劇場公開日 2011年5月11日

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「白鳥が孕んだ黒鳥」ブラック・スワン ミアさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0白鳥が孕んだ黒鳥

2011年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

ラストのどんでん返しは、昔からよくあるパターンだ。

心理スリラーとしては、ほぼ完璧な映画だろう。
(敵役のミラ・クニスの踊りはバレリーナに見えないが・・)

生真面目な人間ほど、プレッシャーに弱く、壊れやすい。

少女漫画にも、この映画に似た心理劇は何度も描かれていて、
映画を見終わって、山岸凉子の「天人唐草」を思い出した。
人格が、少しづつ壊れていく様の凄まじさを
山岸凉子は手を変え品を変えて描き出している。

バレエのテクニックを楽しむ映画ではない事はわかっていたが
母と子の繋がりが「ターニング・ポイント」(邦題は「愛と喝采の日々」)
のシャーリー・マクレーンとレスリー・ブラウンを思わせる。
「ターニング・ポイント」はミハイル・バリシニコフの「海賊」を見る
だけで一見の価値があったなあと、また見たくなった。

清楚な白鳥のようなニナの中に、醜い欲望の権化である黒鳥はいつ
住みついてしまったのか

母親との確執が発端なのか、彼女の脆い心が強い自分への変身を
無意識に望んだのか

そのあたりを掘り下げてくれていたら、ニナの苦しさがずっと重く
心に残ったのだろうが・・

ミア