ブルーバレンタインのレビュー・感想・評価
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間違いなく18歳未満(だと思う人)禁止
オンナの人は彼との関係でダメだと思ったら
「もうダメ」
と言う生き物で、
オトコの人は、ダメだと思ったら
「変われるから」
と言う生き物
というんを実生活だけでなく、映画でも教わってしまった。
そんな二人の出会ったころの美しさ、はかなさはエンドロールの映像のごとくである。思い出だけがきらびやか。
愛犬が行方不明になってから、二人の決定的な結論に達するまでたったの1日しかたっていない。
しかし数多くの回想の中で二人がずれていった僅かな違いをさりげなく見せて、その1日が最後のボタンの掛け違いに気づかせる1日となる。
主人公男女のキャラ設定がオクサンのほうが、かなり具体的である一方、ダンナのほうは、ほとんど彼自身がセリフで語った程度の設定しか見せない。
オクサンの設定は、エリート大学付属女子高校生って、「はいはい、こんな感じ、こんな感じ」と共感してしまったけどね。
ダンナの設定が抽象的なのは、これはオレの推測だけれども、最後の「1日」を迎えたオトコの取る行動は案外みんなああなのでは、という作り手の意図なのかも。
既に「終わっていること」に納得するのはとっても無理なんだけど、それでも大事な話を2人でしたい、というときはさすがにラブホテルはまずいよな。
でもオトコって悲しいかな、そういう「ノリ」というか「感覚」なんだよ。
「(500)日のサマー」で
「浮かれてんじゃねえ、テクを磨け」
とレビューしたが、アレを観て直後にコレを観ると、18歳未満の人はさすがに
「じゃあ、オトコって何をしたらいいんだよっ」
と泣いてしまう人もいるかもしれないので、観ないほうがいい。
かといって、「普通じゃん、こんなの」と言ってしまうのも、オトコとしても、映画を楽しむスタンスとしても、果たしてどうかとも思うけどな。
巧みな編集と、主役2人の役作りだけでおなかいっぱい。
さらに映画を鑑賞したあと、映画について語るのが大好きな人にとってはこれ以上の映画は無いんじゃない?
これ以上書くと、恋愛マスターかよ、と知人に今度こそ笑われるので、この辺で。
タイトルなし(ネタバレ)
まぁ、多くの場合、女性の方はこんな事はないと思うよ。
この話を単純に純愛といて、見るのはそれはそれで良いのかもしれないが、妊娠させてしまった無責任な男の贖罪はどう裁かれるのだ。
子供ができてしまった夫婦には恋愛などないと自覚させてくれるのなら、このストーリーも共感できるが。
つまり、他人の子供を育てる男のとる態度ではないし、少なくともそれを分かっていない事を描いていると思う。表には出していないが、時間経過後の男にはTATTOOがふえていると感じる。
勿論、女性の選んだ選択は間違っていない。如何なる場合でも暴力を振るう男は駄目だ。
「プー太郎の虎さん」って事さ。海外では
「三行半は女の権利」海外では本当に「男はつらいよ」
とにかく、避妊は大事。
離婚の結末が分かってるからこそ、過去のラブラブシーンは心を抉られる
キラキラした明るい現在パートと、ジメジメした暗い過去パートを交互に展開していく今まで見たことないタイプの映画だった。恋愛映画と失恋映画をいっぺんに2本見た感じ。
離婚の結末が分かってるからこそ、過去のラブラブシーンは心を抉られる。安いラブホでちょっとは距離が縮まってマシになるかと思いきや、うまくいかないのが辛い。ディーンに肌を触れられる度に、シンディが本気で嫌な顔するので「もう完全に愛は無いんだな」と察した。
また、朝から仕事を飲まないでというシンディに対し、「朝8時から飲める仕事」と返すディーンを見て2人の価値観が全く違うことも分かる。
ディーンに感情移入したら可哀想だった。自分の子じゃないフランキーにたっぷり愛情注ぐディーン凄いわ。シンディがボビーの子を妊娠したのを知った時点で別れることもできたのに、結婚するの尊敬する。自分じゃ真似できない、他の男の妊娠を知った段階で別れを告げると思う。
娘に優しくて、稼ぎは悪いかもだけど仕事もそこそこするディーン。良い夫だとおもんだけど、何でシンディは冷めちゃったんだろう。結婚経験ないからシンディの気持ちがよく分からん。この辺は女性だったら分かるのかしら?
