全88件中、61~80件目を表示

4.0匠の技

2012年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

拙ブログより抜粋で。
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 監督のストーリーテリングが巧みで、表面的な派手さはそれほどでもない上に、微妙な状況の違いだけで展開されていく話にも関わらず、観客の興味をぐいぐい引っ張る。8分間の同じシチュエーションの繰り返しの中で変わっていく登場人物の心情が、この先に起こる何かを期待させてわくわくさせるの。

 ただ、ここに描かれているサイエンス・フィクションの題材に対する耐性がないと少々難解に感じるかもって気がする。
 映画的にややこしいのは、この装置を作ったラトレッジ博士(ジェフリー・ライト)自身がこの装置の真の力をわかっていなかったために、博士の説明と映画が行き着く結果とに矛盾が生じてしまっている点。博士の言葉を鵜呑みにしたままでいると、終盤の展開に混乱するんじゃないかな。
 ネタバレしない範囲でひとつだけ懸念する点を書いとくと、あのラストは“夢オチ”じゃないですから。さすがにそこで勘違いする人はいないか。

 勘のいいSF好きなら具体的に書かなくても何を題材にしてるかわかってしまうと思うんだけど、一歩間違うと何でもありの世界観ですよ。
 で、下手な監督がこれに手を出すと、ぐだぐだになってしらけるんだけど、ダンカン監督は違った。
 小難しい話はざっくりはしょって、さらっと哲学的なセリフを交えて人生論的な示唆を提示しつつ、SF的にニヤリとさせる決着をつけてきれいに終わる。若いのに早くも貫禄を感じさせる匠の技だわ。
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全文は『未完の映画評』にて。

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かみぃ

3.5無理にハッピー・エンドにしなくても。

2012年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

劇場に行く機会がなく見逃した。そのためDVDを借りて観た。ありそうでなさそうな機会装置に、尤もらしい説明をつけ奇妙な作戦を遂行する男。
列車が爆破され大勢の死者が出た。次のテロを未然に防ぐため、列車爆破8分まえの乗客の意識に入り込み、爆破テロの犯人を探す。それがミッション:8ミニッツ。プロットは面白いんだけれど、リモートコントロールで爆破させるとすれば、当然仕掛けた犯人は初めからその列車には乗らないか、あるいは一つ手前の駅で降りるはず。その辺が知恵が無いのか車内で右往左往するばかりで直ぐタイムオーバー。だが自分が何故こんなことをしているのか疑問を感じて記憶が全くないことに気付く。この辺から自分は一体どうしたのかと謎めいた話が二つ並行して進むので面白い。だが、何をしてもプログラムの中でのことで、現実には事件はもう終わっていると告げられても、女性を手前の駅で降ろしたりして助けようとする。こうなると問題は結末をどうするかで関心はそこになる。でも、残念だが無理にハッピーエンドに持って行ったようで落ち着かない。似たようなもので「デ・ジャヴ」を
思い出すが、映画の完成度としてはアチラのほうが遥かに上といった印象だ。 「月に囚われた男」はなかなか良かっただけに残念な感じで観終わった。ジョーンズ監督の次回作に期待したい。

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はっぴーシネマ

3.5脚本力

2012年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

どうもましゃです(#^.^#)アカデミー賞で最高の5部門と言えば、作品賞、主演男優、女優賞、監督賞、そして脚本賞と言われてます。
今回の作品は脚本がいかに面白ければ、こんなに良い作品が出来るのと思うくらい物語が逸材です。
勿論、それを撮る監督やスタッフも大事ですが、脚本さえずば抜けてればなんとかなると思わせてくれる作品でした。
冒頭から観客に問いかけてくる謎の部分が少しずつ分かってくる辺り、じらさずに、しかも重要なとこはラストまでという辺りは本当に脚本力です。
残念な点はサスペンス要素、もっと複雑な犯人探しにしても良かったのにと、列車に乗ってるのは1車両じゃないよ、たくさん乗車客あるよっと、それをもっと観せて貰いたかった。しかしながら、脚本力(しつこい)は誉めなければならない。こういうやり方あるのかと唸らされてしまった。
ストーリー的な事言いたいがこういう作品は少し書き出すとネタバレになってしまうので。お勧めなんで是非に。
注意点、この作品観てすぐ寝ると似たような夢見るよ。

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ましゃ

4.0独創的なアイデア勝ち!

