「元彼にも調整が必要。」アジャストメント ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
元彼にも調整が必要。
試写会にて。
…久しぶりに当たった気がする^^;
人気SF作家フィリップ・K・ディックの短編小説の映画化。
この人の作品、映画化されてもほぼヒットしてるから凄いわ。
“アジャストメント・ビューロー(運命調整局)”っていう、
超自然的存在に追いかけ回される男の攻防劇を描いた話。
予告で観る限り、凄くドキドキハラハラしそうな展開に思えて
けっこう楽しみにしていたんだけれど…。
まぁなんといいますか^^;ラブストーリーになるのかな、これ。
とはいえ、走り回る展開が多いのでアクションラブミステリー。
若き政治家の未来を調整する存在に気づいてしまった本人が、
これぞ運命♪だと思った女性と引き離されてはなるものか!と、
奮闘するのだけれど、いやホントにこういう存在っているんじゃ
ないかと思うくらい掴みが面白い。自分の人生って、ホントは
過去のあの部分で調整されてたんでは?なんて^^;こっちまで
勘繰りたくなってくる。ここでの主人公は政治家だから、つまり
これから国を揺るがす人物になり得る人。まぁそんな人の運命、
妻になる人もじっくり選んでもらわないと!ってことですかねぇ^^;
たまたま敗北宣言前の式場のトイレで出逢った二人。
彼女の言葉に喚起し感動的なスピーチを終えたデヴィッドだが、
以来彼女のことが忘れられず、その後(逢うはずではなかった)
バスの中で再会、さらに確信を強めてしまう。そんな二人を追い
回す男たち(不気味なのに結構ヌケている)が運命の書に基づき、
彼らを引き離そう、引き離そう、と画策する。たまたま彼らの
作戦失敗時に真相を知ってしまったデヴィットは、自分の運命を
守る(決める?)ために、彼らの裏をかいて彼女に逢いに行くが…
ユニークで大胆な発想は冒頭から彼が真相に気づくまで、更には
その後どう行動するか…とテンポよく進むのだけど、大方の予想を
裏切る(?)とすれば、彼が何を最優先課題に選んだかになるよな…
国家的な陰謀を阻止するとか、こういう話の場合はアクション重視で
そっちへ流れるかと思うのだけれど、あくまで彼は恋愛重視!!(爆)
とてもロマンティックな恋愛政治家(悪いとはいいませんよ)なのだ。
主演のマットは自身で自分にもそういう傾向があると言っていたので、
似合ってるといえば似合ってるのかなぁ^^;
さて、彼らの運命を変えられてはなるものか!とアジャストメントの
面々もさらに上司へ問題提起、普通に会社組織なんですか?ここ^^;
で、やっと出てくる(いつになったら出てくるんだと思っていた)のが
上司トンプソン役のT・スタンプ。彼の策略は(あ、調整か^^;)けっこう
説得力があるので観応え十分。デヴィット危うし!となるんだけど…
ドラえもんもビックリ、なドアの存在や、誰よ?と思う議長の存在など、
どう突っ込めばいいのか分からないツッコミどころも多数、見所満載、
最後まで走り続けるデヴィットとエリースの運命の行方にご期待下さい。
(しかし同情すべきは、彼女の元・恋人だということは間違いなしです!)