ドラゴン・タトゥーの女のレビュー・感想・評価
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ファイトクラブ並のファーストインパクト
オープニングがまた凝ってて移民の歌との融合も完璧でした。 鳥肌ビリビリ来ましたね。 この映画それなりに上映時間が長く(約3時間)、けっこうお尻がしびれてくるんですが、カット割りのテンポが速いのも功を奏してか、緊張感が途切れることなくエンディングを迎えました。 まあ、あの終わり方は賛否両論だと思います
オリジナルより洗練されてる
大好物のフィンチャー監督作品だけあって、リメイク決定時から超楽しみにしてました。 とにかくオープニングからしびれる格好良さ!ファイトクラブのオープニングに通じる感じで、ファイトクラブでは細胞だったのが、今作では悪夢に変わった感じ。 とにかく全体的にオリジナルよりエッジが効いて洗練された作品。オリジナルから変更された部分は賛否両論あるかと思いますが、ルーニーマーラの役作りと変更部分の効果でラストはより切なくて悲しいし、ストーリーもよりわかりやすくなってます。 あと贅沢かもしれないけど最近のフィンチャー監督作品は完璧さ故に、まとまった感(あくまでもフィンチャー監督作としては)があるのも事実。 次作はまた革新的な冒険をして欲しいです! どうやら続編は、フィンチャーが監督しないみたいだけど、続編の監督はハードルあがり過ぎて大変だと思います…
リメイクでオリジナルに肩を並べる作品は初めて
コロンビア・ピクチャーズのマークが普段と違って、どんよりした色調で投影される。 オリジナル(2009年スウェーデン)のメインテーマは、コーラスを使った印象的な曲だった。それにどう対抗するのかと思っていたら、なんとレッド・ツェッペリンをカバーしたカレン・Oによる『移民の歌』。なまじオリジナルを使わず、既存の曲からインパクトのある楽曲を選択したのは、ある意味正解といえる。さらに色をつけたら「007」のタイトルバックにもなりそうな、黒が基調のビジュアルが素晴らしく、さながらミュージックビデオのようだ。これだけで、デヴィッド・フィンチャー監督の本気度が伝わってくる。 しかも舞台をアメリカに持って来なかったのがいい。事件の根底にあるものなど、「ミレニアム」シリーズを描く上でスウェーデンを出てしまったら別物になってしまう。 ミカエル役のダニエル・クレイグのシャープなマスクはオリジナルになかった魅力だ。オリジナルでは、ミカエルがノオミ・ラパス演じるリスベットに完全に食われていた。 そのリスベットこそが、今回のリメイク版の仕上がりを左右する重要なポイントだが、まずオリジナルを超えられないだろうという予測がいい意味で大はずれ。ルーニー・マーラの体当たりの演技はもちろんだが、そこはかとなく漂う清潔感と知性が、どんなにいたぶられるシーンでも汚く見えない。 逆をいえば、オリジナルが纏(まと)っていたどす黒い闇は薄れてしまった。この点は賛否両論あることだろう。このリメイク版は、カメラワークやカット割り、照明および音響に至るまで洗練されていて、品よくまとめられたという印象だ。 また、よく見知った俳優が多いため、複雑な人物相関が判りやすい。オリジナルより5分長いだけだが、事件の究明が丁寧に描かれ、推理の過程も解りやすくなった。 リスベットのスイスでの単独行動は、オリジナルでは結果だけだったが、その経過が詳細に語られる。ここは監督がルーニー・マーラの容姿を活かしたサービス・ショットといえる。その前の「殺していい?」の台詞もキマっていて、次作でのリスベットの活躍を楽しみにさせるあたり、心憎い演出だ。 ひょっとしたら次回のポスターでは、ルーニー・マーラが正面を向いて、ダニエル・クレイグが横を向いているかも知れない。 適度なスピード感を持ったストーリー展開と、分かりやすくまとめられた圧倒的な情報量、オリジナルに勝るとも劣らない俳優陣といい、リメイクでオリジナルに肩を並べる作品を初めて観た。
