デンデラのレビュー・感想・評価
全23件中、1~20件目を表示
女優陣の貫禄に☆加算
姥捨ての話でカンヌ受賞した「楢山節考」
その監督の息子がとったのがこちら「デンデラ」
姥捨てのその後の物語。
楢山節考も観ていると、ああ、つながってるんだなとわかる
エピソードもあってより楽しめる。
実は小説を先に読んでいてとても面白かったので
映画も期待して観た。
映像で見ると、居並ぶ女優陣はさすがの貫禄揃い。
とくに倍賞美津子が出てくると空気まで変わる。
この面々が並ぶだけでもう点を上げてもよい。
しかしさすがに寄る年波には勝てず。
獣との戦いに、あんなよぼよぼの走りで
対抗できるわけがないと突き付けられてしまうのが
悲しいところ。
全編女の生の悲しみとそれに対しての戦いが描かれているが
まさか熊と分かり合う瞬間が
マタギでもないのにやってこようとは。
ババアVS熊
山に捨てられた老婆達がデンデラという村を作って、自分達を捨てた村に復讐しようとする話
と思いやきや熊がデンデラを襲ってきてから、熊を討伐する話にシフトする。
そして、村から捨てられた老婆達と冬を越すために人を襲う熊との生き残りを賭けた戦いが展開される。
デンデラでは、村では慎ましく男を支えていた女達が、自分を利用するだけ利用して捨てた村人達を憎み、迫害された者同士結束を深める様子が描かれる。
デンデラのような誰も容姿を気にしない場であっても、身嗜みを気にして魚の骨を使い、髪を溶かしているシーンが印象深かった。
物語の中で、老婆達が特に危機に瀕してもいないのに、慣習として捨てることに苦言を呈する場面がある。
村人にとっては、子を成す可能性がなく、食料を確保するという体で邪魔な存在を処分する意味合いもあったと推測できる。
年老いた人をどう社会で活用していくのかということは、現代日本にも通じる課題である。
村人を生き残るために、老婆を殺した。
老婆は生き残るために、村人を殺した。
熊は生き残るために、村人を殺した。
最後の結末は、誰しもが懸命に生き残るために行動した結果であったように思える。
姥捨て山の話?いいや…
熊害の話です。
姥捨て山の話という触れ込みだったので興味を惹かれて視聴。
最初の1人目のBBAのサバイバルスキルの高さにワクワクが止まらない。
1人目のBBAの心には村から下された「姥捨て」という扱いに納得が出来ずに復讐を心に誓う。
一度死んだ身として、拾った命にとって「納得は全てに優先する」のであって、
その決着をつけることが命の答えになっている。
水に映る汚れた顔を洗い、魚の骨を櫛にする。
ゴワゴワになった髪に櫛は通らず、どうしようもない部分で己の女としての矜持が折れて涙するシーンは、この物語が姥捨て山であり、女性であることのピークだった。
50人目のBBAは家族のため村のために信心深く覚悟を決めた。
思いがけない形で命が救われ、でんでら村の存在もこれから起こそうとしていることも立場的にはすぐには納得できない立場。
己の息子や孫がいる存続のために自己犠牲を納得した村。
その葛藤や抵抗はもっとあって良かった。
いざ、決行となってからはほぼ熊害の話。
成す術なく死んでいくBBAたち。
そして50人目のBBAの決断したクライマックス。
姥捨て山と熊害の着地点としてはまぁまぁでしたけど、途中の決意とは繋がらなかった。
総合すると生命力あふれるBBAのシュールさにワクワクしたり、チープな熊の着ぐるみに何とも言えない気持ちになったりするのを楽しめる。
物語としては一貫性が無く、もっと違う形のシナリオを見たかったという気持ち。
文字で読めばまた違うのかも。
マッド・ババァ~怒りの雪中行軍~(長文)
「タイトルに惹かれた」ただそれだけの理由で前知識全くなしで観ることにしました。プライムビデオ無料だし。
(あまりにもハマって後にDVDもヤフオクで買いましたよ…)
『ザザンボ』のように禍々しい物を見せられるのかな?とかの期待も含めて。ザザンボ観たことありませんけれど・汗
案の定、冒頭で陰鬱なアート系映像を見せられるのな…
うわぁ…これ絶対に途中で観るの止めるわ…の、はずだったの。冒頭15分は。
したら、なんだこれ!姥捨て山に続きがあったとかの話はいいの。そっち系はまだ和むの。
それでいいのよ、おじいちゃん、おばあちゃんたちのセカンド(?)ライフがあったっていいじゃん、幸せじゃん。そこ描いていればよいものを(笑)
なんでああなったし!
