劇場公開日 2012年11月2日

「役者は揃った!」のぼうの城 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0役者は揃った!

2018年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

なのになぜこうなる?

無勢に多勢の闘い。
じゃじゃ馬姫と、何を考えているんだかわからない侍。
舞台は埼玉。
 となれば、自然と『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』を思い出す。
 『クレしん』では野中家の活躍で多勢軍を退けたが、史実はどうなる?予告でやっていた”奇策”とは?
 なんて、かってにハードル上げたのがまずかったのか?
 でも、これ”城戸賞”受賞の脚本だよね?

山田氏がうまいのは今更ながらだが、

佐藤氏ってこんなにうまかったっけ?

西村氏・夏木氏・前田氏・平泉氏はいつもの安定感。

山口氏は、最初力みすぎて失笑ものだが、単騎奮闘の場面ではそれなりに頑張った。演出がゲーム映像で萎えたが。

市村氏は秀吉って言うより信長。キャスト間違えたかな。

榮倉さんは細かくいい演技をされているんだけれど、あの格好。山猿?

野村氏は、田楽の場面があるから、このキャストなのかな?その場面だけを切り取って何度でも見たい。
 でも、役にあっていない。野村氏の出自(狂言師の御曹司にて家元格)が見え隠れして、その所作がキレすぎて”でくのぼう”に見えない。わざとうつけのふりをしているようにしか見えない。だから、余計に、キャッチコピーを思い出して、期待してしまう。いつ本領発揮?と。

原作小説未読。

のぼう様の魅力が全く描かれていない。

三成の人物像もぶれてしまって一貫しているように見えない。元々、人心掌握術ともいえるおもてなしのお手本ともいえる三茶で取り立てられた人物なんだけれどな。ああいうことした奴が、あの場面でそれを言うか?

と、中心人物がきちんと描かれていない。この脚本・演出。なんだこれ。

それぞれが描きたい場面を持ってきて、つなぎ合わせたような映画。しかもその場面場面が嘘くさい。嘘を見ごたえある映像にまで昇華できていない。単に、思い付きをやってみただけの動画のような場面の羅列。

実話が元になっているとのことだが、人が描けていないから話としては見る価値なし。

でも、役者が良いんだな。それでかろうじて最後まで見られるかな。

とみいじょん