音の使い方が絶妙
原作本は未読、スウェーデン版映画「ミレニアム」3部作は鑑賞済みで本作を観ました。
まず気がついたのは音の使い方がすごく良いということ。オープニングの「移民の歌」にグッときたし、「ソーシャル・ネットワーク」同様、BGM、息づかい、ドアの音、その他些細な音にまで神経が行き届いている感じで、作品に立体感をもたらしている。それはまるで音が創る3D感。
スウェーデン版より本作のほうがキレイでスマートな作品になってますね。スウェーデン版のリズベットはもっと尖ってて閉じたイメージ(そうなってしまう過去を続編で明かしていく訳ですけど)、恋心も素直に表せない女なのに対して、本作は女性らしさがある。それと犯人の残忍さもスウェーデン版のほうがありました。決定的に違うのはラストシーンです。完全に恋する女性ですよね(相手がジェームズ・ボンドじゃ仕方ないか)。しかも「ソーシャル・ネットワーク」と同じく成就しない虚無感のうちにエンディング。本作にハリウッド・リメイクのプライドを感じましたが、どうしても初めに観たスウェーデン版リズベットの愛を知らず、人間不信なイメージが強すぎて、本作のリズベットには馴染めなかったけど、映画自体はとても良い作品なので、これを観た後でスウェーデン版と見比べても面白いのではないでしょうか。
監督がデヴィッド・フィンチャーで良かった!
スウェーデン発のベストセラー小説の、本国スウェーデンに続きハリウッドで映画化した話題作。 スウェーデン版は、特異な登場人物と横溝正史作品を思わせる濃密な内容で、これぞミステリー!と太鼓判を押したくなるほど面白かった。 なので、ハリウッドリメイクの話を聞いた時、何でいちいちリメイクなんか…と正直思った。 しかし、監督がデヴィッド・フィンチャーと聞いて、期待に変わった。 「セブン」「ゾディアック」を手掛けたフィンチャーなら、下手な映画にはしないだろう。 その期待は見事に裏切られる事はなかった。 「ソーシャル・ネットワーク」に続くスタイリッシュな演出、映像、編集、トレント・レズナー&アッティカス・ロスによるクールな音楽(タイトルバック!)で、フィンチャー印炸裂の作品に生まれ変わっていた。 同じ脚本を2人の監督に渡して同じ作品に仕上がる事はないのも確かに頷ける。 ストーリーについては今さら触れる事もないだろう。 元々が面白い作品なのだから。 ベテラン脚本家スティーヴン・ザイリアンの手腕が光っていた。 この作品の大きな見所の一つは、ヒロインのリスベット。 今回この、全身ピアスにドラゴンのタトゥー、天才ハッカーにして複雑な内面を持つ難役に挑んだのは、新星ルーニー・マーラ。 リメイク版「エルム街の悪夢」やフィンチャーの前作「ソーシャル・ネットワーク」に出演していたが、清楚だった以前の役柄と比べると、その変貌は驚くべき。 でも正直、スウェーデン版のノオミ・ラパスと比べるとインパクト不足か…。(アカデミー主演女優ノミネートも意外) だが、その体当たり演技は素晴らしい事に変わりないし、またハリウッドから楽しみな逸材が誕生した瞬間だ。 デヴィッド・フィンチャー作品の好きな人、ミステリー映画の好きな人、久々に見応えのある作品を見たい人なら、見て絶対損しないオススメの作品。 この濃密ミステリーをぜひ劇場で!