「何を見ているんだ、俺は?」ってなったね!俺は!
『マッドババァ~怒りの雪中行軍~』とか『狂い咲きババァ軍団vs残虐人食い熊』ってタイトルにしておけば、伝説のカルトムービーとしてもっと評価されたものを!よかないか!(笑)
わけわからんタイトルにするから、もう。
あっ、映画のレビューでしたよね( ̄▽ ̄;)デンデラー!
いやぁ、採点通りに本当に面白い作品だったです。
とにかくババァたちがかわいいの。
山野の旅のカットでの草笛光子さん演ずるメイちゃんに不覚にも萌えたの。
お下劣踊りを楽しむババァたちとかにも萌えたのよ、これが。
若かりし日々を追憶するババァたちのカットには悲喜こもごもの涙を流しそうになりました。
お話の筋道でそれぞれの主軸になるババァたちのキャラが立ってるの。みなさんとても素敵なの。
そして死んでいく…死んでいく…次々と死んでいく…デンデラー!
ババァやらせて殺ってしまうには、まだまだお若く美しい名女優さんたちばかりなのにね。
で、熊よ(笑)こいつよ(笑)困ったヤツだ。
こいつが出てきたおかげで、ダルビッシュのスライダーが如く物語があらぬ方向に行っちゃったのよ!(自分のレビューもたいがいそうやで…)
vs村人の復讐劇を観たかったのにね(笑)でも、これはこれでよかったか。結果オーライ。
熊さんをチープと笑うことは簡単だけれど、CG以外でアレどう撮れって言うのよ!
それはこの映画に相応しくないでしょ!ただ予算の関係かもね…きっとそうだ(笑)
でも頑張ってたじゃない!結構怖かったでしょ?ぬいぐるまー!私は怖かったです。
うーでが飛び出すばばーんばーん♪あーしが飛び出すばばーんばーん♪デンデラー!
欲を言えば、もっと弾けたスプラッター描写があってもよかったのでは?とも思いましたね。
そちに極振りしてもよかったかも。←なんかちがう…
そしてラストの対決では一矢報いてほしかったなぁ。
あそこであっさり観念して殺られちゃうのは、付き合って観てきた身としてはつらいのよ。
頑張ってよ、浅丘ルリ子さん。応援してたんだから。
ここまでぶっ飛んだの作ってるんですから。デンデラー!
さてはてこの映画どこにカテゴライズすればよい作品なのだろうか?
ドラマ?ちがうな…アクション?これもちょっとちがう…ホラー?ちょっと刺さった。
カルトだよ!カルト!それだよ!デンデラー!
これでいいでしょ?
皆さん的にはいかがだったでしょうか?
さぁ!ご一緒に!デンデラー!
できれば別ルートのvs村人ver.も作ってほしいなぁ。『デンデラ The Final』みたいに←ありえん!
おばあちゃん
予告編見て、感動系かな?と思ったけど、主人公たちはより泥臭くストロングスタイルな中身だった。厳しい自然を耐え忍ぶというよりは、捨てられた者たち同士が集って復讐を企てるけどそれが自然によってことごとく潰されるというお話。
動作がよぼよぼで作中では木や草のようと老いた自分を揶揄する老婆達だけど、喜怒哀楽が豊かで、俗物的なものも好む姿はお綺麗なというより生々しい生命力を感じて、見てて生きる力をもらえる。
魚の骨の櫛も水面を鏡にして顔を洗う姿にも哀れというよりは、どんなどん底にいても娯楽を楽しむ人としての精神や喜びを感じる。
途中から熊が出てきて、ああ~話も食われるかなと思ったらやっぱり持っていかれたので少し残念。
原作通りとはいえ、映画は映画の世界として復讐を果たすか、村壊滅とはいかず逆襲され踏み潰されるかぐらいまで吹っ切れたラストが見たい期待があった。
女性の生命力
正直もっと違う展開を期待していた。
最初は面白く村の女性の生命力と団結力に感心していたのに熊が出て来てからがっかり。
もっと知恵やアイディアがあるだろうに…と残念だった。
ベテラン女優さんの迫力と演技力はさすがでした。
対クマじゃなくて
主役浅丘ルリ子の、すぐには馴染めない感じ良し、
捨てられた老女たちのモチベーション良し、
なのに、あれ?途中から、あれ?
