「戦の影に」のぼうの城 未佐緒00さんの映画レビュー(感想・評価)
戦の影に
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公開前から気になっていました。
初っぱなから水攻めというシーンでびっくり、市村さん演じる秀吉と、それに圧巻される家臣達の構図がなんともいえません。
勝つという事に対して、男が戦に対するエネルギーと欲は、どこまでいくのか。
その影で苦しむ人だって大勢いるのにと思うと正直、複雑に感じます。
のぼう様と呼ばれる野村さんの存在がおおうつけか天才なのか、そこに焦点が当てられつつも、農民達の生活も書かれていて興味深く見れました。
農民達から愛されても家臣や侍達からは虚け、馬鹿者と呼ばれる彼の存在が戦の中で、どんな風に感じられて、見られているのか。
攻められる側も仕掛ける側、互いに必死になっています。
ここが観ていて、正直、辛かったです。
正義とか悪とか関係なく、侍という者の本質を観たような気がします。
自分に才はないと知り、それを認めた男の笑顔。
戦には勝ったけど大事なものは失ってしまった男の笑顔。
互いに笑っているのに、どこか哀しくて滑稽だと思えてしまいます。
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