秒速5センチメートル(2007)のレビュー・感想・評価
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美しく繊細な描写だが、不自然な設定
風景や自然描写が美しい。
ただ、見ていてリアル感に欠けるので、突っ込みどころ満載である。
中1男女の淡い初恋は素敵なのだが、両親の影が全く不在なのが不自然。大雪の夜に誰も居ない田舎の駅で、男女の子どもが深夜までいれば、駅係員は心配すると思うのだが、お気をつけくださいなどと大人への対応しかしない。
小屋で二人が夜明かしするのも、親が心配するので迎えに来て家に泊まらせるなどすると思われるのだが、親や家庭は全く出てこない。
昭和の大学生くらいの恋愛だと思って見ると良いだろう。
主人公の男子は、初恋を引きずり、関わる女子の気持ちを傷つけていく、ダメダメ男子。その思いにすら自分で気づけずに、風化してから気づき仕事を辞める。
理屈っぽいわりに、おセンチでどこか狡さに似た無関心があり、男子に魅力と共感を覚えない。
第2章で、男子に心を寄せる女子の親も、進路相談を教師をしている女子の姉に丸投げ。人ごとである。
特に家庭崩壊などがテーマではないのに、とても不自然。
自然描写以外は、イヤなストーリー。
新海クオリティ ソノ2
19年前の作品
桜の花びらの落下速度なんてものを気にするほどの繊細さがなければこの作品は産み出されないものなのだろうとしみじみ思う。
三部構成になっているストーリーは、それぞれが単体というより、時系列的な流れでその時々の出来事を作品毎の主人公目線でフォーカスしてみせている形になっている。だから視点の違いで感情の流れを多角的に表現演出している故、主人公の心の機微が洪水のように溢れ流れるように移入してくる。受け止めきれない程の切なさを抱えたまま、ラストストーリーへ進み、そして最後のBGMが山崎まさよし『One more time,One more chance』と共に短いカット割りで過去から遡り、現在のお互いの生活状況、特に男の子の純粋な気持ちから大人になっての疲れやさぐれた心情を映し出す印象的シーンの演出・・・ 涙腺が悲しみを押し出すように決壊していくのを食い止める術はない。 しかもこの作品、あれだけ二人の男女がすれ違いながらも小学生から大人になるまで想い続けていたのに、最後は結ばれないという哀しいオチになるところが、より一層の切なさを奏でているところが秀逸であり、フランス映画の薫りさえ漂う。
多分、『君の名は』は、アナザーストーリーかパラレルワールドとしての物語なのかもしれない。そういう意味でもこの監督の過去作品は全て繋がっている希有な制作方法なのだろう。
相変わらずのヌケの良い広大な空と光と雲のカットは言うまでもない。
決してハッピーエンドではないでも、
タイトルにも書きました
決してハッピーエンドではないと思います。
でもバッドエンドともとれない
それは1話と3話に登場している桜が
そう伝えてきている気がします。
少年時代の恋をずるずる引きずって
成長した主人公のたかきは
何かにしがみついてなんとか生きていて
でもなんとなく付き合ってる人に
心が1センチくらいしか近づかなかったと言われ
昔の事に縛られていた事を思いだし
職を辞めます。
季節も変わり桜が秒速5センチメートルで
落ちる頃踏切であかりに似た容姿の人とすれ違い
渡りきった時に振り返る。
すると電車が横切り
確認できず横切った後にはもう姿はない
その時のたかきの表情は何故か笑っています。
きっとすべてをここで悟ったんだなって
自分のしている事は無駄なんだって
何してもあの時のあかりと会うことは出来ないんだって。
でもこれって逆に吹っ切れたっていういい意味だと思うんです。
桜には決してネガティブな思考は出てこないし
その時のこの笑みは決してバッドなものじゃない
そう捉えることが出来ました!
