127時間のレビュー・感想・評価
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個人的には最高でした。
上映前に移動中の機内でみました。
ご存知のとおり、ちっちゃな画面での鑑賞でしたが、
そんなことは 気にならない程のリアリティーでした。
個人的に主人公同様に多くの冒険をしてきましたので
自分ごとの様にハラハラでした。
感情移入せず、客観的に醒めた状態で鑑賞してしまうと
もの足りなさを感じる人もいるでしょう。
しかし、ごく限られた空間、極限の心理状態を
刻々と描いて行く様は、近年まれに見る思いです。
上映映画館が少ないのがとても残念ですね....
やっぱりラストがいい
近くの劇場で上映していなかったので、Blu-ray鑑賞にしようか迷いましたが、大好きなダニーボイルの作品なので、足をのばして観てきました。
レビューの前に…鑑賞した劇場が77席の小劇場でスクリーンも小さめ、この監督の作品ってほとんどが単館系の規模での公開ですが、映像や音楽のスケールで考えると、大きなスクリーンで公開して欲しいです(シネコンでも公開2日目で客席ガラガラの作品もあるわけですし…)
で作品の感想ですが、予想を裏切らないダニー節炸裂の良作品。話がわかっていても楽しませてくれる力量は健在です。
毎度の事ですが、この監督の作品はエンディング間際まで、登場人物に試練を与え、最後の最後に爽快感を与えてくれる。センスの良い音楽と映像表現。今回も抜かりなしといったところ。神経を切るとこの音なんかも、同伴した看護師の友人が感心するほどです。
ただ、何せ登場人物はほとんど一人。編集や展開で工夫はしているものの突き抜けた面白さのある作品までは到達していないのも事実。それでも評価としては、星4つですが(ダニーボイル作品としては星3つ)次作品では、新境地もみせてもらいたいところです。
ちなみに親子で鑑賞していた方は事前知識が無かったようで、上映後、しきりに「星守る犬」にすれば良かったねと言っていたのが印象的でした。
過激な表現(ダニー作品としては普通)が苦手な方は避けた方が無難です。
限定された環境で展開する力強い物語
以下twitter(@skydog_gang)への投稿に加筆――
主人公が一つの場所に釘付けにされ動けない、という限定された環境で起こるドラマを、幻影・過去の記憶・ビデオカメラなどを使ってテンポよく描く手腕はあざやか。
色彩デザインも美しい。青→赤→青と行き来する色調がそのまま生と死の境になっているように感じた。
一方、感傷的な生命讃歌に走らない、一歩引いた、というか多少突き放した感さえある視点からの演出は好みの別れるところかも知れない。現実とフィクションが交わる不思議な浮遊感のあるラストも同様。この「覚めたしぐさで熱く見る」感覚はまさしくダニー・ボイル節。面白い。
「一匹狼のタフガイ」であることがカッコいいと思っていた主人公が、終盤、こちらに向かってくる家族に「I need help!!」と大声で叫ぶところが素晴らしかった。主人公はここでようやく、自らすすんで世界と繋がったんだよなぁ…。
痛々しいほどに溢れた生命への執着心に観る者も歯を食いしばってしまう
実在する探検家アーロン・ラルストンの実体験を基にしており、ドキュメンタリータッチで静かに追うスタイルは、奇抜さを売りにするダニー・ボイルの色が出にくい。
故に、万策尽き果て、自分の生い立ちを振り返っては、ネチネチと未練がましく悔いるネガティブモードに突入すると、皮肉っぽい人間臭さを得意とするダニー・ボイル節がようやく本領を発揮する。
現実と妄想と後悔をディープにシェイクしていくドライな苦味は、ダニー・ボイルならではの配合と云えよう。
紛れもない力作だが、オススメするべきか躊躇してしまう。
それは、崖の底から脱出するべく決意した彼の最終手段が、痛々しいぐらい生命への執着心に溢れているからである。
スクリーンから目を背けても、自分の体が引き裂かれていく気がして、体中の痛点が駆け巡る。
あまりの苦痛に耐えられず、顔が歪み、嗚咽を漏らしてしまった。
しかし、あの凄まじい衝撃度こそ、今作の全てではなかろうか。
「人間は生き抜いてこそナンボである」
と、醜いほどにストレートに投げつけた豪速球は、言葉では表現できない説得力と破壊力を放つ。
感動の域を超えたショックが心臓を鷲掴みにされた気がして、未だに胸がざわめく6月の暑い夜であった。
では、最後に短歌を一首。
『崖独り 溺れし悪夢 憔悴(小水)に もがく蟻の手 光めざして』
by全竜
ついでに、もう一首。
『独り旅 山あり谷(渓)あり 崖っぷち 墜ちれば登れ 空を契り(千切り)テ』
by全竜
あなたの思った通りの映画です
かなりの方が高評価です。あなたも気に入るかもしれません。
私は勘弁。
ラストの決断に至るプロセスもあってないようなもので、この場合選択肢はきわめて限られています。私は何もここからもらうものはありませんでした。生命の力、生命讃歌?