2012年3月27日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

秀逸なアイデアと独創的な展開にハラハラドキドキ。
ラスト、ただ犯人を探して終わりではなく、乗客全員を救う為に奔走する主人公の姿に、救われた思いと希望を感じた。
時間も短く見やすく、終始飽きずに楽しめた。
秀作のSFサスペンス!

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近大

2.58分という短さは巧妙だなと。

2011年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

映画好きの人ほどだまされるって言う文句も気になりつつ、見に行ったのだけど。
だまされるってこういうこと?!みたいな。
結局8分間だけしか潜入できない潜入操作みたいな。ある意味エンドレスエイトですよね、これ。
時間軸と現実と過去と仮想現実?の中で翻弄される主人公と、観客。
多分みているほうもさっぱり分からない。頭の中に?っていうのがいっぱい浮かんだ状態で、強引に同じシーンを繰り返すことになる。
うぇ?っていう考える隙を与えない展開の速さ、8分という短さは巧妙だなと思いました。
少しずつ見えてくる周りの状況や、登場人物、この人が誰なのか、疾走する電車のような勢いのある作品でした。
もう一度ゆっくり見直してみたら、違うものが見えてきたりするのだろうか。

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NAO

5.0永遠を感じれば死は死ではない

2011年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

萌える

この監督の作品に一貫して流れるものが
ぶれることなく表現できていて
好感のもてる作品に仕上がっていると思います。

他の方のレビューで
ありきたりのSFもの、意外性はない、キャッチコピーがどうのこうの
というくだりもありますが
そういった批評は
ここでは差し控えさせていただいて

一途に生きようとする人間が
いれば
そこには
必ず共感せずには居られない
”なにか ”が
広がる

それは
時や場所という概念だけでは
包含しきれない
人の本質の想念にまで
深く浸透して

”生きる意味 ”にまで私たちをいざなうことがある

この映画が
こういう形で
その説明しがたい感情の機微を
見事に伝えていることに
脱帽!

もしも、あなたが
大切にしなければならない人と
いっしょにいるのなら

今、すぐに・・・

それは
ある意味”萌え ”かもしれない

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seisinsei

4.0タイムパラドックス!

2011年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

パターン的にはよくある話だが、味付けを工夫していたのでおもしろく観れた。最初は何が何だかよくわからなかったが、だんだん物語に引込まれていった。戻るたびに、現場が少しずつ変化しているのもうまいと思った。そして事件の解決にとどまらずに、自らの問題も答えを見つけようとする姿にエールを送りたくなった。それから、今を生きる大切さを少し考えた。たとえたった8分間でも!

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瑞

3.0ラストより途中の方が面白いんでないかい?

2011年11月29日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

乗客全員死亡の列車爆破事件。

乗客の一人の死の8分前の意識に入り込み、爆発までの8分の時間を利用して真犯人に辿り着け!

っていう、秘密のミッションのお話。

主人公のスティーブンスは、最後には必ず爆死するという8分間を繰り返し体験し、記憶を積み重ね、犯人に行き着くんだ。

主人公と一緒に、ドキドキハラハラ謎解きを進めて行くのは、面白かったよ。

ぷちドンデン返しに思わずニヤリしたり、このミッション自体の何やら後ろ暗い雰囲気がまとわりついてくる感じも良かった。

犯人を見つけるまで『自分のホントの死』を迎えられないスティーブンスの苦悩は、
彼の、尊敬する父親へむけた最後の願いの切実さも含めて、胸に痛かった。

う〜ん…ストーリーとか脚本とか、きっとかなり面白いと思うんだよね。
でも不満が残ってしまうんだ。

まぁ、オイラの期待が大き過ぎたのもそうなんだろうけど、

映像の所々から見えちゃう『製作予算少ない感』がね…
観ているこちらの集中力を途切れさせてくれるというか、ちょいちょい現実に引き戻してくれるというかサ。

それってダメじゃん?!

