「ココロの「繊細」を感じる」秒速5センチメートル(2007) pearlboyfriendさんの映画レビュー(感想・評価)
ココロの「繊細」を感じる
新海誠つながりで「ほしのこえ」の次に観た作品。連作短編だから、3つとも別々の物語なんかな〜と思ってたら、3つで一つの作品になっていて驚いた。
①桜花抄
いきなり冒頭で「桜の花びらの落ちるスピード」が毎秒5センチメートルだと知って、ちょっと面食らった。普通は最後のほうになって、タイトルの意味が分かることが経験上多かったから。
本当にこの二人を見ていて、いいなぁって思った(「羨望」じゃなくて(笑))。明里、4時間以上も待つとは・・・。
手紙で「桜の木を見せたい」と明里が書いていたが、実際には豪雪の真冬。でも、雪もあたかも桜の花びらのようにやさしく降ってくる。
余談だが、栃木出身の身として一言。そんな「遠い」だなんて言わんといてください!上野から宇都宮まで新幹線で40分くらいだし、20年近く住んでいますが、在来線が2時間以上ストップする(しかも何にもないところで!)なんてことは一度もあった記憶がないです・・・。東京から100kmしか離れてないですよ!
②
分かってほしいのに分かってくれない。人は思ってほしいように思ってくれない存在なのかも。結局自分は何もできていないんじゃないか。何も分かっていないんじゃないか。そう考えると自分に腹が立つし、やるせなさを感じるときもあると思う。が、「相手に認めてもらえない」そういう経験をしたことも、きっと価値あることであるはず。
③
短いが、全てを説明しているのは見事。結局、大人の世界は二人を引き離してしまった。これでいいのか、そしてどうすべきだったのか。その答えは誰にも分からないと思う。
余計な知識はいらない。二人の有り様をありのままに感じてあげる、そんな見方もいいかもしれない。
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