劇場公開日 2010年10月30日

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「正義と苦悩のクロッシング」クロッシング 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

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3.5正義と苦悩のクロッシング

近大さん
2019年7月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

知的

NYブルックリンの犯罪多発地区を舞台に、3人の警官のドラマが交差するクライム・サスペンス。
見始めはイマイチな感じだったが、見ている内に段々と面白くなっていった。
アントワン・フークアらしい硬派な作風の、2009年の作品。

3人の警官。
ベテラン警官のエディ。
麻薬捜査官のサル。
潜入捜査官のタンゴ。

定年退職まで後一週間となったエディ。最後の仕事は、新人教育。ヤル気マンマンの新人とは対称的に、何事も無く退職したいエディは軽犯罪や市民のモメ事などを見て見ぬフリを決め…。

家族の為に引っ越しを考えているサル。が、金が足りない。資金調達に困ったサルは、汚職や法の道を外れる事もしばしば…。

潜入捜査に全てを捧げ、人生も家族も犠牲にしてきたタンゴ。昇進も無く、危険な任務に嫌気が差していた。潜入捜査官という立場ながら、ギャングのボスのキャズとは固い友情で結ばれ…。

3つのドラマが同時進行していくが、最初は特別交錯したりせず、それぞれ展開していく。
唯一共通しているのは、3人共、警察官という仕事に不平不満を持っている事。
浮かばれない、満たされない、辛く苦しいだけ…。
そんな時3人にそれぞれ、転機となる事件が起きる…。

新人ととある店で、店主と若いチンピラのいざこざの制止に入ったエディ。新人にこの場を任せ、車の無線で報告に行った矢先、新人がチンピラを…。
チンピラが麻薬を保持していた為、警察は都合よく解決しようとするが、エディは責任を取る…。

ある麻薬現場に踏み込んだサル。そこで、大金を発見する。
誰も見ていない。横領するか否か、激しく揺れる…。

タンゴに昇進と引き換えにある命令が下る。キャズの逮捕。
ある話を持ち掛けて網に掛けようとするも、友情と任務の間で揺れ動く。そんな時、思わぬ襲撃が…。

この3人に降り掛かった危機が、代わる代わる展開していくシーンはスリリング。
3つのドラマが同時進行していくからこそ重層的だが、一つ一つでも充分見応えアリ。
リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードルらの熱演。
特に、チードル演じる潜入捜査官タンゴのドラマが良かった。ギャングのボス役のウェズリー・スナイプスも久々に実力派としてのいい演技を見せている。

20年勤務した警察を事務処理的に退職したエディ。もう何の未練も無い…筈だった。
行方不明となっている少女がギャングに連れ去られる場面を目撃する…。

自暴自棄になったサルはある現場へ。そこで遂に、大金を懐に…。

ある報復の為、下っ端ギャングを追うタンゴ。行き着いた先は…

序盤~中盤はすれ違う程度だった3人の命運が遂に交錯する。
ラストはなかなかに重苦しい。悲劇的でもあり、まさかの展開。
それぞれの正義と苦悩の“クロッシング”の果て。
決して正義は勝つ!とか、後味良いものではないが、その分リアルに突き刺さる。

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近大
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