…ってコトで75点なり。

チキチンッ♪

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オイラ

4.0こういう作品はけっこう好きです

2011年11月23日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

 星4つは、ちょっと甘いかなあ。でも、こういう作品はけっこう好きです。

 サイコ・ダイビングというのかな、人の意識に入り込むというSF的アイデアは以前からあるのですが、最近では『インセプション』がありました。
 同じ場面を、時間軸を巻き戻して何度も見せるという手法は、『バンテージ・ポイント』という映画で見たことがあります。
 『ミッション:8ミニッツ』のアイデアは、両者を合わせた感じです。

 ストーリー全体としては、犯人探しと、主人公自身の身の上にいったい何が起こっているのか?という謎解きがあるのですが、まあ両方とも想定の範囲内ではありました。
 そして、割とカッチリとしたSF設定に乗っ取って話が進むのかと思ったら、最後はちょっとファンタジックになっちゃったりします。
 この辺りが、星4つは甘いような気がする理由です。

 上映時間は2時間足らずで、制作費も割と安そうな作品ですが、このクラスの映画こそアイデアで頑張ってほしいというエールをも込めて、やっぱり星4つで。

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ringo

3.0キャッチコピーに騙されるな

2011年11月20日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

デビッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズ監督作品。主演は『デイ・アフター・トゥモロー』のジェイク・ギレンホール。

ある日、列車の中で目覚めたスティーブン大尉(ジェイク・ギレンホール)は同席した見知らぬ女性に「ショーン」と呼ばれ戸惑う。気が付くと見覚えのない場所にいて、鏡の中には赤の他人の顔が写っている。自分がいったい誰なのか、どこにいるのか、何をしているのか見当もつかないうちに列車が爆発する。そして再び目覚めると不気味なカプセルの中にいた。これは軍の極秘ミッションで、事故犠牲者の事件発生8分間前の意識に入り込み、その人物に成りすまして爆発事件の犯人を見つけ出すという作戦だった。彼は8分間という限られた時間の中で犯人を見つけ出すが、8分後には必ず列車が爆発し、またカプセルの中に戻ってしまう。彼は、何度もミッションを繰り返すなかで、次第にこの作戦への疑問を抱き始める。

本作のキャッチコピーは「映画通ほど騙される」。しかし、ショッキングな結末はなく、むしろ感動を呼ぶ結末に仕上がっている。

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モリ

4.5私は好きだよ、この映画!

2011年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

共演のミッシェル・モナハンが美しい。これでだいぶ得した。
恋愛ドラマとアクションとフィクションを上手に混ぜて大変に楽しめました。見た後の後味も良かった。美味しい中華料理を食べた後のような満足感。

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mkbsa

4.0騙された、のか?は不明ですが、これは面白い!

2011年11月12日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

オープニングから緊張感ある音楽が流れる中、列車走行の空撮から本作は始まります。

予告編で「列車爆破」が関係していることはわかっているので、次第に高まる音楽のクライマックスで爆発シーンを見せられるのかと身構えたところ、突然車内にいるジェイク・ギレンホールのアップに切り替わって話が動き出します。

私はまずここで予想と違った展開に「おっ!?」と興味を惹かれました。
そこから主人公のスティーブンス大尉と同様どんな状況下かよくわからないまま二回目の「8分間」が始まり・・・というの導入部の本作。

大尉と同じペースで全体像を次第に知っていく構成に興味をそそられます。これがまた、説明臭くなく足りないところもなく、スピード感と緊張感が上手に保たれる展開に惹き込まれっぱなしでした。

大尉の現実の状況については、ストーリーで説明される前になんとなく気づけましたが、先を行けたのはせいぜいこのくらい。94分の間映画の世界に浸らせていただきました。面白い!

