シャレード(1963)

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説・あらすじ

「雨に唄えば」(1953)の巨匠スタンリー・ドーネン監督が、オードリー・ヘプバーンを主演に描くコミカルなミステリー。レジーナは友人とのスキー旅行の途中で離婚を決意するが、帰宅すると夫は死んでいた。さらに、夫が戦時中に3人の男と軍資金を横領したあげく、仲間をだましていた事実が発覚する。3人から脅迫を受けるはめになったレジーナは、旅行で知り合ったピーターに助けを求めるが……。

1963年製作/113分/G/アメリカ
原題または英題:Charade
劇場公開日:1963年12月21日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第36回 アカデミー賞(1964年)

ノミネート

主題歌賞

第21回 ゴールデングローブ賞(1964年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) ケイリー・グラント
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) オードリー・ヘプバーン
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映画レビュー

4.0オードリーが珍しく相手役を口説く理由

2020年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

列車から投げ落とされた男の血だらけの顔がアップになった直後に、スキー場のテラスで優雅に食事するマダムに銃口が向けられる。でも、それは水鉄砲だったという巧いオチから始まる、25万ドルをめぐる騙し合い。その間、未亡人のレジーナは謎の紳士、ピーターの素性を疑いながら、次第に惹かれていく。製作から60年近くが過ぎてもなお、ロマンチック・サスペンスの秀作として、また、オードリー・ヘプバーンの代表作の一つに数えられる作品だ。でも、本作の場合、オードリー扮するヒロイン、レジーナと相手役の関係が他と少し異なる。ピーターがレジーナを口説くのではなく、どちらかと言うと、否、露骨にレジーナの方から積極的に誘いをかけるのだ。それには裏があって、撮影当時58歳だったピーター役のケーリー・グラントが、33歳のオードリーにアタックする(オリジナルの脚本)ことに難色を示し、逆モーション・バージョンにリライトされたのだった。こうして、本作はオードリーが珍しく男性に対して積極的な作品として記憶に刻まれることに。オードリーとグラントはこれで意気投合し、再共演を模索するが、遂に叶わなかった。ハリウッド黄金期の最後を飾ったトップスター同士の顔合わせは、もしかして1度きりだからこそ色褪せないのかもしれない。

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清藤秀人

3.5映画終活シリーズ

2025年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

癒される

1963年度作品
なんとヘプバーン、ケーリー・グラント、ウォルター・マッソー、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディとオスカースターの夢の共演(ずっと主演を張ったケーリー・グラントだけ受賞できずですが…)
内容はコミカルでおちゃらけ
そこがまた、ヘプバーンが似合う

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あきちゃん

4.0オードリーの魅力と、上質なミステリーの融合

2025年3月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

幸せ

【イントロダクション】
〈シャレード〉謎解きゲーム。
オードリー・ヘプバーン、ケイリー・グラント主演のコメディ・スリラー。夫を亡くした若妻の前に、夫の遺した金を狙うワケアリの男達が現れる。
監督は『雨に唄えば』(1952)のスタンリー・ドーネン。脚本は『サブウェイ・パニック』(1974)のピーター・ストーン。

【ストーリー】
パリに向かう列車から1人の男性が突き落とされ殺害される。
時を同じくして、かつての職場の友人親子とのスキー旅行先で、富豪の夫との離婚に悩むレジーナ・ランパート(オードリー・ヘプバーン)。お金はあるが、秘密だらけで愛のない結婚生活にウンザリしていた彼女の前に、ピーター・ジョシュア(ケイリー・グラント)と名乗る男性が現れ、連絡先を交換する。

旅行からパリの自宅へ帰宅すると、家財道具の一切が無くなり、もぬけの殻となっていた。そこへ、グランピエール警部が現れ、彼女に事情聴取を求める。
警察署で警部から聞かされた話では、夫チャールズは家財道具の全てを競売に掛け、25万ドルの大金を手に、国外逃亡を企てていた。しかし、何者かに列車から突き落とされ、殺害されたのだという。遺留品のバッグには、4冊の偽造パスポートや手帳、櫛、万年筆、身投函のレジーナへの手紙が入っていた。
途方に暮れるレジーナの前に、旅行先で知り合ったピーターが現れ、チャールズの死を新聞で知り、協力させてほしいと申し出る。