【愛し合った二人の男女の出会いから結婚、破局までを描く痛切ストーリー。ミシェル・ウィリアムズとライアン・ゴズリングの魅力満載作品。特にミシェル・ウィリアムズ。原因は全て根源的に男にあるのである。】
■結婚7年目、資格を取得して忙しく働く妻シンディ(ミシェル・ウィリアムズ)と、朝から酒を飲む夫・ディーン。(ライアン・ゴズリング)
互いに不満を抱えてはいるが、それを口に出せば平和が壊れてしまうことも知っている。
かつて夢と希望にあふれていたふたりの過去と現在を交錯させながら、愛の変遷を描いた作品。
◆感想
・如何に愛し合っていても夫婦の何気ない諍いの溝は深くなっていく。それをお互い自覚しつつ、直接的に相手に言えない(言ってはいけない)状態・・。
ー うわわわ、数年前の我が家と同じじゃん!-
・今作が、観ていて非常に共感できるとともに、キツイのは結婚している男女、もしくはその前の段階の男女に覚えがあるシーンが満載だからである。
・愛を交わした筈の男女にも音もなく訪れる隙間風。今作は、そのような状況をミシェル・ウィリアムズが体当たりの演技で魅せてくれるのである。
<だが、私は断言する。
そのような隙間風を起こすのは全て男の所業なのである。朝から酒を呑んでいる男に、妻が心を許す筈はない!(と書きながら、物凄く反省。勿論朝から酒は飲みませんが、夜は尋常でない量(と言われた)の酒を呑む。)
世の離婚の原因は、ほぼ男の責任である。妻が浮気した?、それは夫である男に魅力がなくなったからであろう。
私は、フェミニストではないが(ちょっと、その傾向はある・・。)愛した女性を悲しませる男には絶対にならないぞ!と今作を観て大いに反省した次第である。
それにしても、ミシェル・ウィリアムズは魅力的で強き女性だなあ。故、ヒース・レジャーと「ブロークバック・マウンテン」で出会いながらも、彼の悲劇的な死(一般的には、”ジョーカー”の役柄に落とし込まれたと言われているが。)に立ち会いながらも。逞しく生きる姿。
今作はその様な背景を考えても、観るべき逸品であろう。>
恋は愛に、愛は…
とある夫婦の愛の始まりと終わり。
2人が出会ってから結婚するまでと別れる数日が、並行して交互に描かれる。
愛の「あ」の字も知らないような自分にはまだ早いかと思ってましたが、観れてとても良かった。
2人の立場はどちらもものすごく分かる。
だけど、登場人物誰も完全に共感できる人がいない。
あえて言うなら、親に振り回された罪なき娘が不遇なくらい。
途中まで、夫ディーンが1番まともなんじゃないかと思ってた。
男だからかな?それとも周りの男たちが揃いも揃ってクズばっかだったからかな?