分からないでもありませんが、もし主演がトムクルーズならどうですか?ダウニージュニアなら?
かなり演じる人間を選びませんか?面白い面白くないと言うスタンスではなく、作品として成立しなくなるかもしれません。
ということは作品の力、描き方としてどこかにつじつま合わせがあるということです。ドキュメントであれば出演者を選ぶはずはありません。われわれには分かりにくいけれど、こうでなければリアリティーでないんだよなという制作側のつじつま合わせが強くある。そういうところが映像作品としての薄さに繋がっているのだと思います。
作品としての成立条件がものすごく狭い=感動しにくい。
低予算でここまで頑張る映画の一つ。
考えさせるより強引に感じさせる作品で、その表現手法は極めて乱暴。
もう一本、映画を見て帰りたかったのですが即帰りました。続行不可能。
ただ、映像より原作の文字での表現に接してみたくなりました。
大自然に抗ったちっぽけな人間の勝利宣言
痛いのはキライだ。ましてや痛い結末を知っているから、ぜったいに敬遠したい映画だ。それでも、たったひとりで、たったひとつの岩と闘うだけのストーリーをどう料理するのか観てみたい。痛さより映画ファンとしての好奇心が勝った。
マルチ画面による導入部、大都会の中でアーロン・ラルストンは出掛ける準備を進める。母親から電話が入るが無視だ。はやくもアーロンの性格が垣間見える。
蛇口の水がボトルの口から溢れ出る。この水が、後日、舌で舐め取るように1滴もなくなるのだ。水が、この噺の時系列を表す。この水の扱いが、映像といい音といい映画的なテクニックを駆使してみせる。
舞台となるユタ州ブルー・ジョン・キャニオン。何百万年、いや何千万年ものあいだ堆積と浸食が繰り返されてきた赤褐色の岩肌が広がる。いったいどうやってできたのか、異形の光景に目を見張る。日常の喧噪を忘れ、自然が織り成す創造物に接するアーロンは、水を得た魚のようにエネルギーに満ち溢れ輝いている。
だが造形美とは裏腹に危険が潜んでた。一瞬の判断ミスが事故を呼び起こす。
いよいよ127時間、5日と7時間の闘いが始まる。
画面にはアーロンと右手を挟んだ岩石しかない。
127時間は、彼が岩山の亀裂に閉じ込められた時間ではない。食料は愚か水も無い。彼の人生の残された時間がたった127時間なのだ。
この時間の中でいったい何ができるのか、右手を挟む岩石の上に持ち物を並べ使えるモノがないか冷静になったと思えば、幻覚を見て助けを叫んでみたり、これまでの人間関係を悔いてみたり・・・。だが、持ち前の明るさが彼を死の淵から呼び覚ます。
小回りが利くビスタサイズのカメラが追った、前半の奔放な自由人アーロンの生き方が伏線となって蘇る。
大自然の中のちっぽけな人間。ずっと彼は挑戦してきた。自分で切り落とした岩石に挟まれた右手をデジカメに収める行為は、大自然に抗ったちっぽけな人間の勝利宣言だ。
これがG指定って嘘でしょ
2010年アメリカ・イギリス合作映画。95分。2011年20本目の作品。「トレインスポッティング」や「スラムドッグ$ミリオネア」で知られるダニー・ボイル監督の差新作。この監督さん、大好きです。
内容は:
1,主人公の男にとってトレッキングは人生そのもの。
2,今日も彼はトレッキングにでかける。
3,そして、彼は谷間で落下。右手が落下してきた岩と岩壁に挟まれる。
一言で言うと、痛い!!!まさかあんな描写がくると思わなかったから、あれはまいった。
