「ボロをまとったマリリン・モンロー」はやぶさ 遥かなる帰還 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
ボロをまとったマリリン・モンロー
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映画「はやぶさ 遥かなる帰還」(瀧本智行監督)から。
小惑星探査機「はやぶさ」打ち上げ直前に訪れた「NASA」の関係者が、
宇宙のはるか彼方へと送り出す「追跡管制室」をこう例えた。
「ここはボロをまとったマリリン・モンローだ」と。
NASAの管制室と比べると、月とスッポンほどの差があるが、
大切なのは、ロケットの完成度であり、スタッフの技術力だと、
皮肉ながらも、私は彼らの「嫉妬」とも受け止めることができた。
要は「外見ではなく、中身だ」・・そう言う意味で使われたと思う。
下町の工場は、小説「下町ロケット」(池井戸純著)を彷彿させるし、
宇宙のトラブルは映画「アポロ13」(ロン・ハワード監督)を思い出した。
しかし本当の意味の「ボロをまとったマリリン・モンロー」は、
管制室ではなく、小惑星探査機「はやぶさ」ではないだろうか。
宇宙を旅している時の姿は美しいし、度重なるトラブル・アクシデントも
多くの人の協力で、なんとか乗り切っていく。
最後は、美しい地球の姿を撮影して、大気圏で燃え尽きちゃったけれど、
波瀾万丈の人生を送って燃え尽きた「マリリン・モンロー」に例えても、
けっして誇大な表現ではない快挙には違いないのだから。
「燃え尽きたか・・」の関係者の台詞に、辻井伸行さんの音楽が重なり、
「はやぶさ」に感情移入して、涙腺が緩んだ私がいた。
この作品の主役は、やっぱり「はやぶさ」だな、
人間の私からみても、この小惑星探査機はカッコ良かったから。
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