エンディングをどう解釈するかは個々の感性によるのでしょうが、「猿の惑星創世記」やちょっと前なら「アイアムレジェンド」などと同様、科学を人間が制御できるとは限らない、というメッセージとも感じました(東京電力原発事故のことは言うまでもないでしょう)。

設定のオリジナルさに惹かれて見に行って「当たり」を引き当てることが出来ました。
見てみるものですね。

ちなみに、どのあたりに「映画好きが騙される仕掛け」があるのでしょうか?

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gsacra

3.5「映画通ほどダマされる」に騙されないで😣

2011年11月9日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

目覚めると別人の身体。
8分という限られた時間を繰り返し、列車爆破テロ事件の犯人を捜し出す。
斬新な設定と緻密に練られた展開で観る者を引き込むサスペンスアクション。

監督は「月に囚われた男」(09)で英国アカデミー新人監督賞に輝いたダンカン・ジョーンズ。

私が敬愛するデヴィッド・ボウイの息子サンです😂

父と暮らしていた監督サンは幼い頃から「全身全霊で情熱を傾けられる何かを人生で探しなさい」と言われていたそうです。(素敵に親父しているボウイに乾杯😂)

さて、日本公開に際して本作に付けられたキャッチコピー、
「このラスト、映画通ほどダマされる」
に、騙されないで下さい😅

本作は謎解き映画ではありませんし、映画通(寧ろSF通)ほど先の読める映画です😣

しかも、時間やパラドックスなどのSF要素を利用している為、完璧に人を選ぶ映画です💦

こうした挑戦的キャッチコピーや細かい矛盾を孕むSF要素がアダとなり、あちこちで酷評を招く作品になる事は間違いないでしょう😓

ちょっとした矛盾が気に掛かる方には少しも面白くない作品になってしまうかもしれません。

ですが、「怪獣や宇宙人もなし、ましてやアメコミや原作に頼らない」というSF好きや、一風変わったシチュエーションの映画が観たい、という方には持って来いの作品です。

状況設定が電車という限られた空間にも関わらず、登場人物が多い本作。

ほとんどが使い捨てキャラなのですが、終盤で彼等の存在がいい味を出してくれており、本作最大の見せ場になっておりました😂

昨今、ヴィジュアルに拘る監督が多い中にあって、人間性に重点を置く演出に非常に好感が持てました😂

しかも、70年代に大量生産された電車を扱う映画を彷彿させてくれる作品でもあり、オジサンでも安心して観れましたよ😅

全てにおいて、こじんまりした印象は拭えませんが、酷評を招く要素を含む作品としては良質な部類といえます。

脚本に惚れ込んだと語る監督は、下手に内容をいじりたくなかったそうですが、ダークでシリアスな展開だったので、主演のJ.ギレンホールと共同でユーモアを盛り込んでいったそうです。

そして、最も拘ったといわれている結末は当然、脚本にはなく、監督の頭に浮かんだ「これしかない」というアイデアを活かしたそうです。

結果として賛否両論を産み出すラストとなっておりますが、シカゴの街全てを映し込んでいる事で有名なオブジェ「クラウド・ゲート(三次元鏡面立体)」を効果的に利用しており、少し感心致しました😂

挑戦的なキャッチコピーや細かい事に頓着せず、気晴らし程度に鑑賞する事をお薦めしたい作品です✨

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かもしだ

4.5いいもの見た

2011年11月8日
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鑑賞方法:映画館

サスペンスSFだと思って、犯人は誰なのか、主人公はミッションを成功させるのか?そもそもこの謎めいたシステムは一体なんだ?とハラハラしていると一転、人生とはなんぞや幸福とはなんだといったテーマが浮き彫りになった。とてもいいものを見た気分で映画館を後にしました。普段はそんなこと言わないんだけど、一緒に見に行った友達に、「急に怒るんじゃなくて、文句を言うにしても言葉を選んでお互いハッピーでいられるようにするべきじゃないか」と説教した。そんな事を言いたくなる映画だった。