作品自体はボイル監督の前作「スラムドッグ$ミリオネア」でマスターした手法を駆使して、画面全体が光彩を放ち、生命観溢れる作品で、それはそれで素晴らしかったです。
こういった展開の作品はほかにもあるけど、本作はボイル監督の独特の映像感覚で撮られているし、毎度の音楽の選曲が抜群なのでテイストは違います。だから飽きることはまずないでしょう。
ラストもいつもどおりめっちゃ爽やか。あれだけ痛い思いをさせられても、観終わった後は後味の良い炭酸ジュースを飲んだような気分。
問題の痛いシーンも悪意あってそう描いている感じはないので、まあ、許せます。
っぽい
6月21日新宿武蔵野館にて観賞
観て興味を持っていたので楽しみにしていました。
ストーリーが恐ろしいほどシンプルなのでちゃんと映画になっているのか非常に心配していましたが、結構観おわった後は満足感がありました。
ネタバレというか、こうなる以外にないので書いちゃいますが、
ハイライトで自分の腕を切り離すシーンは何ともいえぬ恐ろしさというか、かなしさというか、思わず目を背けたくなるようなシーンでした。
このシーンの後に自分の切り離した腕と、数日間過ごした空間をカメラで写真を撮るシーンがあったのですが、これって自分がその状況でも間違いなくそうするだろうなぁとも思いました。
暴力描写や流血シーンの嫌いな恋人と観に来なくて、心底良かったと思う作品でした。
いつもと同じ日が変わる時。
127時間=5日と7時間。
5日も。
月曜日から数えても金曜日まで。
おまけに7時間も。
土曜日の7時まで。
長い。 とても長い。
永久とも思える時間との戦いだったことだろう。
映画館に置いてあるチラシを読んで、結末はわかっていた。
右腕を挟まれて、身動きできない状態で、どうする。
あれしかない。
きっと、あんなふうにするんだろう。
私の考えで正解だったけれど、想像以上に過酷だった。
ジェームズ・フランコの、ほぼ一人芝居になってしまうが、大丈夫だろうか?!
大丈夫だった。
彼の演技力。
ダニー・ボイル監督の手腕。
お見事でした。
暗く絶望的な状況下で、頭をよぎるのは、楽しかったこと。
詫びたい気持ち。
希望。
父や母、家族への感謝の気持ち。
諦め。
夢か現か、幻想か。
すべてが襲ってくる。
辛く厳しい状況でも、映像はそうではなく、希望を抱かせる。
クライマックスは痛い。
同じような状況下におかれた時、私なら同じことができるだろうか?
できない・・・女だからという言い訳はしたくない。 度胸がない。
できる・・・生きる意志があれば。
実在のアーロンに乾杯!!
アーロンのTシャツが、妙に可愛くて好きだ。
エネルギッシュ!
なんとまぁエキサイティングでございました!
登場人物ほぼ一人。
作品の要となる場面はほぼひとつだけ。
なのに…なんなんでしょ?!この引き込まれ方!!
凄まじくエネルギーを感じる映画だったよ。
そして最後は、清々しい感動にオイラまた泣いちまいました。
生への渇望
思い出しては、震える。一回震えると、暫く震えが止まらない。
トンでもない体感映像。映像体験。
刮目。
127時間―その人生最大の試練、荒行、苦行、アクシデントが、目の前の“彼”に訪れてから、スクリーンから一瞬たりとも、1シークエンス足りたも、目が離せなかった。
離すのを許してくれなかった。
割にポップな演出、楽しげな楽曲。その手の効果が余計に状況の逼迫感を煽る。
不自然であるが故の現実逃避感。
どう生き延びる?どう脱出する?どう生きる?どう抜け出す?