僕にも初恋というか夢中になったし
いまでも憧れてる人はいます
引きずってもいました
後悔は沢山残ってます
あの時こうしていればなんて。
でもふとしたきっかけで前に進むことが出来たし
新しい人達とも出会えた。
きっとたかきもこの物語のあと
ちゃんとした道を進むことが出来たような気がします。
2回目を観てここまでやっと見る事が出来ました。
青春ですな…
『君の名は』見る前に予習
感動できるかは視聴者の経験に委ねられる
短編3話からなる本作は端的に初恋の切なさを描いた物語としては最高。
しかし短いゆえに人物の描写としては弱く、主人公にも感情移入しにくい。
この感情移入できるかのポイントは視聴者の経験が大きく左右する。
最終的な結末がハッピーとは言いがたいのでむしろ感情移入しすぎると凄まじい憂鬱感をしばらく引きずることになると思われる。
遠距離恋愛経験者で、かつ成就することなく終わった経験のある人などは視聴注意であると警告しておく。
人物描写の弱点を補うのはリアルな背景描写だろう。
主人公に感情移入しないまでも、リアリティのある世界観が作品への没入度を高めてくれる。
個人的には馴染みのある駅や路線名などがそのまま出てきたことにより、すんなりとのめり込むことができたように思う。
クライマックスは山崎まさよしの名曲に頼りきった盛り上げ方であり、演出力には疑問が残る。
新海監督作品はこれから順番に観ていくつもりなのでここからどう変わっていくのかを楽しもうと思う。
合わない
映像は綺麗だと思ったのですが…。
とても評判のいい作品と知り鑑賞しました。画はとても綺麗で素敵だったのですが、ストーリーや人物描写、その雰囲気に共感出来ず、なんだかモヤモヤ…。全体的にちょっと暗めで感傷的な感じも受け入れられず、私には合わなかったようです。
彼女が主人公に初めて手紙を書いたのは、小学校を卒業してから半年も過ぎた頃。主人公のことが好きというわけではなく、栃木での新生活がただ寂しくなり筆をとったようにしか思えず…。中学生なのに納屋で無断外泊をして、とてもおませな女の子という印章です。当時純朴だった主人公だけがその初恋という蟻地獄から抜け出せず幕を閉じる感じがして、なんだかなぁーとやるせなく感じました。初恋は大事なものだし、美化されて当たり前だと思うのですが、大事にし過ぎるのも考えものだなぁと思いました。
大人になるってこういうこと
好きか嫌いか
好きか嫌いかガッツリ別れそうな作品だった。
背景も綺麗し人物造形も丁寧何だけど、僕の青春にはない世界観で分かるか分からないかで言うと全く分からない青春だった。
中2ってこんな繊細か?とこんなごちゃごちゃ
カッコつけた言い回しで物事考えるか?といちいち鼻についた。
小説では素直に読めるモノローグも登場人物が発する頭の中で考えてる事だと思うと、カッコつけんなよ!と笑ってしまう。
おにぎりを食べて「世界一美味しい」と言うシーンなんかマジで言ってんの?と思う。
中2の時はマジでも大人になって恥ずかしくなるのはよくあるけど、そのままの世界観で暮らしてるから、
ラストの話で「あぁ、この人と僕は違う世界で生きてるのだな」と思った。
だけども忘れられない恋ってのはガサツな僕にも確かにあって、最後の感動は物語になのか山崎まさよしになのか分からない。
懐かしいな、と思える風景
リアルな背景に、アニメ映画ではなく
人間が演じているドラマを見ている気分に。
でも、もしこの映画を人が演じていたらみなかったと思う
背景がリアルな反面、キャラクターがやけにアニメチックではじめは違和感を感じた
あそこまで写実的な背景をかけるんだったら人間ももっと手抜きしないでかけるはずだけど、
それをしないのはわざと?
第一章の主人公の語りがすごく鼻につきました…なんでだろう
調べてみたら新海監督は村上春樹もお好きらしく、
私は村上春樹の小説の主人公も、だから一体なんなんだって思ってしまうことが多いので、
この秒速の主人公にもそれと同じ感情を持ってしまったのかもしれません
いつまでも感傷的に昔の女性を引きづる描写に共感できなかったのは、語りが難しくて長かったからでしょうか
「幾ばくと」とか「横たわる」とかいう表現がきいててだめだった
もし、この映画のジャンルが「恋愛もの」だとしたら、まったく理解できないけど
主人公の成長や、思い出をテーマにしているものだったら、まだ理解できる…
室生犀星のふるさとのうたを思い出しました
桜の季節や雪の風景、電車の中からの景色など
見ている誰もがなんか懐かしいな、と思える風景をドンピシャで描けるのはすごい
一章は風景がすごくきれいなのに、三章はそこまで綺麗じゃないのも印象的
子供時代の思い出って美化されるし、過去の思い出はきれいっていうのを映像で表現できるのはおもしろい
小説版の秒速5センチメートルでの主人公の恋愛遍歴とかを調べたら調べるほど素直に感動できなくなっていくので、
映画ではじまり映画で終わったほうがこの作品は楽しめると思いました
新海監督の作品、ほしのこえや星を追うこどもとか、意外といろいろ見ていたことに気付いたけど、
どの映画もぼんやりとしたなんともいえない余韻が残る、不思議な作品です
40点
映画評価:40点
全部で3章構成となる作品で、それぞれの章で主人公の年齢の変化と成長が見られる
せっかくなので各章ごとに感想を書きたいと思います。
【桜花抄】:75点
中学生の淡い想いが伝わる。
新宿、武蔵浦和、大宮、久喜、そして佐野
どれもが私が依然住んでいた近隣で馴染みがあり、そういった所からも感慨深い
桜が咲く事のできる刹那、まさに一瞬の両想いが咲いていました。
それを見たとき涙が出ました、自分の中にもまだピュアな気持ちがあったと再認識できた素晴らしい物語でした。
【コスモナウト】:45点
主人公は高校生になっている。ただこの物語の主役は主人公を好きになった女の子だ
彼女の葛藤と、ひたむきな想いに青春を感じる
【秒速5センチメートル】:20点
もう主人公は社会人になっている。
昔の想いに引きずられウダウダと生きている
これには賛否両論あるだろうが、私は否定派だ。なぜなら最初の物語で二人の未来に期待を持ってしまったから
桜の花びらが落ちる様に一瞬の選択の躊躇で決まってしまう未来を描いているのだろう、それの方がリアルで儚いのだろう、だけど私の心はこの結末に納得してくれませんでした。
【Gyaoで鑑賞】
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