チャールズの葬儀は寂しいもので、自分や友人のシルヴィ以外は、レジーナの様子を見に来た警部しか参列者が居なかった。しかし、突如ハゲた小柄な男ギデオン(ネッド・グラス)、痩せ身の大男テックス(ジェームズ・コバーン)、右手が義手の横柄な男ハーマン(ジョージ・ケネディ)が立て続けに現れ、それぞれ柩を確認していく。

レジーナはアメリカ大使館のバーソロミュー(ウォルター・マッソー)から呼び出され、夫の正体が“チャールズ・ボス”という男だと知らされる。彼は、第二次大戦中にCIAの前身である戦略情報局に所属しており、対ドイツ戦に従事していた。彼は、葬儀を訪れた男達と共に25万ドル相当の金塊を盗まれたと偽装して地中に埋め、終戦後に山分けする約束をした。しかし、チャールズは仲間を裏切って金塊を独り占めし、その金で裕福な生活を送っていたのだ。

真相を知ったレジーナの前に、彼女が金の在処を知っているに違いないと考えた3人の男達が次々と現れ、「金を寄越せ」と脅迫してくる。ピーターはレジーナを守る素振りを見せる。しかし、彼もまた3人と旧知の仲であり、共謀して金の在処を探っていたのだった…。

【感想】
オードリー・ヘプバーンのファンなので、彼女目当てに鑑賞。撮影当時30代前半のオードリーだが、年齢を重ねた事による大人の女性の魅力と、まるで10代の少女かのような若々しさと瑞々しさ、その両方を兼ね備えた演技は圧倒的。ジャケットにある白いコートにスカーフ姿をはじめ、数々のファッションに身を包む姿が非常にオシャレで美しい。

金の在処を巡る謎解きや、二転三転するストーリーは、最後まで真相を掴ませず面白い。
誰一人として信用ならない金を狙う男達、ピーターの正体が二転三転するストーリー、ダブルミーニングで交わされるウィットに富んだ台詞と、オシャレで子気味良く展開される脚本が心地良い。中盤、ピーターとレジーナが互いを疑いながらも付いたり離れたりするロマンス部分には若干の中弛みが感じられたが、真相が判明していくクライマックスの盛り上がりは素晴らしかった。また、クライマックスから意外性のある粋なラストまではヒッチコック作品のような空気も感じられた。

金の在処が“貴重な切手”という仕掛けは抜群にオシャレ。テックスとピーターが切手の交換市でそれに気付く瞬間の、数々の切手を捉えたショットもキマっている。
てっきり、夫の遺した手紙にあった“歯医者の予定を変更”という記述が、夫婦間でしか伝わらない暗号なのではないか?とか、レジーナが全ての黒幕で、最終的に男達を騙し切って財産を手にする(警部の「あなたは嘘が下手なようだ」という台詞が伏線かと疑った)のではないか?と思っていた。

唯一信用が置けるかと思っていたバーソロミューこそが全ての黒幕であり、戦死したと思われたカーソン・ダイル本人だったというのは驚いた。真相が判明してからのウォルター・マッソーの危険な雰囲気を纏わせた演技もグッド。

ラスト、大使館に切手を返却しに訪れたレジーナの前に、大使館員ブライアンとしてピーターが真の正体を明かす瞬間のおどけた表情も印象的。これまで2人の間で度々交わされてきた、
「結婚は?」
「離婚した」というやり取りが、最後には
「結婚は?」
「してる。婚姻届を提出しに行こう」
というやり取りがニクい。

ジェームズ・コバーンにウォルター・マッソーと、脇を固める役者陣まで渋いスターが揃っているのも高評価。

【総評】
オードリー・ヘプバーンの魅力、驚きの展開を見せる脚本と、古い作品ながら確かな魅力に満ちた作品であった。
余談だが、著作権表記がなされていなかった為に、パブリックドメインとして国内外で廉価版ソフトが多数流通したというトリビアもあり、実際私が手にしたDVDもその一部と思われる。出来れば、高画質・良音質のBlu-rayを購入したいのだが、残念ながら国内では新品商品の取り扱いは見当たらず、中古品を購入するしかない様子…。

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緋里阿 純

3.5オープニングから…

2025年3月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

オープニングからオシャレ。この時代に、こんな素敵な映画があったとは…当時の人々はさぞかし魅了されたでしょう。

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tommy