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吉泉知彦

3.5安心して観れる。

2011年11月6日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

8分間の繰り返しを飽きさせない程度に上手く表現してるなと思いました。

観れば分かると思うのですが8分間の繰り返しのあとで、終わりかと思わず気を抜かないまま最後までしっかりと観ておく必要ありです!!

普通に安心して観れるし楽しめると思います

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HARISU

4.0短くまとめて正解かと

2011年11月6日
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鑑賞方法:映画館

単純

「映画通ほどだまされる」ってCMでやってたので楽しみに観に行きましたが、正直騙されたとも思いませんでしたね。
話の内容だけなら「普通」の3.0点より少し評価して3.5点くらい。

ただ8分の繰り返しを、今流行の難しすぎる内容にしないで、次々に流して、途中はうまく省略して。飽きさせないつくりにしてあるのは編集がうまいって感じましたよ。

疑う材料をいっぱい盛り込んで、誰が犯人かまったくわからなくして、最後の最後でも全部種明かししないで、ネットの上で議論してね、みたいな作りだったらうんざりしてたと思う。

そう意味で、騙されなかったけど楽にスリルを味わえたので+0.5点で「4.0点」としました。

これ、94分でよかったと思う。
120分だったら退屈だったろうなぁ・・・。

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gdf

4.0「月に囚われた男」に続くSFスリラーの佳作

2011年11月4日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

まず、導入部の撮影と編集の巧さに目を奪われる。美しく、そして鋭く、次のカットで何が起こるか分からない緊張感を呼ぶ。本篇への入り口は、列車の通過とのタイミングがドンピシャだ。新鋭のクリス・ベーコンが、これまたいいスコアを付けている。ここまでの数分で、ダンカン・ジョーンズの映画センスの高さが窺える。

本篇だが、ジェイク・ギレンホール演じるコルター・スティーヴンス大尉が、列車事故で亡くなった乗客のひとり、ショーン・フェントレス教師の意識にどうやって入り込むことができるのか、はっきり言ってその仕組みはよく分からない。本作の場合、ここは深く考えずに〈成るものは成る〉と割り切って見ないと、ストーリーに置いて行かれる。
ここは、列車爆破直前の8分が繰り返されるところに妙味がある。そう思ったほうがいい。

では、8分でどうやって爆破犯人の手掛かりを掴むのか?
その解答が、繰り返される8分の体験の蓄積だ。
列車に放り込まれるたびに、目の前にはミシェル・モナハン演じるクリスティーナがいる。毎回、戻るたびに彼女との会話から始まる8分。何もしなければ同じことが繰り返されるだけだ。
ところが、舞い戻るたび、コトは微妙に変化する。繰り返しの中で学習し、それが生かされていく過程が面白い。

さらに、この映画ではそこにもう一工夫を加える。
自分がなぜここにいるのか、なぜこのプロジェクトに参加しているのかという疑問を差し込む。実は、意識を他人の中に転送するというだけではSFとしては不完全で、ただのお伽話になってしまう。ここに主人公の存在意義を入れてこそ本物のSFとして成り立つ。同監督のデビュー作「月に囚われた男」も、まさに“自分は誰でどこから来たのか?”というテーマを持ったSF佳作だった。

小さなカプセルの中で何度も何度も死を繰り返す8分、自分の身はいったいどうなるのかという不安が膨らんでいく。
外界とのコンタクトはヴェラ・ファーミガ演じるコリーン・グッドウィン大尉だけだ。彼女の存在が大きい。ときに、人として判断に躊躇する姿は、唯一、人間味のある人物として癒される。