推理ものとして秀作。
舞台はスウェーデンなのに英語で違和感があるが, こまめに刺激してくれる探求心にワクワク。 原作&スウェーデン版と比べて, 「女性こそ守るべき存在」だとするメッセージ性は薄かったが, 華奢な身体で直感的に動く行動派のリスベットの魅力はやはり大きい。 しかし,エンディングが切なくて不満。 孤高を貫くバイク疾走で締めてほしかったな。
今年最高かもね
2人の主人公のキャラクター作りや設定が非常によく どっぷり世界観にはまれました。 名作セヴンと違いますが なんとなく似てます 気になったところでセックス描写がきつかった 抑えていると思えるが 前情報なしに鑑賞した俺には衝撃だったぞ 見る方はそのへんを理解してご覧下さい。 グロはいいんだが セックスとなるとねぇ~ 一緒に見に行ったのが親子なら恥ずかしいよねw 謎解きは 謎解きが好きな方なら大体犯人と行方が途中でわかると思います。 2人の主人公のかっこ良さ 安心してみられるダニエル クレイグの演技 そして世界観がすごく成功した映画だと思います。 是非 観に行ってくだされ
テンポの速さに驚愕…
まずこの作品はテンポの速さが凄すぎるの一言。 158分という長い時間が、あっという間。100分に感じたほど。 早くもアカデミー賞5部門ノミネートされてるみたいですね。納得。 序盤は、とにかく場面展開が速いのでハマりづらい人もいるかも…。自分はそうでした…。 だけど中盤からは場面展開も少し遅くなり速くなっても慣れが生じてストーリーに引き込まれておもしろかったです。 リスベット役がオリジナルよりも可愛いらしく女の子らしい。リスベットという役をうまく演じていたと思います。ルーニー・マーラ、今後、注目されるかもしれないですね。 だけど、原作は読んでないですが、自分的にはオリジナルの方が好きです。 あと切ないラストは、切ないっちゃ切ないんですが、登場人物が多くミカエルとリスベットの描写が少し薄く感じました。それに唐突に終わった感じがして中途半端な終わり方にも感じました。 もう少しひねった終わり方をしてほしかったです。 だけども本当にテンポはびっくりするほど速く、あっという間なのでぜひ劇場でご鑑賞ください。
ずっと浸っていたい映像世界
あー!!!!もう今日ほどデヴィッド・フィンチャー監督作品を愛し続けてきて良かったと思えた日はないです!!!! 『セブン』のファーストインプレッションから常に彼の映画から衝撃を受け続けてきて、毎回脳天に稲妻落とされて、毎回興奮して、毎作品最良だと思ってるんで、今回もその思いが更新されたってだけなんですがw 実は正直白状しますと、何でフィンチャー御大はこの作品をチョイスしたの?と、発表聞いてからずっとモヤモヤ感抱いてたんです。 原作は読んでないですが、スウェーデン版の映画三部作は観ていて、確かに重厚で緻密な物語だな、とは感じていて。 でも何で? 何で焼き直しするの?筋書きもオチも知られてるのに!?というある種の御大への“疑念”というか“不信感”? そんなモヤモヤ抱えたまま幾月を過ごし、暫くして予告動画がポンとアップされました。 期待せず何気に拝見しました…こう、なんつーか…疑念も不信感も彼方へ消え去りました。もう“期待”に胸膨らんでいました。予告映像に取り憑かれました。 これぞ、フィンチャーマジックと思いました。(つかオレが現金?) と、あらゆる期待と葛藤を抱きつつ、やっと本編公開封切を迎えました。 いやもうね、うん、もう、ホント素晴らしいの一言に尽きます。 関係ないんですね。物語の流れとかオチとか展開とか。 デヴィッド・フィンチャーの映像世界に落とし込んでしまうと、そんなこと関係ない。瑣末。 彼の映像が持つ魔力に惹き込まれてしまう。 埋没してしまう。 ダニエル・クレイグのエレガントな中年男の所作。 ルーニー・マーラの飄々とした力強さ、得体の知れなさ。 観る側に意識させないながら、その実、美しく巧みな映像群。シークエンスの連続性。 どれも一級品。ずっと浸っていたい。 惜しむらくは、物語運びを分かり易く時間制約からの弊害?で軽妙なテンポ感に仕上げてしまったこと。 158分じゃ(自分には)明らかに時間足りてないけど、一般観客層を飽きさせない為にはギリギリの時間配分だったんでしょうけども。 個人的には四時間でも五時間でも観ていたかった映像空間だったので。 まそれだけこの映画が素晴らしいって証拠なんですけども。 いやはや、のめり込みました。この映像世界に。 是非、残りの2、3も、御大に撮っていただけることを切に願っております。 大傑作!!!!!!
