「これは、1人の伝説と言う苦悩な人生を壮絶に描いた作品だ!」ダークナイト ライジング ブルースさんの映画レビュー(感想・評価)
これは、1人の伝説と言う苦悩な人生を壮絶に描いた作品だ!
まず初めに注意!
ダークナイトを観てこの作品を観る方。ダークナイトの様な狂気や心理戦を期待すると、肩透かしにあいます。
ビギンズの延長上にある様な、純粋なアクション作品だと思えば、その迫力やアクションは最高だと思い満足します。 あえて、ダークナイトを切り離し、伝説の始まり(ビギンズ)と伝説の終わり(ライジング)に焦点を当てたと思って下さい。
それと、悪役登場人物の詳しい生い立ち等は描かれていません。 それは、他のアメコミ同様にコミックを見れば済む話しなので、それを望まない事が前提です。
(そこまで描くと、時間が3時間を超えます。)
又、客観的にしか映画を観られない方には、面白いアクション映画程度にしか思えません。 前作2作品を観なくても楽しめると言う人も居ますが、観ないと面白さが半減します。 そこには、単なるアクション映画でなく、3部作通しての主人公ブルース・ウェインの、苦悩と葛藤が描かれており、彼が何故伝説となりそして、伝説が終わる迄を壮絶に人間ドラマとして描かれているからです。
前作迄の話しの一部、何気ないセリフや問いかけの答えが今作のあちこちで、その答えとして出て来ます。 これは、前作迄を何度と見直す程のマニアじゃないと分からないでしょうが、そのシーンが来ると「あぁ~」と思います。
1作目でレイチェルが言った「大富豪と言う仮面」(本来のブルース・ウェインは去ってしまった。)、父親のセリフ「人は何故堕ちるのか? 這い上がる為」、2作目でのハービーが語った「悪として生きるか、ヒーローとして死ぬか」等。
全てを失い大富豪から一般人となる事で、ブルース・ウェインその仮面は無くなり、再び奈落へと落ちそこから這い上がる。 そして、悪として生きるかヒーローとして死ぬかの決断をする。
今作が凄いと言うのは、まさに前作迄のセリフを絶妙に絡め緻密に作られたストーリー。
それと、現社会での市民が思う不平や不満、テロリズムと言った事をそこに盛り込み、一つの作品として結末した事にある。
ライジングの意味する物。 それは、それぞれの視点から描いた昇ると言う事だと思います。
人それぞれ、感じ方や解釈は違うと思いますが、この映画で共感してもらえるとありがたいです。
多分、新3部作のマニア(自分を含め)の人には、最高傑作に相応しいと思います。
それ以外の人には、面白いアクション映画程度としか思えないでしょう。
以上を踏まえた上で、是非IMAXシアターで楽しんで下さい。 映像や音声の迫力が、普通の劇場とは違います。
1時間程度IMAXで撮影された今作を120%楽しむ事が出来ます。
共感された方々ありがとうございます。
どんな映画だろうが、人それぞれ色々な意見や不満があると思います。
ましては、一回観ただけならばその全てを解釈したり、面白さを理解するのは難しいと思います。
子供の頃観た映画が、大人になって観たら以外に面白かったり、自分の成長や環境によって違った見方が出来ると思います。
今回、再び劇場で観る機会があり前回のIMAXシアターでなく、通常の劇場で再度観て来ました。
音響や映像の迫力は、完全にIMAXに劣るし一度観ているので、次のシーンが何か解っていたが、スクリーンが小さい分より映像が把握出来、前回と違い落ち着いて観れ前回把握してなかった事も理解し楽しめました。
ラストシーンでは、ブルースのこれまでの苦悩と、彼の伝説が終わった事を考えると、思わず涙が出そうになりました。(周りでは、泣かれて居た方も)
単純に前作と比較するのでなく、3部作としてその結末を考えると面白作品だったと思うし、確かにこれ以上の結末は考えられなかったと思います。
徹底的にリアルを追及したシリーズで、過去の特典映像を観てもCGを多用しない実写映像は、目を見張ります。 それ故に、登場人物も限られてしまい(リアリティの問題)ティム・バートン版等過去作品好きには、不満に思う所もあったかも知れません。
前作と同じ様な作風であれば、伝説のラストを飾るには相応しくない作品であるし、代わり映えしな作品となったでしょう。
又、これ以上のアクション作品を望めないでしょうし、作れる監督が他に居るのか疑問です。 観る側も色々目が肥えて、当然より面白くひねりを期待するでしょう。
これだけ、ありふれたハリウッド作品で、斬新で面白い作品を世に出す事は、困難に等しいでしょう。
良くも悪くも、この時代で今考えられるそれ相当の、最期に相応しい作品だったと思いますし、そう思いたいです。
人間の醜さ、怒り、狂気、苦悩、怠慢その全てが、このシリーズ通して語られいます。 そう考えると人間こそが、内なる怪物を持ちより高い欲を出す一番恐ろしい怪物なのかも知れません。
シリーズの製作通して9年と言う年月と、そのキャスト達が放つ映画に映像の重みと、人間ドラマの重厚感、そして完結と言う別れの悲しさ、その全てが今作から感じられます。
ブルースさんと同じ感動を共有できることがすばらしいですね!
クリストファーノーラン、スタッフがこの作品をただの金儲けではなく、一つの物語、伝説として丁寧かつ繊細に作り上げたことが観客に伝わりますね!
ストーリが作りこまれている分、国語力の鈍い自分にはなかなか理解できない事もあります。
しかし見れば見るほど。そして年を取ってみるごとにこの作品の内容を理解するんだと思います。
素晴らしい作品です。
前回鑑賞した「ダークナイト」から現在までのブルースの成長と自身を重ね合わせてしまいます。
伝説の終わりを悲しくも、うれしくも思います。