違う、こんなはずじゃ…。
浅丘が来てからは災難ばかりで、何一つ話が進まず、
浅丘が来る前も、ずっと雪の中。映像的に重苦しい。
演出も、台詞の訛りとかもっと徹底させて欲しい。
といっても名だたる大女優ばかりだから仕方ないのか。
「姨捨」て信州じゃないのか?信州であの訛りもおかしいが。
テーマ選びは良かっただけに、
残念でならない作品。
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自宅にて鑑賞。父今村昌平の『楢山節考('83)』の後日談を長男天願大介が脚本・監督した作品。社会性と自然の厳しさをドラマチックに描くロケーション抜群の画面は美しく切取られている。女優陣も流石の演技。アップの画像が多い熊も着ぐるみが気にならない程度、頑張っていた。浅丘ルリ子演じる“斎藤カユ”があっさり敗北を認めるラストはアッケラッカンとした潔さと共に多少の物足りなさも残ってしまう。ただ土臭い美しい画面とベテラン女優達のナチュラル老メイクや迫力と説得力のある演技の数々は一見の価値有り。75/100点。
・佐藤友哉の原作は未読だが、タイトルの“デンデラ”とは遠野地方(岩手)で「墓」を指す方言から来ていると思われる。
・鑑賞日:2012年4月28日(土)
恐るべしばばあの生命力
口減らしのため70になると山に捨てられる村で捨てられたばばあが山で必死に生きる話
打倒村の奴らが気付いたらVS熊になってて
かと思いきや最後は熊が村人を殺してくれた
自分の子供たちを殺すなんて、って思ったけど
シンプルに自分のお婆ちゃんを山に捨てるなんて出来るわけない
けど生きていくのがやっとの時代、暮らしには必要なしきたりだということを痛感した
どうなるどうなると最後まで観られて面白い映画でした。 クマの占める...
どうなるどうなると最後まで観られて面白い映画でした。
クマの占める割合が大きすぎて、打倒クマがメインのモンスターパニックものみたいになってしまった。
弓以外たいして殺傷能力があるとは思えない武器で勇敢に立ち向かう婆さんたち。自らを囮にして罠に閉じ込めたりとか凄いけれど、こういうの期待して観る人はあんまりいないんじゃないのかと思う。もっと人間模様を描いて欲しかった。
序盤のデンデラができる前の回想シーン、火を起こして「死んで・・たまるか・・」って言うところとか最高!と思ったけれど。血が出るようになってから話が展開しなくなった。
村襲撃の復讐をクマと雪崩に阻まれて、そこからどうなるのかというとまたクマ。
クマを使って復讐を果たすというオチ。
最後の最後までクマ。
こんな内容だったとは…
おばあちゃんvs熊
暗闇の中でおばあちゃんが熊に食い殺されるのがちょっと怖かったです…
想像していた内容と違ったので、始めはナニコレ!?!?と思いましたが、これはこれでおもしろいのかもしれないです。
あんまりオススメする気にはならないですが…
老人戦隊死にたくないんジャー!
姥捨て山のその後という設定はとても興味深いです。しかしながら、そのごのくまちゃんの登場からやや集中力を欠きました。中盤がピークの印象です。
でも、なかなかない絵面で面白いです。
まさに怪演!
