「謎の赤い糸」アジャストメント odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
謎の赤い糸
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ホモサピエンスの知恵として人は「運命」と言う都合の良い観念を創りだしてしまった、幸であれ不幸にせよ結果を受け入れるトランキライザーであることは間違いない。シチュエーションが味噌なので詳しい内容は書けないがテーマは赤い糸、作風はSFというより寓話、擬人化された神の使徒・エージェント物語ですかね。
ブレードランナー(アンドロイドは電気羊の夢を見るか)の原作者としても著名なフィリップ・K・ディックは極めて哲学的なSF作家だと言われるが本作も本領発揮、旧約聖書のような理不尽な試練、洗脳を強いられる、それはある種、本人の為だったかのように描かれるが翻弄される方はたまったものではないだろう。とはいえ、観終わってからの束縛からの解放感は自由意思の尊さ、得られる有難さを大事にしなさいとの作者のメーッセージなのでしょう、身に沁みます。
小説ではデビッドは不動産屋だったらしいが未来の大統領候補に変えられた。マット・ディモンに批判された当時の大統領だったオバマが「私の演技が不満だったかい、映画観たよ」とユーモアで返したらしい。
作家性の強い映画なので好みは別れるでしょう、多少ならずも作者の心理操作の影響は受けそうなのでカップルで観るには微妙かもしれません。
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