エンター・ザ・ボイドのレビュー・感想・評価
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ヴィ※ッジ▼ンガードを思い出した。
良い子には見せられない映画ばかり撮っては、
観客を怒らせたり帰らせたりして、
新作の度に話題となるギャスパー・ノエ監督
の最新作です。早速観てきました。
作品ごとにここまで、観る人を楽しませようと
思ってない監督は個人的には他に、
ラース・フォン・トリアーくらいしか知りません。
観る人の人生の背景や、トラウマ、健康状態を
全く意に介さず、攻撃を仕掛けてきます。
冒頭からピ○チュー光線の様なスタッフ紹介
や、ドラッグでキマッた主人公の見ている
深海の光るクラゲの様な映像、
主観視点でグリグリ動くカメラワークなど、
今回もやる気を感じさせます。
物語的には、と云うか、
ストーリーはあって無い様なもので。
設定的には(と言った方が適当かもしれません)
序盤で、過剰に妹思いの兄が撃たれて
死ぬ訳ですが、
薬でキマッたままだったので、
死ぬ事にピンと来ないのか、
それとも、妹を思っての根性なのか、
兎に角世に未練を残して息を引き取り、
走馬灯の様に蘇る過去の記憶を回想したり、
残された人々のその後を
漂う魂として唸る様な音と共に、
俯瞰で見おろす映像が二時間ぐらい続きます。
映像は奇抜でカッコいいんですけれども、
終盤になるとしんどくなって、
早く終わってくれ。と、思いました。
こうした題材、映像での二時間超は
長く感じました。
観終わって幾分、病み上がりに似た
現実に帰る感があったので、
監督の狙いとしては、成功なのかもしれません。
ギャスパーノエは作品の度に、
近親相姦を夢見る親父や、
結婚間近の婦女子をボコボコに×××
すると言う様な
鬼畜映像を見せてくれますが、
今回もそういった点では、堕胎を包み隠さず
見せてくれます。
これは作り物だ。と、思っていても、
そこらのホラーよりは現実味がある分、
不快感を募らせます。
今回は輪廻転生がテーマと踏みましたが、
個人的には、特にナニ教も信望してませんが、
人生を成就せずに死んだ主人公が行き着く先は、
明確には描かれていないものの、
自分が思う、死後の行く先と合致しており、
それは正しく、HELLだと思いました。
これまでの、フィジカルなテーマから、
精神的な方向に興味を示したとの事で。
同監督のこれまでの作品と比較すると
だいぶ良心的な映画だと思いました。
また、憶測ですが、
「レクイエム・フォー・ドリームス」や、
「ラスベガスをやっつけろ」などを、
自伝の様に思える人なら、
映像、音ともに
楽しめる作品かもしれません。
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