それ以前に、そもそも…彼は助かるのか??
死からの手招き。時間は進む。死への歯車。
死への歯車をどう生へと転じさせるのか!?
そして…あの『決断』。あの『英断』。
あまりにも酷で、あまりにも非情。
しかし、だからこそ、あまりにも希望に満ちていた。
…ああ、そうだ。あそこだけ、あの『英断』にだけ、俺は目を背けてしまった。
とても罪深い。目を逸らしてはいけなかった。
生きる為の『決断』だったのに。
ああ、また震える。
凄まじく揺さぶられた感情体験。
荒療治な人生賛歌。
でも、それでも、だからこそ世界は美しいんですね。
人は「なぜ生きる」か!未来が素晴らしく見えてくる作品。ちょっといたいけれど(^^ゞ
アメリカーユタ州の峡谷で絶望的な事故に遭っだ青年が奇跡の生還を果たすまでの127時間が描かれます。現在は登山家としても活躍するアーロン・ラルストンの実体験に基づいているが、単なる脱出記ではありません。
前作でアカデミー賞8冠に輝いたのダニー・ボイルのスタイリッシュな映像は、本作にも受け継がれています。特筆ものは、岩場に閉じ込められてしまうたった一人の遭難者の映像を、監督ならではの技巧で、94分の映画作品として成立させてしまったこと。そして、単調になりがちな生還劇のなかに、自己のインド人としての東洋的なポリシーにも繋がる人生観を、しっかり描き出したことです。
ラストの腕を切り落とすところは、リアル過ぎて、ちょっと制止に耐えがたかったですが、全体としてはダニー・ボイル監督の才能に脱帽してしまう出来上がりでした。
ワンシチュエーションや際だった演出がお好きな方にお勧めしたい作品です。
冒頭に登場するのは、本編とは関係ない大群衆の映像。雑踏の混沌、競い合うアスリートたち、証券取引所では金融マンがひしめき合います。このシーンの意味するのは、主人公のアーロンが暮らしているだろう都会の日常風景だろうと思います。けれども、そういう雑踏で、多くの人と関わりを持つことを嫌って、アーロンは週末になると誰にも行き先を告げず、勝手知ったる無人のブルージョン・キャニオンの深部ヘとひとり突き進むのでした。誰からも邪魔されることなく自然と向き合うために。そこではアーロンは水を得た魚のように生き生きと立ち振る舞います。飄々と岩場を登っていく様は、『岳』の島崎三歩のようで、いわば山バカに属するタイプでしょう。
ボイル監督は、冒頭に大群衆の映像を示して、アーロンの孤高を求める気持ちと対比させたかったのではないだろうかと思います。けれども事故を経験して、アーロンの人生観は多きく変容を遂げます。その落差を強調するために、冒頭のシーンが必要だったのだと思います。
さらに、大群衆が舞台のアメリカでなくインドの映像を使っているのは、自己のアイディンティの提示と共に、本作のテーマの背景にある思想のルーツがどこにあるのかを暗示したものではないでしょうか。
冒頭からアーロンが登場するまでの映像は、縦に3分割された映像に、ポップでビートの利いた音楽が重なり、「スラムドッグ$ミリオネア」の快活な冒頭シーンを思い起こさせてくれて、作品への期待感を多いに高めてくれました。
渓谷の達人であるアーロンでも猿が木から落ちるようには思いがけない事故に巻き込まれます。
深く狭い谷底で落石に右腕を挟まれ、身動きがとれなくなったのです。携帯もなく、声の届く範囲には誰も人の気配はありません。そんな絶望的な状況下で、なおもアーロンは知識と経験を総動員して、生き抜く手段を考えはじめる脱出をはかりますが、万策尽きてしまいます。最後に残ったのは、死を覚悟するだけという厳しい現実。
ここで映画的な問題は、主人公はクレパスに閉じ込められたきりであること。このままだとまったく動きのない画面に独白が続くことにもなりかねません。
ここからがボイル監督の本領が発揮されていきます。一時も観客を退屈させまいとして、これまで培った映像テクニックを総動員!。
