「CG嫌いな人はダメでしょう」三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
CG嫌いな人はダメでしょう
ピタゴラスイッチが素晴らしいのは、とてつもない時間と労力をかけた偶然と必然の積み重ねだからだ。
いわば、転がるボールはスタントマンで、女優で、ヒーローでもある。
近年、よく見かけるCG塗りたくり映画の典型で、映画としては良く出来ているのだろう。事実、好意的なレヴューを散見する。
だが、そこから先、この映画に愛着も、驚きも、発見も無い。
一番ダメなのは、命の重みがまるで感じられないこと。
画面を通しても、痛みとか、苦しみ、絶望の類はいっさい描かれない。
おそらく命を落としているであろう登場人物たちも、時代劇の斬られ役さながら、様式美を演じているだけにしか映らない。
剣術を駆使して戦う主人公たちの、身体を張ったアクションは見どころがあった。
それだけに、飛行船とか、隠し部屋の出現するギミックとか、付け足しの要素に過ぎないモノに力を使いすぎていることが残念でならない。
そこを、まるでこの映画の「売り」のように謳ってあるのがいただけない。
この程度の映画なら、日本でも作れるし、まあヒットはしない。
「続編を期待しててね」って言いたいのかな。ラストはかなり興醒めだった。
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