婆様達が大勢出てきてサバイバルっていう凄い作品。
もちろん、名女優が大勢出ておりますが、男はほんの一瞬しか
出てきません。
今の世の中年寄りは元気だし、草食系男子に対して肉食系女子の方が
目立つ世の中を反映した作品だとともいえる。
ただ、クマと正面切って戦うのはあり得あないんじゃないかなぁ・・。
もう少し知恵絞りましょう。
雪山対決ホラー。
今思えばこのタイトルこそ「怪奇」の部類に入ったんだろうが^^;
いや~なんていえばいいのか、このホラー。。
劇場はお年寄り(あるいは予備軍)でごった返し、ほぼ満席。
そこで繰り広げられるこの…酷い描写をどう理解すればいいのか。
皆さん…放心状態で席を立たれてましたよ。いやはやまさか…^^;
今作を「楢山節考」の続編(ぽいですが)と思って観る人がほとんど、
しかも監督・脚本が息子とくればね~。そりゃ期待しちゃうでしょう。
カンヌでパルムドールをとった作品でしたもんね。帰国した婆様役の
坂本スミ子は違う意味で世間を賑わしましたけどね…(やだ懐かしい)
あぁしかし。。期待すればするほど苦い思いをしますからね、ご用心。
姥捨て山のその後。を描いた本作。
口減らしのために70歳で捨てられたカユ(ルリ子)が目を覚ますと、
何とそこには捨てられた婆様軍団が築いた「デンデラ」という村が。
100歳のメイ(光子)を筆頭に、皆元気に肉体労働をしている。エェ!?
あまりの光景にはじめはたじろぐカユだが、やがてここで生きることの
意義を見出し、さらにはメイの夢・村への復讐に加担することになる。
集団が50人を超え、やっと決起する日が来たと喜ぶメイらの村に、
凶暴なクマ(まさにグリズリー)が襲いかかってくる。彼女らの運命は…
あとはもう、想像するか観るかにしてください^^;
どちらにしましても完全にホラー化していきます。
あまりの酷さにコレ、ちょっとコントになってない!?なんて思うほど。
何を描きたかったんでしょうかね…天顔監督。原作もこうなのかしら。
劇場…皆さん凍りついて、静まり返っちゃいました。
それから終わるまでが長いこと長いこと!エンドの声で一気に皆さん
立ち上がり、クマ退治!!…じゃなくてトイレに向かわれてましたよ。
始まる間際に入ってきた隣のおばさま、何か私に言いたげだったので
顔を向けると、「これね、皆さんにお薦めしようと思って、私が一番に
観に来たのよ~。でもこれじゃあね~どうしよう~」お察しします…^^;
ある意味、女を捨てて(表面上ね)雪山で頑張った有名女優陣の皆さま
におかれましては、たいへん観応えある婆様ぶりでしたが。。
う~ん…あのポスターが総てですかね。あれで十分ホラーですからね~。
(グリズリー(着ぐるみですけど)が好きな方にはお薦め。かなりしつこい!)
着想は面白いが、まさかモンスター映画とは…
死んだはずの婆様たちが、誰にも知られず集落を作って生き延びていたという発想が面白い。
村の掟とはいえ、生への執着を捨てていない婆様たち。その掟を作った男たちは仲間に入れず、お参り場に捨て置くという設定もなかなかシリアスだ。
隠れ集落における彼女らの生活を追い、いろいろな苦難を乗り切る映画かと思いきや、自分らを捨てた村に復讐するため決起するという。デンデラの長である100歳のメイ(草笛光子)が主導する決起組と、決起に反対して“意気地なし”と呼ばれるマサリ(倍賞美津子)のダブルMitsukoの対決に主人公が巻き込まれるのかと思えば、ここもサラッとしたものだ。
では、この映画はいったい何?と観ていると、とんでもない展開になる。76年の「グリズリー」を連想させる化け物クマが登場し、婆様たちが次から次へと倒されていく。逞しく生き延びてきた婆様たちの生き様を描く映画じゃないのけ!?
そう思い込んだアンタが悪いと言われればそれまでだが、もう少し作りようがあったんじゃないの?
往年の人気女優達がシワシワの顔で、薄汚れた端切れを羽織った役に臨んだ勇気は評価できる。
もっとも、これだけの顔ぶれが揃ったなら、声が掛からなかった女優のほうがガッカリだろう。
山本陽子のファンだが、この映画では弓の達人キュウ役の山口美也子がカッコイイ。
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