劇場公開日 2012年11月2日

「歴史的戦いというよりも、日本昔話的内容」のぼうの城 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0歴史的戦いというよりも、日本昔話的内容

2014年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

興奮

総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )

 二万人対五百人の歴史的事実に沿った真面目な戦いを描いたというよりも、軽快な雰囲気の異色娯楽歴史劇。登場人物の演技も戦いも会話も、軽快に見せるための強調されたわざとらしい演技になっているし、合戦の場面も残虐性は抑え気味。知力と武力と死力を尽くした圧倒的不利な中で戦い抜く防衛戦ではなくて、奇抜なやり方で強引に物事を進めてしまう漫画日本昔話の豪華実写版のような物語。
 原作を映画化の前から読んでいたのだが、農民が自主的に自ら命懸けで動いてくれてそれが成功するという偶然に頼るのが物語を決定する最高潮という内容には、呆気にとられて納得がいかなかった。映画は映像による動きがあって原作よりは楽しめたが、やはりこの物語の展開は好きではない。喜劇的娯楽色の強い演出もこの物語には合っているかもしれないが、でも話の展開がそもそも好きではないのでのめり込むこともなかった。ただ野村萬斎の存在はこの雰囲気にはまっていたのではないか。原作では何も考えていないように思えた主人公のぼう様よりもずっと魅力があった。それと美術や衣装は悪くなかった。

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Cape God