「障害のある恋は燃えるよね。」アジャストメント 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
障害のある恋は燃えるよね。
『ブレードランナー』『トータル・リコール』『マイノリティ・リポート』・・・と、数多くの作品が映画化されているフィリップ・K・ディック原作の作品の映画化。もちろん、この作品も、これまでの作品と同様、SFなんですが、より恋愛物語色が強くなっています。
『ジェイソン・ボーン』シリーズや『グリーン・ゾーン』でマッチョな役どころを見せたかと思うと、『オーシャンズ11』シリーズでは若造扱いの詐欺師、かと思えば、『ヒア アフター』では霊能力に悩む若者と、様々な役を見せるマット・デイモンですが、この作品では、将来有望な若手政治家の役を演じています。多彩ですね。しかも、その政治家姿は、中々堂に入っています。流石、中退したものの、ハーバードに入っただけのことはありますねぇ。
さて、ここからは、ストーリーに少し入ります。先にも記したように、SFではあるものに、恋愛物語が強い作品になっています。言ってしまうと、愛し合う二人の間に障害があるものの、愛の力で二人は乗り越えていく・・・と言う事になるのでしょうか? 話としてはアリだと思うのですが、フィリップ・K・ディックと言う条件を加えると、微妙。結局、“調整局”の謎は明らかになりません。う~ん、でも、【議長】に関するあの示唆は、やっぱり、【議長】=【全知全能のあのお方】と言う事なんでしょうか?
その辺りは置いておいたとしても、人の運命を左右するにしては、“調整局”の能力が良く分かりません。人の運命を左右するほどの能力があるのに、移動するには、決まったところにしか行くことが出来ない、中途半端などこでもドアの様なモノしか無いし、強制執行班の面々も、かなり現代的な装いと、執行力。そういう事を言うと、何故かデヴィッドを助けるハリーが(そう言えば、助ける理由が不明なままだった)、何故か疲れていて、大事な時についうっかり(つまり、居眠り)して任務遂行に失敗してしまうと、人間味あふれる“調整局”エージェントになっています。って言うか、“調整局”のエージェントって、人間なの? 任務的に考えると、普通の地球人では無いと思うんですけどね?
NYを舞台にした物語と言う事もあり、マイケル・ブルームバーグNY市長が、出ていました。あと、オルブライト元国務長官らしき人物が、画面に映っていたような気がするんですが・・・?
冷静に考えると、突込みどころ満載の作品です。ですが、あまり突っ込もうと思わない程度に、上手く仕上げられています。マット・デイモンの演技力なんですかね?