妻シンディの昔の男、ボビーにはとにかく腹が立った。
映画の登場人物で久しぶりに殺意が湧いたよ。
紳士ならゴムつけろや、ボケ。
セックスに責任持てや、アホ。
ライゴズ殴んなや、クソ野郎。
こういう問題って近年日本でも山ほどあるだろう。
実際、ウチの親にもこの冷めた関係がふと現れる瞬間がたまにある。コワイ
将来の結婚についてたまに考える時、パートナーのことは一生愛し切ろうと思うけれど、これを観て結構自信をなくした。
だって、親みたいにはならないって言っていたシンディがそうなっちゃったんだから。
面倒臭くしんどい、冷め切った関係を終わらせるには離婚も一つの正解だとは思うけれど、やっぱり娘が可哀想。ワンちゃんも父ちゃんも失うなんて。
決して救いのある映画ではないけれど、色々学ぶところの多い映画でした。
↓以下余談
・ライゴズの変わり様がすごい。
眼鏡と髪型でこんなに印象変わるもんなんだね。
・ライゴズの歌声がすごい。
こんな歌声だったんだ。どことなく美輪明宏を感じる⁉︎
・ライゴズがプレゼントしたCDだけど、自作じゃないなら「俺と君だけの歌」じゃないよねw
・ライゴズ好き。以上。
ダメ男とは早く別れるべき
あまりのつまらなさにラース・フォン・トリアー監督かなと思ってたら違ってた(笑)。現在の倦怠期の夫婦の状況と、恋愛のときの幸福感に溢れた2人の対比は面白かったのであるが(ある人のレビューで、残酷と言う表現があったが、まさにぴったりの言葉だ)
、延々と夫婦喧嘩を見せられるのは面白くない、というか不愉快になってくる。半分位までで、こんな男とは早く別れたほうがいいと思っているのに、もどかしかった。
生き様に完璧はないから面白い
「完璧」スポーツの世界ではよく使われる言葉だが、人の生き様は複雑で不可解「完璧」がないから面白い。心底円満なんてあり得ない男女の関係を象徴的に捉えた辛口のラブストーリー。
夫ディーン( ライアン・ゴズリング)はバーテンダーでその日暮らしの自由人、いわば酔っ払い。妻シンディは向上心豊かで資格試験に挑む看護師だが、愛に飢え節度のない女性として描かれる。
路地の片隅でディーンのウクレレに乗って、照れながらも嬉しそうに踊るシンディの姿が象徴的だ。
痛い…とにかく悲しい
親が丁度離婚する前くらいに見た映画だったかなぁと思います。ミシェルウィリアムズ目当てで観ましたが、その時の印象は最悪。辛くて痛くて、母と父を見ているような、まさに同じような状況というか、私の父が優しい人なので、尚更なぜ母は父を捨てるのかと、もうリンクしすぎて、なんなんだと、全然意味わかんないし気持ちも理解できない、別れなくても良かったんじゃ?と後味の悪さに見終わったあと早く忘れたい、見なければ良かったと思いましたね。
だけど今になって色んな人に会って、少しだけ大人になって、思い返して見ると男女の考え方の違いって本当に身に染みて感じるし、もうダメだと思ったらダメなんですよね。(←まじこれです)1つでももうダメだ、耐えられないってなったらあとはもう奈落の底です。だから今思うと母の気持ちもシンディの気持ちも本当にちょっとだけ分かった気がします。
だからこの映画は、“男女”の違いというものを凄く感じられる映画だと思うし、色々考えさせられる映画ですね。映画が必ずしもハッピーエンドではないと
とっても現実を突きつけられた気分になります。
私はハッピーエンドが好きなので私的には耐えられない作品でした。2人の演技には圧巻でしたが。
ですがとっても印象に残った映画です。(いろんな意味で)大人な作品でした。
悲しい終わり
2人の出会いから終わりまでを描いた映画。
だめになってる現在と楽しかった過去を行ったり来たりするのだが、似たような状況を比べるようにシーンが入れ替わるのでより切なくなる。うまい。殴られた方が殴る方に、愛し合うシーンもなんでこうも違うか…と。
もう何をしても上手くいかないことってある。
しかし個人的にはディーンはシンディーにあそこまでなじられる程かと思ってしまった。病院に押しかけ部屋で言い合いになった場面。結局は止めに入った上司を殴ってしまうからディーンも当然悪いけど…
何でもするから(直すから?)言ってくれと泣きながらいう台詞があったが、ディーンは本当に分からないのだと思う。それくらい本当に今に満足してるんだ。妻と子供がいて、それなりに働くという生活に。それをポテンシャルがあるのに何故活かさないのか、というイラつきをぶつけられてもなぁ…
自分の子でないと分かって結婚して良き父としてやっているディーンの覚悟と優しさに贔屓してしまい、シンディーそこまで言うかね、そんなに拒絶しなくても…と。
でもこの感じも不満なのだろうな、彼女は。
どちらかに肩入れせずに観た方がよかったのは分かってるけど無理だった…
ラストシーンの去るライアンゴズリングの後ろ姿と追ってくる子供と花火がすごく印象的。
楽しい過去より、上手くいかない今のシーンがリアルで、悲しいけど見入ってしまった。
なぜ?
