クロッシングのレビュー・感想・評価
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それぞれの苦悩
あんまり交わらない
ドンチー!
腐った(腐らされた)3人の警官たち。それぞれの行く末から目を離すこ...
警官たちの苦悩
リチャードギア扮する1週間後に退職する警官エディは、犯罪多発地域に新人を送る事になったのでその教育を頼みたいと命じられた。エディは嫌がったが、押し切られた。警官の中には人種差別する様な悪徳警官もいれば、ドンチードル扮する離婚されたタンゴ潜入捜査官もいた。エディは、今日は暴行、明日は殺人といった状況を22年続けてきたが、新人警官からは見て見ぬ振りですかとなじられ、とにかくあと7日とつぶやいた。エディは、銃に弾を入れていなかった。昇進を狙ったりイーサンホーク扮する家のために金策に窮するサルの様な警官たちの苦しさやネガティブな面を描いた問題作だが、リチャードギアでももう年だからか見下された様なこういった作品にも出るんだね。
正義と苦悩のクロッシング
NYブルックリンの犯罪多発地区を舞台に、3人の警官のドラマが交差するクライム・サスペンス。
見始めはイマイチな感じだったが、見ている内に段々と面白くなっていった。
アントワン・フークアらしい硬派な作風の、2009年の作品。
3人の警官。
ベテラン警官のエディ。
麻薬捜査官のサル。
潜入捜査官のタンゴ。
定年退職まで後一週間となったエディ。最後の仕事は、新人教育。ヤル気マンマンの新人とは対称的に、何事も無く退職したいエディは軽犯罪や市民のモメ事などを見て見ぬフリを決め…。
家族の為に引っ越しを考えているサル。が、金が足りない。資金調達に困ったサルは、汚職や法の道を外れる事もしばしば…。
潜入捜査に全てを捧げ、人生も家族も犠牲にしてきたタンゴ。昇進も無く、危険な任務に嫌気が差していた。潜入捜査官という立場ながら、ギャングのボスのキャズとは固い友情で結ばれ…。
3つのドラマが同時進行していくが、最初は特別交錯したりせず、それぞれ展開していく。
唯一共通しているのは、3人共、警察官という仕事に不平不満を持っている事。
浮かばれない、満たされない、辛く苦しいだけ…。
そんな時3人にそれぞれ、転機となる事件が起きる…。
新人ととある店で、店主と若いチンピラのいざこざの制止に入ったエディ。新人にこの場を任せ、車の無線で報告に行った矢先、新人がチンピラを…。
チンピラが麻薬を保持していた為、警察は都合よく解決しようとするが、エディは責任を取る…。
ある麻薬現場に踏み込んだサル。そこで、大金を発見する。
誰も見ていない。横領するか否か、激しく揺れる…。
タンゴに昇進と引き換えにある命令が下る。キャズの逮捕。
ある話を持ち掛けて網に掛けようとするも、友情と任務の間で揺れ動く。そんな時、思わぬ襲撃が…。
この3人に降り掛かった危機が、代わる代わる展開していくシーンはスリリング。
3つのドラマが同時進行していくからこそ重層的だが、一つ一つでも充分見応えアリ。
リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードルらの熱演。
特に、チードル演じる潜入捜査官タンゴのドラマが良かった。ギャングのボス役のウェズリー・スナイプスも久々に実力派としてのいい演技を見せている。
20年勤務した警察を事務処理的に退職したエディ。もう何の未練も無い…筈だった。
行方不明となっている少女がギャングに連れ去られる場面を目撃する…。
自暴自棄になったサルはある現場へ。そこで遂に、大金を懐に…。
ある報復の為、下っ端ギャングを追うタンゴ。行き着いた先は…
序盤~中盤はすれ違う程度だった3人の命運が遂に交錯する。
ラストはなかなかに重苦しい。悲劇的でもあり、まさかの展開。
それぞれの正義と苦悩の“クロッシング”の果て。
決して正義は勝つ!とか、後味良いものではないが、その分リアルに突き刺さる。
家族、友情、そして正義
刺激的な面白さ
困った時はフークア作!
