「【”運命の書に抗い惹かれ合う男女。”フィリップ・K・ディックの短編「調整班」を基にしたSFラヴストーリー。”運命を調整する人達”に抗う、マット・デイモンとエミリー・ブラント演じる男女が魅力的な作品。】」アジャストメント NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”運命の書に抗い惹かれ合う男女。”フィリップ・K・ディックの短編「調整班」を基にしたSFラヴストーリー。”運命を調整する人達”に抗う、マット・デイモンとエミリー・ブラント演じる男女が魅力的な作品。】
■若手有力下院議員のデヴィッド(マット・デイモン)は、ふとしたことで出会った美しいダンサー・エリース(エミリー・ブラント)に一目惚れする。
しかし、突如現れたアジャストメント”運命調整員”にデヴィッドは拉致されてしまう。
彼らの表面上の目的は、本来恋に落ちる予定ではなかった2人を引き離すことだった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・アジャストメント”運命調整員”という、人達の役割が実に面白い。彼らは、人類が誕生してから人類の繁栄を願い、要所要所で人類の運命を”調整した居た。”と言う設定が面白い。
彼らは、人類の敵ではないのである。
そして、彼らがデヴィッドとエリースの仲を割こうとしたのは、デヴィッドを上院議員に当選させ、将来的には大統領にしようとしていた事が劇中明らかになる。
・つまりは、アジャストメント達は、デヴィッドを大統領にする事で人類の更なる発展を願っていたという事である。
で、デヴィッドにエリースに夢中になり過ぎ、亡き父の想いを忘れてしまう事を、予知していたのである。
・面白いのは、最初にデヴィッドの運命を調整しようとしたハリー(アンソニー・マッキー)が、デヴィッドの想いを叶えさせようと、運命のドア(行き先が思い通りの場所になる)を開ける力を持つ”帽子”を貸すシーンである。アジャストメント達にも、心があるのである。
・次々に位の高いアジャストメントが出てくるのも、面白い。
<だが、デヴィッドとエリースの懸命な姿を見て、アジャストメントの最高峰”議長”は二人の願いを叶えるのである。
”議長”は姿は見えないが、”誰かの傍にいる”と言う設定も面白い。
今作は、ハードSFの大家フィリップ・K・ディックの原作の映画化された作品には珍しいSFラヴファンタジーの逸品である。>