ディーンがかわいそう。
シンディは何が我慢できないの?
ディーンの酒?働かない?稼ぎが少ない?
最低だの限界だのウンザリだのと散々ひどい言葉を投げつけるが、その理由が描かれてないので消化不良…
ディーンは今もシンディと娘を愛してる。娘の懐きっぷりをみてもわかる。
なのになんであんなに拒否してる?
中絶しようと行った産院に付き添ってくれ、中絶をやめれば抱きしめてくれ、家族になろうと言ってくれた男。
そんな彼の子ではない娘を産み(本当に違う人の子なの?)、あれだけ嫌ってたはずの父を頼り、さっぱり理解できん…
勉強が好きで医学を志すほどの自分の現状を受け入れられないのか?
それにしても、全て受け入れて家族になろうと言ってくれた男の人をなぜあんなにひどく捨てることができるのだろう。。
描かれてないばかりに理解できないことが多すぎ、想像で補うにはあまりにも過去から現在が飛躍しすぎていて好きになれなかった。
始まりと終わり、という場面は美しいし、ライアン・ゴズリングは良かったと思うので2.5です。
リアルすぎるラブストーリー
つらいですね。
お互い、決定的にダメなところがあるわけではないんだけど…
夫の仕事に関しても妻の気持ちと合わないだけで、
家族のことは大事にしてるし。
自分の子どもでない子どもをしっかり愛情込めて育ててるし。
よく、浮気とか、DVとかあったりするけど、
きっと、そんなん無くて、お互い頑張ってるんだけど、
こういう、気持ちのスレ違いみたいなのが積み重なる、
お互い悪くないのに…ていうのがリアルなんだろうな。
最後、お互い泣きながら謝ってるところが、
そう言ってる気がする。
結婚へ向かう二人、離婚へ向かう二人、
この構成、すごい。
ホテルのシーンは、男からすると、怖すぎます。
古傷が開いて出血多量で死にそうです。
女は、成長していく愛が欲しかった。
男は、永遠に変わらない愛を求めた。
夫ディーン(ライアン・ゴズリング)は朝からお酒を飲んで仕事に行くタイプ、妻シンディ(ミシェル・ウィリアムズ)は必死に勉強して看護師の資格をとったりするキャリア志向。この夫婦の出会いから、破局までを描いています。
ほんと、愛が冷え切る瞬間が、リアルに描かれてますよ。
例えば、夫婦仲をどうにか修復しようと、「小さな娘を義父に預けて夫婦でラブホへ(取り敢えずエッチという発想が、既に駄目なんでしょうね)」という計画を、ディーンがたてます。
でも、ディーンがその気になってる時の、シンディが固く、固く、固く、握る拳の図。うわー。ちょとここ、怖すぎて吐きそうになりました。温度差、私も本気で気を付けたいです!