そしてSF作品として成功させるラストのひと捻りも怠りない。ここでは内容を伏せておくが、自分の研究成果にしか目をくれないラトレッジ博士に対して、コルターがある決断をするとだけ言っておこう。

94分という上映時間が120分にも感じる密度の高さは「月に囚われた男」と同様で、SFスリラーにおけるダンカン・ジョーンズ監督の才能を確固たるものにした。

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マスター@だんだん

3.5軍の女性と列車の女性を交代した方がいいかも

2011年11月2日
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鑑賞方法:映画館

難しい

水面を飛び立つ鳥から列車の爆発につながる。ミッションの度にこれが繰り返されると、ちょっとウザイと思ったがほどほどだったのでよかった。
プロジェクトを指導した博士は「これはタイムトラベルではない。並行世界へのアクセスだ」と言う。GANTZの世界観に似ている。
無数に分岐した世界が並行しているのだ。たとえば、列車は爆発しシカゴも爆破される。また、列車は爆破されるがシカゴは救われる。列車もシカゴも爆破されない。スティーヴンスにしてもスティーヴンスとして生きる世界もあれば別の人間として生きる世界もある。また、死んでしまう世界もある。無数に分岐した世界が同時に存在するのだ。おそらく、ひとつの個体は複数の世界を行き来することはできない。だから、ひとつの個体は今いる世界が唯一の世界だと思う。
あの時ああしていればこうしていれば、今頃どうなっていたろうと考えてみるのもいいかも。でも、考えすぎると疲れるからほどほどに。

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ace

4.0騙されずとも満足します。

2011年11月2日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

映画通ほど騙されるのあおりに警戒しつつ鑑賞。
楽しんで鑑賞できましたが、キャッチ少し熟考あれです!!

相変わらず濃い顔のジェイク・・ながら程よく力演。
それよりナイスな女優のキャスティング
ミシェル・モナハン&ベラ・ファーミガが良い
          ジェイクの濃さを相殺。

話が進むうちに手の内が見えてきますが、
程よい尺と押し過ぎなさ
さすが評価上げのダンカン・ジョーンズ

次回作も楽しみです。

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たむさん

4.5監督、上手いなぁ~!

2011年11月2日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

列車爆破テロ犯人を捕まえるべく、爆破8分前に遡り、乗客の意識に入り込む、ジェイク演じる大尉。

いきなり列車の中で目覚める所から始まる。
ジェイク自身、自分の置かれた状況が分からない。
それを見る私達も同じくわからない。
ストーリーが進むにつれ、自分の置かれた状況がわかってきて、同時に私たちにもわかるようになっている。

同じシーンが繰り返し、繰り返し行われるが、状況を掴むに従って、次の一手を打つことができるようになる。

あまりにテンポ良く他人の意識内に潜入するので、「ジェイクの体は大丈夫なんかなあ~?!」と心配になる。
が、終盤、≪そうだったのか~!≫と納得。

父に電話もできず、せまいカプセルに閉じ込められ、それでも、今この時を精一杯生き抜くんだ!というチカラ、力。

とても優しくて、力強くて、信念を持っている。
そんな温かい心に触れたら、普通の人間なら、手を差し伸べるだろう。

クライマックス、いいなあ。
こういうの、好き。

ラストは、「エエ?! そうなの?!」
ということは・・・
あの時ああだったから、今はこうなってるんかいな・・・?!
ちょっと謎だ。
しっかり理解できていない。
あっ!そうか。難しく考えなくていいのだ。
あの時こうなったから、今はこうなってるのだ。

犯人探しの謎。
ジェイクの謎。
クリスティーナとの未来。
パラレルワールドで起こるねじれ。

孤独な男の心理をとても上手く表現していたと思う。
ダンカン・ジョーンズ監督、上手いなあ~!
エッ! パパは、デヴィッド・ボウイなの!

楽しめました。

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りりー