劇場公開日 2011年3月12日

SP 革命篇 : インタビュー

2011年3月8日更新
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真木よう子「SP」笹本役に込めた特別に強い思い

颯爽(さっそう)という表現が、実にしっくりとくる。「SP 革命篇」の衣装であるダークスーツを身にまとった真木よう子は、スクリーンから抜け出てきたようなクールな表情を見せた。「あまりかわいい顔で笑えなくなるというか、立ち居振る舞いがそうなっちゃうんですよね」。テレビシリーズのスタートから3年余、警視庁警備部警護課第四係のSP・笹本絵里に情熱を注いできた実感がにじむ。集大成となる「革命篇」では、激しいアクションや射撃の元五輪候補という設定にふさわしい見せ場が存分に用意されている。シリーズ最終章を迎え、達成感と寂しさが相半ばする、「すごく特別な作品」にささげた思いを聞いた。(取材・文:鈴木元、写真:堀弥生)

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「SP」がフジテレビの深夜ドラマとしてオンエアされていたころから、真木の脳裏には、いつかは映画になるだろうというような予感めいたものがあった。

「すごく面白いという自信があったから、(映画化は)想像できました。私はあまり、人に(自身の出演作を)見て見てとは言わないタイプなんですが、『SP』は『本当に面白いから、見たほうがいいよ』といろんな人に言っていました。それで皆がファンになってくれるのを見て、これで終わりじゃないだろうと何となく思ってはいました」

果たして、テレビシリーズは平均15.4%の高視聴率を記録し、スペシャルアンコール特別編を経て「野望篇」「革命篇」の映画2部作に昇華。四係の紅一点、笹本もさまざまな修羅場をくぐって成長を遂げ、映画では国家を揺るがすテロリズムに立ち向かう。8カ月にわたる撮影を通して、第四係を中心にチームの結束はさらに強固なものになったという。

「『野望篇』から(撮影が)続いていたのが幸いしたのか、面白いものを作ろうという皆の意識がどんどん高まって、最後はキャストもスタッフも含めて全員がひとつのチームになっている感じがしました。それが、いい方向に働いたと思います」

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その成果はまず、テロリストに占拠された国会議事堂内の記者クラブで、四係のメンバーとテロに加担していた新人SPたちとの激闘に表れる。机やソファなど、さまざまな障害物がある中での肉弾戦。真木は、同じ女性SPの入山法子とガチンコのアクションを繰り広げる。

「女性同士のアクションが格好悪かったらすべてを台無しにしちゃう、という不安はありました。私も入山さんもアクション経験がない、ゼロ同士の戦いだったし…。キャットファイトのようにはしたくないと言われていたので、本当にすごく練習しました。例えば、(相手を)つかんで投げるにしても、どうすれば本気で力を入れているように見えるかなど、何回も繰り返してやりました。入山さんもすごく頑張っていたので、最後は当たっても大丈夫というかしようがないくらいの勢いで臨みました。遠慮? 全然なかったです(笑)。それでいい絵(映像)になるんだったらいいやという感じのテンションでした」

アクションに関しては、主演の岡田准一がフィリピンの格闘技カリのインストラクター資格を取得するなど一過言持つ。時には現場でアドバイスを求めながら殺陣をつくり上げることもあったそうで、台本上は殴る設定が蹴りに変わるなど柔軟な姿勢がリアルな格闘シーンを生み出している。

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インタビュー2 ~真木よう子「SP」笹本役に込めた特別に強い思い(2/2)
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