また、出会った頃のラブラブ状態と、現在の冷え切った夫婦仲が交差する構成で、なんとも言えない息苦しさです。ディーンが弾くウクレレでシンディが踊る神シーンの後に、現在の刺々しい関係がドーン!あのー、かなり、ダメージ受けるんですけど。夫婦喧嘩のシーンなんか、双方の気持ちが分かるだけに、鳩尾が痛くなりました。
もうね、駄目な時って、どんどん駄目な方向に加速して行くんですよねー。分かります。
ラスト、花火の下を去って行くディーンの背中を追う、幼い娘。弱った男が好きという性癖がある私としては、あのままディーンを行かせることができないかもなーと思ったりしました。てか、いくら頭が後退した駄目男でも、ライアン・ゴズリングですもの。追います(笑)
本作は古傷が疼くどころか、全開となります。
今、私、出血多量で死にそうです。
男と女ってそんなに違うものなのか
日常にありがちな、人間誰もが結婚すれば通る道的なものを見た気がする。何が悪いとかではなくて、何となく噛み合わなくてというのが一番やっかいでイライラするんだろうと思う。相手が自分の求めている相手像とそのままそっくり同じということもあり得ないし、相手の求めている自分になろうとするのも大変な努力がいるし。難しいね男と女は。友達と違うところって、相手に求めることの量の大きさだと思うね。付き合う、とか結婚するって互いに認めあったからにはそれぞれ相手に要求することが生じるわけで、なんとか互いに折り合いつけながらうまくやっていかなきゃ?なんだろうね。ずっと一緒にいたいなら。あー難しい。求めるものってやはり男女で差があるんだろうな。男はやっぱり女性の美しさだったり優しさだったり、女はもっと現実的で安定した収入だったり清潔かんだったり… こうみるとやはり男の方が気楽で羨ましいと思ってしまうのは私が女だからだろうか。そうやって男女が役割担ってぶつかりあいながらも未来に子孫を残していくんだろうなぁ 難しいなぁ
恋は錯覚か、永遠の恋は存在しないのか?
ディーンとシンディ夫婦は、ひとり娘のフランキーと3人暮らし。
結婚のいきさつを観るといかにも良い男(ディーン)と言う印象。
教養はなさそうだが、シンディのおなかの子供が自分の子供では
無いかもしれないと打ち明けられても、彼女を捨てることなく
プロポーズするのですから。それに感激し、この人といればきっと
ずーと幸せな毎日が望めると確信し夢中になるシンディ。
結婚後も変わることなく子供を愛し、妻も愛し一家を困らせるような出来事は見当たらない。
しかし私もシンディ同様失望した。なぜなら妻の前ならどんな格好でもいい(むさ苦しいTシャツによれよれのズボン)仕事は適当にし、家族を一番に考えていると自負するディーンの自己愛と身勝手さ、
見苦しい部分もすべてさらけ出せるのが夫婦と考えているのもおかしい、夫婦の会話の中でもそれは垣間見れる。(このままだと壊れてしまうと言う危機感がディーンにはまるでない)
シンディは勉強家で働き者で美人。しかし結婚してからの彼女はやつれた感あり。もっと自分の仕事や生活の向上を理解してくれる男のはずだったのに、(ここからはシンディの傲慢なところかもしれないけど)同じ方向をみて歩いて欲しい。
夫にも自分の才能を活かし、違った自分を見つけてほしい!婚後も活気ある男(人間)を望むのは女だけでしようか? それを職業として働けとは言わないけれど・・・。
結婚と言う形を叶えて、その時のままの愛情を注げば女は満足すると男は思っているようだけど、それは違います。
女の愛情の形は進化するのですよ。結婚年数、年齢その他もろもろで。
愛を取り戻したくて提案した安ホテル(妻だからどんなホテルでもいいと思うのはどうかな?)での一夜は虚しさと怒りだけで2人でいても孤独でしたね。
そして妻の病院にまで乗り込んで行くディーンは最低でした。
最後の話しあいの時、「どうすればいいんだ。教えてくれ」と必死にシンディに問いかけますが、あれは後の祭りと言うものです。
私この映画で宿命みたいなもの感じました。
どちらが悪いということではなく、本来男と女は違う生き物なのでしょう。だから謎であり魅かれ合う。
許しあったり、慰め合ったりできればいいのですが、夢(悪魔?)のささやきはやまない!