死を覚悟したアーロンは人生を回顧し、自由を夢見ます。見ている方を混乱させかねないカットバックの進行に加えて、時にアーロンや周りのアリなどの超クローズアップから閉じ込められている岩場の俯瞰映像まで、アルグルを激しく入れ替えて飛び交うカメラワーク。そのすべてをめまぐるしい編集でまとめきるのがボイルの監督の熟達の技といっていいでしょう。特に、幻想が曲者で、激しい雷雨による洪水が穴を満たして岩から解放されるリアルな映像も描かれます。それが幻想だったと空かされてしまうと、最後の最後まで。本当に助かったのか、幻想なのか、解釈で頭の中がぐるぐると廻り、退屈など感じる間も感じませんでした。そして気がつけば、たちまちのうちにクライマックスまで連れてしまった次第です。
けれども大半のシーンは、主人公の閉塞状況を共有することになります。その時間帯はつらいし、怖いし、猛烈に痛みを感じることでしょう。しかし、決してうんざりはしませんでした。なぜなら本作は、単に脱出を目的にした作品ではなく、なぜ脱出したのか、どうして想像を絶する苦痛を乗り越えてでも生きようとするのかが、きちんと伝わってきたからです。
そのテーマを語る小道具に用意されたのが、アーロンの持参したビデオカメラ。カメラに向かって語りかけることで去来する記憶や、再生する過去の映像を使って、朦朧とした頭に浮かぶ妄想や後悔の想いが表現されていきます。ボイル監督は、巧みにとらわれの体からあふれ出す様々な想念を巧みに視覚化していったのです。あぶり出されるのは、多くの人の関わり合いで生きてこれたという感謝の気持ち。そして、人はひとりでは生きられないという素朴な真実。
自然を愛する余り、他人との関わり合いを拒絶してきたアーロンの人生観がぐらりとかわり、顧みなかった他者の存在の大きさがアーロンを突き動していきます。人は無意識の世界で多くの人と繋がっているという東洋思想が色濃く繁栄していると思えました。
人は長時間閉じ込められると次第に内省的になり、我欲で独善的なものの見方の色眼鏡を次第に薄くしていきます。すると、自分本位なものの見方から、自分を肉体の外側から観察できるようになれるのです。そこで初めて、孤独だと勝手に思い込んでいた思い込みが崩れて、どれだけ多くの人の親切に頼って生きてきたのか悟れるようになれるのですね。
そして極めつけ。アーロンは誰かと結婚して、幸福な人生を全うしている人生を幻想で見てしまいます。内省状態の究極にあるのは、神通力が一時開眼するのです。アーロンが見た未来は単なる幻有か、予知夢だったのか?ラストシーンをご覧になれば分かります。
それにしても、クライマックスとなる脱出シーンは今思い起こしても戦慄を感じます。さすがのボイル監督でも、ここではどんな流麗な映像テクニックも放棄せざるを得なかったようです。どんな素材もエンターテインメントに仕上げるボイル監督であっても、127時間にわたるアーロンの苦悩までは、エンターテインメントでは消化できず、ストレートに写実するするしかなかったのでしょうね。
本作を見終わって、ああ怖かった!という感想だけでは残念ですぅ。ご覧になった皆さんにも、アーロンと同じような予期せぬ無常に出会ったとき、強く心に本作のことを思い起こしされて、人は「なぜ生きる」か、「何によって生かされている」のか、考えてみて下さい。それが本作を作り上げたボイル監督からのメッセージだと思います。
生き抜くタフさ
冷静さを失わないこと
決して諦めないこと
タフな状況を タフに生き抜く主人公がかっこよかった!
巨大な大地の裂け目にちっぽけな人間が
たった一人で5日間。
しかも、身動きがとれない…。
自由に動ける心だけが、
過去へ、未来へ向かい、
過酷な現実に立ち向かう。
岩にはさまれた腕の痛みも、
たよりない装備への不安も、
たった15分しか当たらない太陽の光のありがたみも
まるで、自分の感情のように感じられた。
主人公のタフさに拍手。
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