「風呂敷を目一杯広げまくった歴史絵巻の芸」プリンセス トヨトミ 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
風呂敷を目一杯広げまくった歴史絵巻の芸
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大阪が一つの国家扱いなんざぁ、世界のナベアツがしょ〜もないギャグを串カツの如く刺しまくってコケまくった『さらば、愛しの大統領』の二の舞に成りかねないデタラメだらけの世界観を、日本史の醍醐味と笑いをバランスよく仕上げたのは、監査チームリーダーの堤真一VS大阪国総理大臣・中井貴一との緊迫感溢れる対立関係が芯となり、説得力を持たせていたからこそやと思う。
やりにげコージーの都市伝説シリーズにおける《フリーメーソン》の難波版ってぇ感覚に近い。
主役の2人以外にも、部下の岡田将生、綾瀬はるか、そして、鍵を握る少女の沢木ルカetc.各キャラクターの個性も表・裏まで活用しているストーリー展開も巧い。
大阪という土地柄なのに、松竹・吉本芸人を担ぎ出してドタバタギャグを盛り混み、お茶を濁すような笑いの逃げ方が一切無かったのも好感が持てた。
全ての真相が明るみとなった途端、親子愛が重要視されるため、ヤマ場がどうしても説教臭くなるし、大阪国自体のスタンスがウヤムヤのまま決着してしまったのは致命的で堤真一の生い立ち同様に悔いが残る。
しかし、実話を基にした実録モノが主導権を得ている映画界において、風呂敷をフルに広げ、エンターテイメント性豊かなホラ噺を完成させた姿勢は評価に値する一本やと思う。
んまぁ、私は道頓堀を全力疾走する綾瀬はるか嬢のユッサユッサ豊かに揺れる胸の膨らみを拝見できただけで充分満足なんやけどね。
しょ〜もない感想はともかく、無性にお好み焼きが喰いたくなった雨上がりの帰り道であった。
では最後に短歌を一首
『ジュ〜ジュ〜と 火蓋(豚)を返し(帰し) 夏の陣 ゼイゼイ(税税)脱す ひょうたんの猿』
by全竜
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