「一連の「はやぶさ」映画より面白い」宇宙兄弟 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
一連の「はやぶさ」映画より面白い
ヒビトはともかく、ムッタが何の条件をクリアできたのか知らないが、JAXAの宇宙飛行士選抜試験の最終選考に残るのは話ができすぎている。
それでもこの映画が楽しく観られるのは、誰しもがもつ将来の夢を、妙に飾らず、そして芝居がかった無駄なアツさやクサさもなくさらりと描き切ったからだろう。
幼い頃の兄弟愛と競争心が大人になっても空回りすることなく、主役二人の爽やかさが話の不自然さを帳消しにしている。
最終選考に残った面々にしても、感心するほどの性格が与えられているわけではないが、こぢんまりとしながらもバランス感があり、そつのないキャスティングと相まって、つい話の中に入ってしまう。
ロケットの打ち上げシーンのVFXと音響効果は充分なデキで、推進力の勢いを楽しめる。
子役二人も、小栗旬と岡田将生によく似ていて違和感がない。
日本でもこういう映画が作れるようになったんだねー。
話は出来過ぎだが、その話術に隙がなく、催眠術でも掛けられたように最後まで無駄なことを考えずに観ることができる。脚本と演出がいいのだろう。
弟を乗せたロケットの打ち上げを嫉妬と羨望の眼差しで見守るムッタに、どこの誰とも分からない老人が声を掛ける。
「あのでかいロケットを打ち上げる動力は何だと思う?」
不審がるムッタに対し、老人は「それは“人間の魂”だ」と説く。
老人が腰掛ける椅子の背もたれに書かれた名を見て、老人の正体が明らかになる。
あのアポロ11号の搭乗員で、ニール・アームストロング船長とともに月面を踏んだエドウィン・“バズ”・オルドリンの言葉はさすがに重みがある。
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