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そっくりな女性は莉沙の双子の妹である洋子だった。ほのかに莉沙のことを好いていた賢だったが、彼女には主人公を務めていた光浦(渡辺)という恋人がいた。自分では気づかなかった賢だが、映画「ここにいるだけ」の脚本そのものが彼女への愛の告白だったと洋子に気づかされた。莉沙と洋子は互いに反発しあってたが、留学先のロンドンから遺品の整理に来ていて莉沙の気持ちを理解しようとしていた。最後のシーンを撮ることに快諾した洋子だったが・・・
途中まではどうでもいいストーリー展開だったが、実は洋子は賢にしか見えていない莉沙の亡霊だったことが判明。部員達に洋子を紹介しようとするシーンで、彼が莉沙を想うあまり病気になったんだと理解する表情がよかった。それまでは一体何だったんだ?!と思ってしまうほど落差が感じられる。賢の一人芝居というか、莉沙がいるもんだと周りも演技して映画の撮り残しを撮影する。
劇中劇の「ここにいるだけ」は全然面白くないので作品のレベルを下げているのだが、ヒロインの最後の台詞が賢のためを思って一人だけ反対する莉沙の気持ち。大人になりきれない青年の人生観を変えるためのものだった。それに賢のことを気遣う部員達の心の広さも感じられる内容だ。
3年後には本物の洋子と出会い、また同じことが繰り返されることを予想させるエンディング。莉沙の思いつきの台詞に書き換えたところだけ、大人になった賢だった・・・しかし、「高橋くんには幸せになってほしくない」という台詞はちょっとダサい。