神様のカルテのレビュー・感想・評価
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他人事には思えなかった
若き研修医のお話。
医者という仕事の大変さが
少し分かったような気になる。
当直後、そのまま通常勤務があり、
36時間勤務がざら、
という世界。
しかも、仕事の相手は、
病気や怪我を負った人。
映画の中で、地方病院と大学病院、
医局に入るのか入らないのか
という選択と対立も少し描かれ、
医療業務以外に、これだけ色々あるのか
と少々食傷気味になった。
身近に、お医者さんの知り合いがいるので
しかも、映画に出てきた主人公くらい年齢なので
彼らがこれに近い状況にあるんだなぁと
他人ごとでは見れなかったのもある。
主人公の櫻井翔さんと、
奥さん役の宮崎あおいさんの
やり取りも、映画の雰囲気を
なんとも良いものにしていた。
原作を購入して、読了。
映画を見た後だと、
本を通じて声が聞こえ
映像も見えてくる。
キャスティングは大成功でしょう。
映画の脚本もうまくまとめていたと感じました。
主人公が立ち止まり迷う中で、
明るい方を指し示す細君の存在は、
好ましいものに、私の目には映りました。
宮崎あおいさんが、その細君を
好演してたのも印象に残ります。
これからも、邦画が楽しみです。
病院関係者の激務の日々
栗原一止(櫻井翔)は信州の救急病院の内科医、思いを寄せられる患者は末期がん、外科医ではないので手術で助けることもできず、抗がん剤とモルヒネで終末医療が関の山、神様が書くカルテってどんなものかと興味を持ったが、息を引き取った患者、安曇雪乃(加賀まりこ)の遺書に栗原先生の診断書はまるで神様のカルテと賞賛の一文、同僚の医師は特定の患者に想い入れるなと苦言を呈していたが栗原はまさに医は仁術の鏡の様な博愛の医師。
櫻井翔さん熱演でしたが脇の柄本明さん、原田泰造さんはどうなんでしょう、コメディ要素は雑味にしか思えません。難病患者を救ってハッピーエンドという映画ではないので爽快感は無く只管悩む若き医師の葛藤の様子ばかりでは見ている方も辛い思い・・。ただ、病院関係者の激務を観るにつけ感謝の気持ちは一入です。
地域医療の現場も垣間見せる
<映画のことば>
当たり前だ。看護師まで寝ずに働くようになったら、そんな病院、怖くてやってられない。
世間は今年(2024年)から運輸業界にも本格適用される残業規制の影響などで議論を呼んでいるように、運輸業界も、決して時間外労働が少ない業種ではなかったことと思いますけれども。
そして、残る「長時間労働の代表選手」は、本作のような病院での勤務医(と義務教育諸学校の教員)ということでしょうか。
(その意味では、評論子の亡父などの金融機関も、代表選手団の一翼を占めていましたけれども。
話に聞き及ぶ限りでは、その金融機関も、今や長期の夏休みを取っているとかで、評論子には、時代の移り変わりに、隔世の感があります。)
上掲の映画のことばからも、勤務医の長時間労働ぶりを垣間見せるというものでしょうし、原作が現役の医師ということであれば、その説得力も尚更のことと思われます。
そういう過酷な現場でも、しっかりと患者に対する医療に向き合おうとする栗原医師の姿には、感銘を覚えます。
佳作としての評価が少しも惜しくない一本でもあったと思います。
(追記)
本作では、栗原医師が上掲の映画のことばを言ったときに、陪席していた東西主任看護師(池脇千鶴)の表情を、評論子は忘れることができません。
その真摯な演技があってこそ、栗原医師のこのセリフが、一層の重みを増していたと言うことが出来たと思います。
ちなみに、その東西主任看護師は、栗原医師の所属する本庄病院では、先頭に立って同医師らをサポートしていた外村看護師長(吉瀬美智子)と同じくらい「いい役割」を果たしていたというのが、評論子の率直な印象です。
その点でも、映画作品としては「つくりの良い」部類の作品には仕上がっていたのではないでしょうか。
(追記)
たぶん、どこの世界に行ってもマイペースな評論子は、ひとまとまりの組織での「法律屋」だったという、今の稼業が、分相応というものなのでしょう。
(決して、「それは単に、医師国家試験や司法試験に受かるだけの能力がないからだろう。」とは、おっしゃらないでいただけると、助かります。それが「武士の情け」というものだとも思います。)
本作の栗原医師も、患者の誕生日と、エリート医師としての将来(大学医局のセミナー)とを、真剣に秤にかけられる個性の持ち主であり、そのマイペースぶりには、感心もしてしまいます。
何のわだかまりもなく、こんなふうに生きられたら、それが本当の幸せなのかも知れないとも思います。
一体何が言いたいのかわからない
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やたらと情のある医者である桜井が、大出世のチャンスを蹴って、
自分を頼ってくれた患者の加賀の死を見取る話。
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情があるのはいいが、他にも患者はいっぱいいるのでは?
