「役者陣は超豪華なのになぁ……」インシテミル 7日間のデス・ゲーム といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
役者陣は超豪華なのになぁ……
原作小説は未読。この映画は2年前に1度観て、本日久々に視聴しました。
時給11万円という高額アルバイトに釣られて参加した10人の男女が殺し合いのゲームに巻き込まれていくというストーリー。
ジャンルでいえば「デスゲームもの」でしょうか。日本でいえばバトル・ロワイアル、アメリカ映画でいえばハンガーゲーム、ゲームソフトですが、「ダンガンロンパ」と設定は似ていますね。
今回のこの映画ですが、正直あまり面白いとは思えず、「何でこうなっちゃったんだろう」って映画でした。脚本や演出のところどころに違和感があり、細かいところで突っ込み所が満載です。
・部屋の中にいるときに廊下から悲鳴が聞こえて駆けつけるシーンの直後に「部屋の中から廊下の音が聞こえない」という描写がある。
・釘打ち機なのに頭蓋骨を貫通する表現がある(釘が貫通したら釘打てないでしょ)
・証拠も無しに犯人を決めつける奴に「冷静に考えましょう」と言っていた主人公が、映画後半で証拠も無しに犯人を決めつけるシーンがある
この映画は最初から最後まで違和感とか矛盾が付きまとい、ストーリーに集中できません。そして集中したところでストーリー自体もそこまで面白くありません。主人公が映画前半に「お互い信頼すれば皆助かるんだ」と他の参加者にしつこく説くシーンがあるため、「信頼」や「絆」をテーマにした作品かと思えば全くそんなことはなく、結局誰も信頼できないまま映画が終わります。
「原作がイマイチなのかな」と思いきや、米澤穂信氏の原作小説はミステリー大賞の最終候補になっていたり45万部を売り上げるほどのヒット作品なので、面白くないとは思えません。映画化にあたってかなりの改変が加えられているらしいので、やはりこのつまらなさは映画化によって生み出されたのだと分かります。
どうしてこうなってしまったのか。役者陣だけ異様に豪華で制作スタッフの力量が追い付いてないのでしょうか。楽しみにしていただけに、非常に残念です。