スリーデイズのレビュー・感想・評価
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ヘタレな教授が逞しくなる面白さ
毎作、タフなヒーローを演じてきたラッセル・クロウだが、本作では普通の民間人を演じる。 犯罪に手を染めたこともなければ、ちょっとした警察の尋問にもオドオドしてしまう。 そんな彼の職業は大学教授だ。一見、ひ弱いが頭脳明晰で思考が論理的だ。実はこの作品のミソはここにある。 色々な情報を引き出し、試行錯誤しながらも淡々と妻を脱走させる作戦を練る。 その様子が、部屋の壁一面に貼った市街地図にメモられていく。この経過が面白く、同時に映画は徐々にアクションの度合いを増していく。 いざ実行となると、これまでの計画と実際の行動が重なり、時間との勝負が見どころとなる。 追手には敏腕のナブルシ警部補をあて、緊張感は増すばかりだ。 追う者と追われる者、そのタイミングが絶妙で、互いの頭脳戦にも拍車が掛かる。素人ながら運も味方につけて順調だ。 ところが、一人息子ルークの受け取りミスによる時間浪費と、自宅の捜索で見つかる地図によって捜査の手が広がり形勢は逆転。 ラストは、仕込まれた伏線が一気に火花を散らす。 面白い。スクリーンで観ればよかった。
どう考えるか
どうもましゃです(^.^)今回は「クラッシュ」の監督ポールハギスの作品スリーデイズです。 観る前の予備知識を入れて鑑賞しました。殺人罪で捕まった妻を夫役のラッセルクロウが妻は無罪と信じて脱獄、そして逃亡する計画をするというお話。 その予備知識で観る前は派手なアクションありのその道のプロフェッショナルをチームに脱獄の話かと思いきや、正反対の静かで緻密な家族愛に満ちた作品でした。 この監督ポールハギスは家族愛を撮れば天下一品クラス、それに小さな演技を要求して確実に素晴らしいものを作る、本当に天才監督でしょう。 銃の使い方を知らない、暴力しない夫役をラッセルクロウに演じさせるのは、ランボーが中学生にかつあげされてるのと(少しオーバー)同じくらい。 しかし今回のラッセルクロウは非常に素晴らしく、こういう役も似合うなと思いました。でも個人的には「LAコンフィデンシャル」や「グラディエーター」の役どころが好きですが。 妻を信じ、息子も連れ脱獄、逃亡するのが本当に正しいのかは人それぞれの考え方があります。何が正義なのかをじっくり考えるのもありかと。 残念なのは後半出てくる刑事達が優秀(かなり短い時間で容疑車を見つけ出した)なのに妻の殺人をもっと詳しく調べる、そして・・・が出来たはずなのにと。しかしながら今回のポールハギス作品も家族愛たっぷりの最高傑作です。
逃避行というムチャを承知の御伽噺
法廷で妻の無実の証明が不可能だと解るや否や、「だったら脱獄するまでの事」と開き直る危うさは、在りし日の立川談志師匠が論じた“人間の業の肯定”に通ずる狂気を感じ、感慨深かった。
違法パスポートや拳銃、鍵etc.あらゆる手段を用いて牢抜けを目論む旦那の執念は、正義や真実なぞお構いなしに突き進む。
死を覚悟した無謀な了見は緻密でもあり、大胆でもある。
9.11以降、監視網がナーバスになってるアメリカじゃあ、そうやすやす脱出できるワケがない。
ムチャを承知とする御伽噺とも云える。
テーマの夫婦愛というより利己的すら思える逃避行の極みにもかかわらず、さほど嫌悪感を持たなかったのは、幼い愛息の存在に尽きるだろう。
一家団欒平和に暮らしたい願いのためなら、どんな危険に遭っても飛び込む度胸は、渦中の妻よりも無垢な子供を守るためだからこそ成立する理論なのかもしれない。
