「警察庁と警視庁の対立。そして公安とは・・・とても重い内容」相棒 劇場版II 警視庁占拠!特命係の一番長い夜 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
警察庁と警視庁の対立。そして公安とは・・・とても重い内容
いきなりの緊迫したテロ組織への突入事件(7年前)と警視庁立て籠もり事件。犯人は警察を依願退職した元刑事・八重樫だったが、特殊班と機動隊が強行突入した直前に幹部の誰かに射殺され、正当防衛が認められめでたしめでたし、一件落着!
ところが特命係の杉下右京と神部尊は引き下がらない。動機を調べるため八重樫が人質にとっていた警察職員・朝比奈圭子や八重樫の自宅を捜査するにつれ、7年前に起こった中国系反米テロリストの存在や上海系マフィアの曹良明の存在が浮かび上がる。7年前には米国VIPを殺害計画が計画されたものの、彼ら上海系マフィアはテロを起こすはずがないから、曹を操っていた者がいるのではないかと推測する。
「影の管理官」!もはや警視庁内部で自作自演のテロが行われようとしていたのか?そうして警察庁と警視庁の対立構造や隠蔽工作などの警察の闇が暴露しようとする内容だ。
この頃のTV版相棒は何本か観たけど、岸部一徳を中心とした構図が理解できないでいたけど、この劇場版2を観てスッキリ。警察庁を警察省に格上げ?警視庁の幹部を刷新?とにかく警察の存在意義や正義について、警察内部にあっても色んな考えがあることがわかる。特に公安部の存在意義はテロが日本では起きにくいので自殺自演しようとする陰謀やその事件の告発文を握りつぶそうとする動きが醜い。他の作品では“公安”がもてはやされている風潮もあるが、この作品ではその存在意義については的を射ているように思う。ただ、警察庁長官も警視総監も内閣総理大臣の承認が必要なので簡単には人事を変えることはできないと思うが・・・
官房長の小野田(岸部)の立ち位置もseason9と10のドラマを見ないとわからないけど、さすがに大臣がトップに立つ警察省という考えはヤバいだろう。お粗末な大臣たちの存在もそうだが、戦前の体制に戻ってしまいそうな気がするぞ。