デビット・フィンチャー流儀!!
スタイリッシュ!かっこえぇー! オープニングはツェッペリンBGMにヒロインリスベットの悪夢が描かれる。 表層ストーリーの奥にあるリスベットの嘆きが伝わりゾクゾクする。 原作読んで、映画見て納得の出来栄えだ。 フィンチャー監督の次回作も楽しみだ。
至近距離で生のルーニー・マーラを目撃。精霊のような可憐さの変わりようの落差はノオミ・ラパス以上のものすごさ。
2年前のオリジナルの熱狂的なファンだった小地蔵からすれば、本作はハリウッドリメイクのスケール感を感じさせるものの、作品の重要なディティールを敢えて無視して飛ばしているところが気になります。デヴィッド・フィンチャー監督の作風が好きになれないのも、登場人物に余りフォーカスしないで、傍観者的にカメラが追うスタイルなんです。 それだと、どうしてもストーリーが説明不足で解りづらくなるのですね。「ソーシャル・ネットワーク」でも途中から爆睡してしまいました。 さすがに本作では、ダニエル・クレイグの渋い演技とルーニー・マーラーの全裸のベットシーンも厭わない体当たりの演技で、最後まで眠らずに楽しめました。ただそれも2年前にオリジナルを見ていて、筋をあらまし掴んでいるから楽しめたのだと思います。初めて見る人には、ちょっとオリジナルを見て予習しておかない分かりにくいのではないかと心配です。 オリジナルの良さは、簡潔なエピソードをてきぱきとつないで物語が進行してゆくのは小気味が良いところ。それでも1作目のミカエルとリスベットが出会うまでのふたりの捜査活動がパラレルで展開するところは、どうなっていくのか分かりづらかったのです。 本作では、オリジナル以上に出会うまでが長くなっています。初めて見る人には、このパラレルな進展が理解に苦しみそうです。 ストーリーの紹介は、オリジナルのレビューと重複するので省略します。ぜひ小地蔵のオリジナルのレビューも参考にして下さい。 ここではオリジナルと違う点を突っ込みたいと思います。 まず本作は3部作の1作目として、シリーズのイントロの役割も担っています。「女性虐待」が重要なテーマとなっている本シリーズでは、リスベットと父親の関係も、テーマに関わる要素として欠かせません。なかでもオリジナル1作目の最後に突如描かれるリスベットが実の父親にガソリンを浴びせ放火してしまうシーンは、2作目に繋がる重要なものでした。それを丸ごとカットしてしまうのは疑問です。リスベットが男性を嫌悪し、人間不信にすらなってしまった原因については、やはり1作目から暗示すべきだと思うのです。 またリスベットとミカエルの関係にも異議あり!です。ミカエルが抱える事件解明に協力するようになったリスベットは、ミカエルの出張先で共に寝泊まりして調査活動に当たっていました。そして突如ミカエルにのしかかるようにリスベットが求めるところまではオリジナルと一緒です。しかしその後オリジナルでは、ミカエルが求めると手痛いしっぺ返しを喰らわすのですね。以後ふたりは男女の仲を超越して、同志的な深いつながりで、事件の深淵に迫っていくのです。リスベットの孤独な心を理解していたミカエルの優しさがいいんですね。それを何ですか!(`へ´)フンッ。本作では、エッチしまくりというのはいただけませんね。その分、ミカエルとミレニアム編集長の不倫関係が希薄になってしまいました。 