妻を正当化するべきなら、無実であることをもっと客にアピールしないと説得力は弱いなぁと後味の悪さにふと感じた。
しかし、あの中途半端な幸せを匂わすサゲが、逆に世界観にリアリティを加える効果だったとも思える。
元ネタはフランス映画で、元祖はもっとドライな切り口ではと察するが、危機的状況に追い込まれる毎に、ワイルドな狂気を加速させて、本性をさらけ出すラッセル・クロウの表情は純粋に素晴らしい。
彼のリアクション芸が、今作の個性に直結しているので、観て損は無い映画やと思う。
最後に短歌を一首
『愛信じ 網を破りて 越える檻 長旅目指し 取り戻す鍵』
by全竜
頭のいいサスペンス
主人公がインテリだと表現のハードルが高くなるものだが、この映画はその高さを楽々と乗り越えてびっくりさせられた。ここ数年見たサスペンスで一番面白かった。素晴らしかった。プリウスなど小道具がとても活きていた。
長すぎる完全犯罪。
まず、R・クロウが大学教授に見えない(戦場帰りの傭兵ならともかく^^;)
最愛の妻子と幸せだった家族生活が、妻の突然の逮捕を皮切りに一変、
妻の無実を信じ、冤罪を晴らそうと奔走するもむなしく(弁護士も頼りない)
ついに実刑が確定する。獄中の妻がだんだんと気力が弱って…自殺未遂、
あくまで妻は無実だと信じ続ける夫は、無謀にも脱獄を計画し始める…。
フランス(なら絶対作るよね)映画のリメイク、内容はほぼ完全コピーだが、
P・ハギスがこれでもかの余技を入れ込んで、随分と長い作品に仕上げた。
あらすじだけでも十分面白そうな企画を、社会派の彼が作るとこうなる?
ということなのだろうが、とにかく、長い!(汗)サスペンスアクションで
あまりに長いと、かなり疲れるのが常なんだけど、この監督は何時も長い。
ムダ、とはいわないがしつこく同じシーンを繰り返されると兎に角飽きる。
「96時間」のように、とはいわないが是非次回は100分くらいの尺で観たい。
で、傭兵じゃなかった、教授のクロウ、ほぼ全編、彼が独演状態で頑張る。
妻のためなら何でもやるぞ!の如く、ホントに何でもやってしまうから凄い。
完全犯罪(脱獄)を狙うので、とにかく頭を使う。ネットでバンプキーの術を
学ぶところなんて、すごく面白い!(あ、すいません)バレそうになりヤバい!
と思ったらあの手この手、この辺の下りはしつこいほど長いが^^;楽しめる。
ただ強盗はどうなんだろう…あそこまでやると、やっぱ傭兵だろ!?となる。
肉体派に頭脳派の役を背負わせるとやっぱりこうなる。の一例みたいな。
しかし冒頭から、いかにも妻はキレやすい性格だ。というのを見せといて、
上司殺しの罪で逮捕、証拠は全て揃っている。となれば、あーこの人なら
やりかねないよねぇ…と思ってしまうところが人間っていうのはホント怖い。
運というか間というか、が悪かっただけなのに、それを証明できる人間が
どこにもいないのだ。こうやって冤罪が生まれるんだろうか…にしても、、
警察!どこを調べてんだよ!としか思えない単純な推理が後半に露呈され
しかも流れる…。あんまりだ。こういうリアルさがこの監督の十八番だわね。
妻はもう諦めかけていて、それよりも子供のことが心配でたまらない、
夫は妻を脱獄させ、家族三人でどっかで幸せに暮らすことを夢見て、
子供は母親のことを恨み恨んで口も利かない。が、実は恋しくてたまらない。
なんでこの家族がこんな目に…??
と思うんだけれど、こんな誤認逮捕が起きている現実に背筋が寒くなる。
クロウの父親、悪役が多かったB・デネヒーが泣かせる演技を披露している。
家族思いであることは家系だったんだな。。
(コートに見覚えのない血痕がついていても、焦らず!騒がず!洗い落とさず!)