全患者にそんな事してたら、まるで仕事が回らないと思う。
人間が優しいのはいいことやが、あまり共感は出来なかったなあ。
しかも徘徊型映画やし、一体何を訴えたいのかがわからない。
出世よりも人の命の大切さが大切って事やったのかも知れないが、
それさえもあんまり伝わって来なかった。
あと変な旅館の仲間とのエピソードも中途半端で、不要やと思う。
また嫁のあおいも何のためにいるんかがようわからん。
嫁の支えがそれほどクローズアップされてたわけちゃうし。
それから、音楽とセリフのバランスが最悪。
何言うとるかわからんのでTVを大音量にするんやが、
音楽のシーンになると異常にうるさかった。
患者に寄り添う医師
櫻井翔扮する本庄病院救急医栗原一止の当直担当日はいつも黒山の人だかり。しかし、ナースからはタメ口だし、変人と呼ばれていた。宮崎あおい扮する妻のハルは撮影に出かけたりしていた。
大学病院は、末期癌の最後を看取る病院ではないのだが、一止はそんな患者をも診ていたのだった。学生時代は泣いてばかりいた様だが、今では涙は出ないものの心で泣いていた。患者に寄り添う医師。時間もないのに体力の続く限り患者の気持ちまでフォローするのは至難の業だ。でもどんなに働いても命がこぼれ落ちていく。櫻井翔の朴訥な演技は一止の役にぴったりかと思うし、宮崎あおいの役割は重苦しい雰囲気を和らげるための一服の清涼剤的なシーンだね。
両親が逝く時の状況を見てきたが、自分の死に様は如何なものか。痛くなければいいのだがね。
「神様」というタイトルから想像していたようなスーパードクターではな...
加賀まりこさんと松谷卓さん
偶然かもしれないが、時々、ハッとこの音楽、いいなあ。あの映画と似てる!と気づくことがあります。
そんな時調べてみると、松谷卓さんが音楽を担当してました。
多分、この方の音楽、私にとってぴったりくるんだなと思います。
いつか、この方のライブに行ってみたいなと思います。
この映画は、加賀まりこさんの演技が、本当に素晴らしいです。もちろん、他の方もとてもいいです!
この映画、素敵なところは、いい人しか出て来ません。
そんな映画が私は大好物です。笑
真摯さこそ、最も大切なものではないか?
「神様のカルテ」シリーズ第1作。
「金曜ロードSHOW!」で鑑賞。
原作は既読です。
福士蒼汰主演のスペシャルドラマを観たので、ちょうどいいから本作を思い出しレビューしようかなぁ、と…。
地域医療が抱える問題や現場の状況がリアルに描写されていて、さすが原作者が現役医師なだけあると思いました。
医師の数が絶対的に不足する環境でも、患者と真摯に向き合い続ける主人公・栗原一止が成長する姿にグッと来ました。
そんな一止を見事に体現した翔ちゃん。本来の頭の良さが役に反映されていたからなのか、医師役は板についていたし、古風な口調にも違和感が全くありませんでした。
役者としての櫻井翔のことを見直しました。これまではイマイチだなと云う感想しか抱きませんでしたが…やれば出来るんじゃん! ―髪型はヘンだったけど…www
妻・榛名役の宮崎あおいとの相性も抜群でした。ふたりの関係性をセリフだけでなく、動きのひとつひとつ、仕草の端々からも読み取れるような細やかな演技が秀逸でした。
ドラマの風吹ジュンの安曇さんも良かったけど、本作の加賀まりこ版もすこぶる良かったです。心に沁み入る名演でした。
――
医療の最前線において尽力する医師や看護師の葛藤のドラマは、コロナ禍の今だからこそ、余計に心に響いて来るものがあるし、改めて感謝の念が湧いて来ました。本作も見直したい。
感動的。最後は号泣。
ありがとう先生
加賀まり子
原作者が現役医師であるせいか、医療現場はとてもリアルに作られているように思える。“医局”ということに関してだけでも、医局に入らず一匹狼という存在が浮き彫りになるし、小病院の当直や救急医療の実態、地域医療特有の小さな診療所への派遣などなど実態がよくわかる。ストーリー自体はかなり薄いのだが、このリアルさによって医師や医療スタッフへの感謝の念を再認識。
リアルさとは対照的に、栗原夫妻(櫻井、宮崎)の住む下宿先が元旅館であるという不思議な設定だ。そこには昭和初期を思いだたせるようなバンカラの雰囲気も漂っていて、画家志望の男爵(原田泰造)、学士殿(岡田義徳)といった面々がなぜかストーリー全体からは浮いているのだ。ちょっともったいない。
末期がん患者の治療、映画やTVドラマのテーマにもよくなっているが、どことなくホスピスの役割も担ってる病院といったところだろうか。『梅ちゃん先生』でもやってるし・・・
それにしても加賀まり子の演技がいい。こんなおばあちゃん役をやるようになったんだとショックだけど(笑)。吉瀬美智子の存在がよくわからんが・・・。古株の医師・柄本明や大学病院教授の西岡徳馬もいい。そして櫻井の演技も大したことないと思われがちだが、患者の目を見つめない目線が医者らしくて見事。医者の半数は目を見つめないといったところをうまく表現しているなぁ。
静かに観る映画である
レビューに辛辣なモノがいくつか見受けられるが、これは静かに素直に見ればそれでいいんじゃないかと思います。
とかく、医療系のドラマは緊張感や人間関係の複雑さ、独特の社会を描いて視聴者を惹きつけようとするが、それが当たり前ではなく、こう言う現場医療に向き合って、日々忙殺されている医師たちや、少しでも今目の前にいる患者をなんとかしたいという医師の原点がこの映画に描かれています。
だから、ジェットコースターのようなストーリーは存在せず、確かに眠たくなるようなゆったりとした展開がこの映画の逆に見所として受け止めればいいと思います。
そう言う意味でのこのキャスティングはズレがなく、バランスの取れたいい映画に仕上がっています。
柄本明さん
宮﨑あおいさん
原田泰造さん
西岡徳馬さん
実にいい!
そして、松谷卓さんのサントラ🎼
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