ただ本作にもいいところはあって、珍しくクリスマスプレゼントを用意して、ミカエルのところに訪問しようと、リスベットらしくない行動をおこしたら、あいにく「先客」がいたのです。嫉妬したリスベットは、静かにプレゼントを投げ捨てて立ち去るところは彼女らしくて良かったです。クレイグ版ミカエルは、より色男度アップなんですね。 また1作目の見どころの一つ。リスベットが後見人の弁護士から性的虐待を受けるシーンと復讐するシーンでは、オリジナルの方がよりえぐかったです。 えぐい演出がカットされたところは、後半の連続少女殺人事件にも違いがはっきりします。オリジナルでは、ひとりひとりの事件のあらましを克明に紹介していきますが、 本作はサラリとしか触れられませんでした。やはり丁寧に触れた方が、ミステリーの緊迫感が違ってくるところですね。 事件といえば、そもそもの少女ハリエットの失踪事件の描き方にも疑問があります。なぜか本作では、ハリエットの存在が最後に確認されたスウェーデン北部のヘーデビー島が密室状態にあったことを紹介しません。一本の橋を封鎖されたら、どこにも行けないはずなのに、忽然と消えてしまった謎をミカエルが解明するところが、ミステリーのキモに当たるはずなのにです。 他にも、リスベットが調査のための変装をこなしていくところや、実は一流企業のOLだったことなど彼女の意外な一面を次々明かしていくところがオリジナルの興味深いところでした。そういったオリジナルシリーズの重要ポイントが省略されているところは、演出上疑問に思うのです。 それでもやっぱりグレイグはかっこいいし、説得力をもって不屈のミカエルを演じきっておりました。また試写会では至近距離で生のルーニー・マーラを目撃できました。あの精霊のような可憐な女性が、リスベットのような魔性の女に変われるのだろうか!その変わりようの落差はオリジナルのノオミ・ラパス以上のものすごさと太鼓判を押しときます。その辺がアカデミーノミネートの理由でしょう。それでもあの独特のリスベットの雰囲気は、ノオミ・ラパスが一枚上手だと小地蔵は押したいですね。
原作を読み、もう一度映画館で是非とも見直しても更に楽しめそうな久々の良作
ディヴィット・フィンチャー監督なら、どうこの世界的なベストセラーを仕上げるのだろうか、とても興味があった!そして全くその期待が裏切られる事は無かった!!!
私は不勉強で、残念な事にスティーグ・ラーソンの世界的なベストセラーも読んでいないばかりか、このハリウッド版リメイクと言うこの作品を見るまでは、オリジナル映画であるスウェーデン映画版も観ていないので、あくまでも今回の作品を単体映画として自分が観て感じた印象しか書けないのだが、久し振りに映画としてとても楽しめる作品に出会えた気がしている。
この監督は独自の映像感覚を持っているためか、もう映画のファーストシーンが写し出されると、これは、きっと面白い展開を楽しめるに違いないと大きな期待の予感が胸に溢れて出て来るのが解り、あっと言う間に、D・フィンチャーの世界へと引きずり込まれる自分を発見したし、そしてその世界に自然に身を任せる事が出来た。映画ファンにはとっても満足出来る新たな映画作品の一つが生れたと言える。
しかし、映画の途中では、かなりエグイシーンも展開するために暴力的なシーン及び、肉体的痛みを見せ付けられるのが苦手な人は、覚悟を決めて観る事をお勧めするし、出来る事なら、映画を観る前に食事を済ませて置く事も併せてお薦めしたい!