何を見ようか迷った時はフークア作を観ればまず間違いない。
リチャードギアか…あまり期待しないでおこう、と思って観たらめちゃくちゃ面白い!
映像が重くてヒリヒリしてるし、展開力と場面転換が秀逸で一気に引き込まれた。
イーサン・ホークのダメな感じは相変わらず悲哀に満ちて素晴らしいし、ドンチードルもさすが、リチャードギアもやさぐれ感と良い親父具合が素晴らしかった。
登場人物がすれ違う度に「おう!」と鳥肌が立った。
お互いの人生に関与はしてないが、同じように人生の転機があって、勝負の時がやってくる。というのは、映画的であるけど現実味もあって、この手法はメモしとかないと!と思った。
汚職警官がいなくならないのもイーサン・ホークを見てるだけで分かってしまうような、金と家族のために自分が汚れる事を良しとするというのは気持ちは分かってしまう。
欲を言えば、あのラストの後も観たかった。
イーサン・ホークの同僚はイーサン・ホークの家族に金を渡しててほしいなぁ…なんて想像してしまう。
3人とも
なぜ警察の汚職がなくならないのか
イーサンホークのヤサグレ感が最高!
"怒り""不満""失望"の爆発
リチャード・ギアは正義や警察その全てに冷めていて、イーサン・ホークは家族のために一人で全てを抱え込んで、ドン・チードルは偽ることに消耗し続け憤る。
ざっと簡潔に考えると、主役三人はこうだと思う。どっちも息すらし辛そうで、噴火しかねない苛々付き。だからかずっと息苦しくてエンドロールも重いまんま。気軽な気持ちじゃ見れないし、お薦めしにくい映画だった。
それでも"出口"を探す姿は、警官でなくても共鳴するはず。もしかしたら見えた"出口"は、主役三人の末路のように悲惨へ通じているかもしれない。それでもそれぞれ辿った道に、答えは確かにあったかもしれない。そんな儚い光明も同居するから見逃せなかった。
今行く末に迷う人、決断のきっかけ求める人はこの映画を一度見て、見つめるきっかけにしてみてるのも悪くないと思いますよ。
邦題がおかしい それぞれの正義を扱った社会派作品
毎日繰り返される強盗、レイプ、殺人・・事件の数々 その中で3人の主人公が三者三様の正義をもつ警察の視点で描かれている
正義とは何か この人間が作りだした難しく重たいそれは、それぞれの立場、価値観によって歪み、正しくもなり、誤りにもなる
人は理性や法により、本質や本能を押さえ込んでいるが、その本性となる野蛮さや残酷さが放たれたとき、それが正義なのか、悪なのかは見る人によって違ってくるものだと思う
またそれは簡単に放たれてしまうものでもあると思う
一人は家族を守る為、一人は友と恩義の為、一人は人を助ける為
角度を変えると、私利私欲に走るようにも見え、報復と怒りに我を忘れ暴走してる姿にも見える。
本題は冒頭に全て語られている言葉に集約されている
人はより良くなるか、より悪くなるか
クロッシングという、内容を把握していないようなタイトルをなぜ付けたかは疑問が残る まさに三人が交錯し影響を与え合うものではないし、交錯するのが本題ではなく映画としての演出なだけで、最近流行のクロスオーバーのような類ではないから
ただ内容もそうだが鑑賞時間の長さからも、3本分観たようなずっしりとした疲れを感じた 軽快に展開するわけでもないので見る人によっては好みが分かれると思う
邦題を批判しておいてなんだが、もう少しクロスしてもよかったのではないかな あと正義というものを描くのは、すごく難しいテーマであるから結局納得して見終えることはないと思う
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