究極を求めなければ、続けて一生を添い遂げられる2人だとは思いますが・・・。
それにまた違う男と一緒になる事があつても、すべて満足という訳にはいきませんよね。きっと。
取りとめなく書きましたが、現在と過去を程良くリンクさせ、出会いからは破局まで丁寧に掘り下げ、
ふむふむうーんと唸らせてくれる映画で、男女の考え方の違いにほくそ笑んだり、共感したり、
怒ったりしながら最後まで楽しませて貰いました。
二人三脚
他人と他人が出会って家族になる。同じ季節を先の何十年“健やかなるときも病めるときも”ずっと一緒に生きていくことの素晴らしさ。それと同じくらいの大変さや難しさ。
本作は後者にとてもリアルにスポットライトを当てています。リアルさにより拍車をかけてたのはミシェル・ウィリアムズが“お母さん体型”に仕上げてきていたこと。体型だけでなくM・ウィリアムズが持つ色んな魅力を抑えての好演が素晴らしかったです。
【映画論評】にも書いてありましたが私もこの映画を観てすぐに“愛するというのはお互いを見つめることじゃなく一緒の方向を向いていることである”という言葉を思い出しました。
私の結婚願望の薄さはこういう風になってしまうことへの怖さというのも多少影響してたりするのでなんだか胸にチクチクくる物語でした。
愛がないのは嫌だけど愛だけでもやっていけない。
この夫婦は“若気の至り”というオプションもついていたけど、(妻の気持ちもわかるけどこれらがあるから彼女には共鳴はできない)“価値観の違い”なんて違う人間なんだから長く一緒にいれば誰にでも起こりうるすれ違いの種。
それが拗れると二人のように出会った頃の魅力だと思ってたことにいつの間にかイライラしてたり、ああして欲しいのに、なんでそうなの?と自分のことは棚に上げて相手の長所より短所ばかりに目がいったり、気持ちを押し付けてしまったり、同じ音楽が虚しく響いたり、あの頃とは違う意味で二人して泣いたり。
この二人もまだまだ歩み寄って自分たちだけの形を作れたように思うけど、それもこうやって遠くから見てるから言えることなのかも。他人からみたそれと当人達のそれは全然違う。
人と人が出会ったりくっついたり別れたり。ただそれだけのことなんだけど、ただそれだけの間にどれだけ縦にも横にも心が揺さぶられることか。二人に共感できなくてもこういう気持ちなら多くの人が痛いほどわかる。
好きな話ではないけれど誰もが「あー。。」ってなっちゃうような生易しいだけじゃないリアルな人間や愛の物語というのは貴重だと思いました。
愛の無常
オレから見れば、あんなに真っ直ぐ奥さんを愛して娘を可愛がっている立派な男にそれ以上求めるものなどないくらいだとしか思えないんだけど、それでも別れを告げられてしまうなんて無常としか言いようがない。
(追記20500920)
14年ぶりに見返す。当時も結婚していたけど子どもがおらずいつ離婚してもいいくらいの、投げやりな気持ちで暮らしていたのだけど今は子どもが二人いて、今や妻がいてくれることで救われている。なので当然離婚は絶対にしたくない。そのため、妻はオレを責めることがあってもオレからは妻を絶対に責めたりしない。何があっても飲み込む。
ディーンもシンディも互いを責める。ディーン、責めちゃダメだぞとその度に心が苦しくなる。娘はシンディの連れ子みたいなものだが、ディーンにとてもなついていて、ラスト「じゃあ競争だ」というと無邪気に走って行ってしまうのがつらい。うちの子どもも血縁がないのだけど、血縁とか本当に関係ない。仲良く暮らせれさえすれば、それに勝るものなんてない。
ディーンもシンディも、各々の気持ちがとてもよく分かるだけに本当につらい。
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