脱獄させる、そこまでやるか~。
ラッセル・クロウには、「グラディエーター」などの影響から、強い男のイメージがある。
でも、この作品では、一般市民の男性を、とてもリアルに良く演じておられたと思う。
インターネットを利用しての、様々な道具や資料の収集などは、私達が日常的にしていること。
それにしても、鍵の開け方などまで調べられるとは・・・、何だか怖い。
アブナイ方との付き合いで、本当に危なくなったり。
無条件に、妻を信じ、愛し、家族を守るため、闘うジョン。
無条件に、息子を信じる両親。
お父さん、お母さん、あなた達の愛は、やっぱり本物ですね。
どちらもとってもステキ。
後半、妻を脱獄させるべく、綿密に、緻密に、考えられた計画には、舌を巻く。
そうか~。
あれがこうなって、それがそうきて・・・。
なるほど~。
すごい計画です。
そんな考えに考えられた計画も、思い通りには進まない。
そこが良い!
それにしても、警察の捜査が、ズサン過ぎやしないかね~。
周到な準備が勝利を招く
ある局面で選択肢がひとつしかなければ相手に読まれやすい。 複数の選択肢があれば相手は迷う。 かといって選択肢が多ければいいというものでもない。 選択肢の中からその局面での最適解を選ばなければならない。 ジョンは多くの局面を想定していたから、予定した局面にならなくてもその場その場で最適解を実行することができたのだろう。 次はどんな手をみせてくれるのか、ハラハラドキドキワクワク。 でも人間は欲が深いものでハラハラドキドキワクワクが満足すると、心を揺さぶる感動が欲しくなる。 映画とは人間の業である。立川流みたい。
男は勇気と決断なんだぜ!
殺人罪で収監されている妻を奪還(←つまり、脱獄だよね)し、そのまま逃走するために大胆かつ緻密な計画を立てて実行するラッセルの迫力が見どころです。 そりゃもう、いくつもいくつも「戻れない橋」を渡って向こう側へと進んでいくわけなのだが、彼をそういう行動へと突き動かす原動力は「愛する家族と一緒に暮らしたい」との思いのみ。 ド直進男です。 映画後半は、逃げるラッセルと追う刑事との知恵比べ(アクションつき)。最後まで緊張感を保ったままハラハラさせられっぱなし。見終わって最初に出てきた言葉はコレでした。 ↓ 「うっひゃああああ、おもろかったあああ!」 あー楽しかった。
“切羽詰まったラッセル”はいかが?
飛行機のなかで観ました。 『グラディエーター』以来の“切羽詰まったラッセル・クロウ”を堪能☆ 追い込まれた時に発揮する底力を演じさせたら、ラッセルが一番じゃないでしょうか? 大学で教鞭をとるジョン・ブレナン(ラッセル・クロウ)の妻ララが、ある日突然殺人罪で逮捕され 刑期3年を言い渡される。 以降、ブレナンは妻の無実を証明するために奔走するが、彼らの上告が棄却されると、妻の脱獄を計画する(作品情報より抜粋)。 主人公・ジョンを演じた ラッセル・クロウ。 確実にオジサンになってますが、良い味だしてる・妻思いの家族を大切にする夫を 熱演。 『グラディ…』の時のように“英雄”ではなく、どこにでもいる 一人の男性がすごいことを仕出かそうとする部分に(一般人として)共感を覚えたり、応援したくなったり、引きとめたくなったり、自分に置き換えて見られる内容で ラッセルの演技に いっしょに手に汗握りました。 殺人罪で逮捕された妻・ララを演じた エリザベス・バンクス。 すっぴん体当たり演技、彼女も良かったです。 投獄され心が壊れていく ララを、控え目ながら しっかり演じていました。 『スパイダーマン・シリーズ』で 誰かの秘書役?を演じているそうですが(わたしは)記憶に薄いです。。。 個人的に注目したのが ジョンの父ちゃんを演じた ブライアン・デネヒー。 渋い演技が 光ってました☆ 泣けました(涙) あ、リアム・ニーセンもちょい役で華を添えてましたよ。 フランス映画のリメイクらしいので、聞いたことがあるようなストーリーかもしれませんがラッセルが頑張っている姿はお勧めできます。作品評価は4.0ですが、「2回は観ない、かな。。」という点で、‐0.5にしました。
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