映画観賞後は、食欲・体力共に減退するのは確かだ!されど『セブン』を観た方や、あの映画のテイストを評価出来る人には、更なる面白さをプラスした作品として絶対満足出来る映画だと思う。
本来、私は暴力的なシーンや、サスペンスなどで残忍な映像が出ると生理的に反発してその映画は、普通受け付けないタイプの人間であり、したがってホラー映画や、サスペンス映画は避ける傾向が強いのだが、しかしそこに人間の本質に迫る真実の欠片や何か人の共通認識現れが流れて描かれている場合は、例外だ。
『ソーシャルネットワーク』や『セブン』『ファイトクラブ』『ソディアック』が好きな人は絶対失望する事は無いと想像する。
主演のD・クレイグが渋いし、クリストファー・プラマーそしてライト・ヨリックなど俳優陣がベテラン揃いで素晴らしい上に、この作品で、アカデミー主演候補と一躍躍り出たルーニー・マーラーのナイーブなガラスの様な危険で危うくそれでいて繊細な役処を見事に体当たりで演じているのも見所の大きな要素でもある。
原作には、かなり細かく人物のイメージが描かれているとの事で、ルーニー自身リスベットを演じきるのに苦労は無く自然に役になりきる事が可能だったと記者会見で話していたが、なるほど頷ける。その名に有る通りに、ドラゴンタトゥーのその謎のハッカーのイメージは自分の中では、『シザーハンス』を想い起こさせた。何故なら、その醜い容姿とは裏腹に、そこに隠された、一人の人間の奥深く底に横たわるその女の生い立ちの悲しみが、ドラゴンタトゥーと言うその恐い表情とは逆に徐々に明らかにされて行く悲しみのストーリー、その女の生き様に共感を覚えずにはいられなかった、衝撃の極上サスペンス!
しびれた
開始早々の「移民の歌」が、まずかっこいい。 次に、ストーリー展開がスマート。 スウェーデン版よりも原作に寄り添っていて、 物語やキャラクターの魅力が倍増していた。 そしてなによりリスベット。 強烈なルックスと暴力性で とことん自分の道を突き進む感じがいい。 だからこそ、そのタフさで覆い隠してる弱い部分が切ない。 原作を先に読んでいても、納得&大満足できた。
堪能しました!
"ハイリー・スタイリッシュ"という言葉はこういう作品のためにあるのだろう。
複雑に入り組んだストーリーライン、重厚なキャスト陣、語りすぎない脚本、凍てつくスウェーデンの空気に呼応するようにクールでありながら、どこか官能的なトレント・レズナーの音楽、全体的に抑えられた色調と、その中に輝くルーニー・マーラの白い肌。視覚的にも聴覚的にも楽しめた。
物語の展開はスピーディーで、クライマックスに向かう緊張感も素晴らしい。2時間半があっという間だった。
半端でない暴力とセックス、大富豪と家族たちの愛憎はまさに現代のギリシャ悲劇だ。甘ったるい感情を突き放すような演出、ストイックで格調の高ささえ感じさせる雰囲気が包み込む。
ルーニー・マーラは、ITを使いこなしバイクにまたがりバイセクシャルという新しいヒロインを現出してみせた。トリニティや草薙素子に通じるアクション・ヒロインの系譜とも言えるが、彼女のか細い肉体からは悲しみと絶望と爆発せんばかりのエネルギーを皮膚の下に押さえ込んでいるのが透けて見えそうだ。
この映画の中ではメイン(ヴァンゲル一族の謎を追うミカエルの物語)とサブ(リスベットの物語)のストーリーが重層的に進行していくが、マルティンが最後に放った「危険だと思うのに、なぜ人はわざわざ罠にはまりに来るのか」というセリフは、そのままリスベットの行動にも当てはまる。天才的な能力を持ちながらも一方で無防備で、簡単に大人の罠にはまってしまう。
氷のように心を閉ざしても不変の純真さが見え隠れする彼女は魅力的で、ミカエルに対してわずかずつ柔軟になっていく表情がとてもいい。
孤独な魂たちに救済を与え、安堵とほろ苦さを残しながら映画は終わる。
