「個性的な侵略SF」ダーケストアワー 消滅 MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
個性的な侵略SF
舞台がモスクワというのも良いが、侵略してきたエイリアンの存在が個性的で素晴らしい。姿が見えず、オレンジ色の光を放つ彼らは不気味でしかない。さらにその光(稲妻のようにも見える)に触れると人の体が灰と化すという最強とも言える存在だ。
侵略は割りと冒頭で始まり、適度な恐怖感のままテンポ良く進む。その後籠城した主人公らは外へと出る決意を下すのだが、その後はしばらく市街での追いかけっこでやや飽きる。この感じのままぬるいサバイバルで終わるのかと予想していたが、人類の一部で侵略者と戦うべくレジスタンス的な組織を形成しており、それが後半にかなり生きてくるという構成だ。最強とも言えるエイリアンでもやはり弱点があり、それが所々に反映されている点も良いだろう。
本作は完全なB級映画ではあるが、モスクワ市街地に墜落したであろう旅客機などの作り込みは素晴らしかった。設定も去ることながらエイリアンを倒すための武器がいかにも「B級!」という感じで思わず笑みがこぼれる箇所もある。
続編の有無については不明だが、本作は尻切れとんぼなラストを向かえてしまう。それにイマイチ乗れないので不満もあるが、そこら辺のB級SFよりも完全に面白い。忘れた頃にもう一度観たくなる作品だ。
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