昨年の「ゴースト・ライター」も素晴らしかったが、こういった映画を大画面で見ると、やはり1800円を払っても劇場に足を運ぶ価値があると思えてしまう。
ちなみに試写会場の有楽町日劇は大劇場のため画面が暗いという印象があり、しばらく足が遠のいていたが、最新のデジタル設備導入により驚くほど明るく鮮明な画質と音で鑑賞する事ができた。
この作品の硬質な触感が4Kデジタル画面を通じて、より観客に伝わる事をフィンチャーは多分に意識しているのだろう。
新しい映画の可能性を感じさせる作品。
倫理的に問題のある箇所は何もないと感じたが、、、<R15>修正中ということで、公開版をまた見に行こうと思う。
大満足
満点(5.0)にするかどうか迷ったのですが、後半のストーリーにもう少しひねりが欲しかったのと、今年もっといい映画に出会えることを期待して 満点に近い4.5評価。 バイオレンスシーンは描写が鮮明すぎて 直視できない部分もありましたが、本作品には不可欠な要素。 ダニエル・クレイグを見に行ったつもりが、実はダブル主演のルーニー・マーラが良かったです。 プロローグがスタイリッシュでカッコよかったのと、その他のキャスティングが完璧!と思えたので 大満足でした。 タトゥーの女・エリザベスを演じた ルーニー・マーラ。 フィンチャー監督とは『ソーシャルネットワーク』つながり。 「あの作品に こんな子いたっけ?」と思うほどの変貌ぶり、激しい演技に 圧倒されました。 後半にかけて(あの格好で)だんだん可愛く見えてくるのが 不思議。 つい『ハンナ(シアーシャ・ローナン)』が成長した姿を想像して 重ねちゃいました… でもエリザベスは“殺人兵器”ではありません、、笑 40年前の 少女失踪事件の解決を依頼されるジャーナリスト・ミカエルに ダニエル・クレイグ。 ジェイソン・ステイサムと同様・強いイメージが定着しすぎて“一般人に見えない”ダニエルは 今回も苦戦中。 身に危険が及ぶシーンでも、つい冷静に見てしまう。 配役は彼で良かったと思いますが、どうしても消せない“ボンドの香り”が 減点対象だったかも。。 ミカエルのパートナーに ロビン・ライト。 ショーン・ペン元妻で、『フォレスト・ガンプ』のジェニーを演じてました。 今回は控えめながら ポイントを押さえた大人の女性を好演。 『Conspirator(2011)』という作品(レビュー書いてます)でも 素晴らしい演技を披露していました。 ここで私が注目した俳優さんを ご紹介。 マーティン役のステラン・スカルスガルド。 名前(姓)で「もしかして?」と思ったら やっぱりそうでした。 あのイケメン俳優のお父さん。 『マンマ・ミーア!』や『天使と悪魔』にも出演していたそうで よく見るお顔、確かに(息子と)似てます。 脚本で もっとマーティンのキャラを作り上げてほしかった気がしますが、まぁ印象には残ったので 良しとします。 その他、クリストファー・プラマー(『Dr.パルナサスの鏡』)、スティーブン・バーコフ(『ツーリスト』)、ジェラルディン・ジェームズ(『シャーロック・ホームズ』)などなど 役者がそろってます。 「え、いきなりそっち?」と思うシーンもありましたが、何が起こってもおかしくないという流れからすると 違和感を感じず。 嫌な役の人は いやぁな感じに、良い役の人はそのキャラクターに忠実に演じきっているところが 観客をうまく引き込んでいたと思います。 皆でいっしょに楽しむなら 年末公開した『ミッション…』を、頭を使って・手に汗握って・一人その世界に引き込まれたいなら 本作品をお勧めします。 スウェーデンやノルウェーの素晴らしい景色も 見所です。
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