クリスマス・ストーリーのレビュー・感想・評価
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長尺
アンリ(マチュー・アマルリック)はヴュイヤール家の問題児。元々長男が白血病にかかったとき、骨髄移植ドナーとして期待されていたのに、当てがはずれて、“いらない子”として生まれてきた。まぁ、それは両親のエゴなわけだが、大人になってからは借金は返さないし、何かと家族に迷惑をかけてきた。6年前にはとうとう長女が見放し、絶縁状態となっていた。そんなある日、ジュノンが白血病を宣告され、クリスマスを前に家族が再び集まることになり・・・
なかなか骨髄が適合しない家族の中、戯曲家のエリザベート(コンシニ)には精神病となった16歳になる息子ポール(エミール・ベルリング)に期待する。ポールとアンリが適合したが、エリザベートはアンリの骨髄移植には反対。家族が集まり、誰の骨髄を移植するか話し合うこととなったのだ。
かなり期待させる内容だったが、各登場人物の視点によって様々なエピソードが語られ、徐々に集中して観ることに疲れてくる。アンリが連れてきたユダヤ人のフォニア(エマニュエル・ドゥヴォス)とか、イヴァン(メルヴィル・プポー)の妻シルヴィア(キアラ・マストロヤンニ)のエピソードなど、惹きつけられるものの、大筋にはどうでもよいこと。シルヴィアが3兄弟の従弟であるシモン(ローラン・カベリュート)と旦那が寝ている部屋の隣で寝ていたなんてショッキングな出来事もどうでもよいというか、一波乱あるはずなのに、寛容すぎる夫・・・おいおい。
フランス的なフリーセックスの世界を会話だけでずるずると、結局はみんなの本性なんて変わらないじゃん。まぁ、家族の絆を描くには余計な部分が多すぎて150分の長尺は耐えられない作品となっていた。
キャストが豪華
苦い話だが決して悪くは無い、フランス映画好きな方にはお勧めの作品だと思うよ!
カトリーヌ・ドヌーブ演じるジュノンは白血病になり、骨髄移植をしなければ、余命が短い事を知る。
そこで長年ビュイヤール一家は家族全員が一同に揃ってクリスマスを祝う事がここ数年来途絶えてしまい、無かったので、彼女の病気を機会に今年の年末は一族全員が一緒のテーブルを囲むことを計画し、実行すると言うお話しだ。
折角のクリスマスだが、母親の深刻な病気治療のドナーを家族の中から探すと言う事もあり、そうで無くても、兄弟姉妹の中では好き嫌いと愛憎がある。愛する家族だからこそ、いがみ合ってしまう幼少の頃からのトラウマを解消出来ずに、そのまま大人になっている悲劇がここに描かれる。永年のトラウマからの呪縛を解けずに暮して来た家族が一斉に揃う事になるのだから、本当なら楽しく過ごすはずのクリスマスが面倒な状況になると言うもの。
アメリカ映画なら、最後は色々あっても上手く仲直りが出来てハッピーエンドと納まるのが定番なのだが、そこはそう行かないのが、フランス映画の面白いところだ。
兄弟姉妹は協力し合い、仲良く暮らすのが普通であると考えるものだが、同時に一方で親の愛を得るためには、お互いがライバルになってしまうと言う事もあるのかもしれない。
この映画は、そんな家族みんなの愛憎劇をひたすら淡々とドキュメンタリータッチで描き出す。そこに映画き出されるこの一家の様は、例えて言うなら、音の無い世界に暮す様に何かが不足し、昨日出来ていない様に感じられるのだ。大人に育った兄弟姉妹はそれぞれに家族が有る事から、連れ合いとの関係、その子供たちと、観客である私は、登場人物の一人一人が子供の頃からのトラウマなどを背負って生きてきた状況を把握し、理解するだけに追われ、映画その物を楽しむ余裕が正直、自分には無かったのが残念だ。
普段見慣れないフランス映画は、俳優の顔もよく知らないし、登場人物の人数が多く感情移入も出来ずに、困難な状況だった。2時間半にも及ぶ長尺の為に2度観る気にはなれないし、映画を楽しむと言う余裕が無かったのは非常に残念な事だったけれど、決して出来の悪い最悪の映画だと言う事でも決してない。
2010年の年末から、翌年の2011年初めにかけていきなりカトリーヌ・ドヌーブ主演の映画が3本も公開された。しかし、日本語と英語以外の言語が全く理解出来ない私は、普段からヨーロッパ映画は観る機会が少ないために、この時期には、「隠された日記」のみを観て、その他の2本作品の1つである、この作品「クリスマスストーリー」は尺が長いと言う理由からだけで、敬遠して今迄観ずに過ごしてしまっていたが、この作品もフランス語が解り、ヨーロッパ映画好きの方には、お薦めだ。
もう1本の「しあわせの雨傘」はコメディーなので、未だ観ていない。外国のコメディー映画で唯一観る映画と言えば、ジム・キャリー主演の作品だ。笑いのツボが日本人である私には、国民性の相違である為か、全く可笑しく感じられないと言う欠点が、私の場合には存在するのだ。カトリーヌのファンにはどれも、決して悪くない作品だと思う。
サスティーンしない
家族という小宇宙の不思議
5人家族だが、幼くして亡くなった長男の影を未だに引きずっている。それも一因して、仲のいい者とそうでない者の棲み分けがついてしまったヴュイヤール一家。そこにそれぞれが夫や妻、子供たちを伴って結集するものだから、余計に人間関係が複雑になりギクシャクしてしまう。
そんな一家を中立的な立場で見守る父アベルをジャン=ポール・ルシヨンが好演。優しい目と憎めない唇がいい。むしろ一家を仕切るドンは母ジュノンの方で、すっかり貫禄がついたドヌーヴが、相変わらず好き嫌いがはっきりした自由奔放な魅力を撒き散らす。一家の問題児アンリは、常識を逸脱しているところもあるが、物事の本質を鋭い感性で射貫き、誰彼の区別なしに遠慮なく指摘する。「007 慰めの報酬」の悪役マチュー・アマルリックが狂気と無垢の狭間、すなわち大人になれなかった子供を見事に表出。
物語はというと、家族の誰もが過去を乗り越えられず、不安定な現在におののき、未来を見いだせないでいる。ところが、この作品は彼らの日常を追うだけで、母の命を助ける感動ドラマでもなければ、家族愛を切々と歌いあげる訳でもない。
クリスマスを迎える一週間の淡々とした日々、それぞれが抱える問題が吹き出しては消え、ときには本音をぶつけ合い、そしてまた朝がくる。その繰り返し…。家族という小宇宙の営み。
そうこうして、互いの腹の内が分かったり、少しは相手を思いやる気持ちも芽生えるのだけれど、やっぱりあいつはキライ!許せない!!
キライだけどどうしようもない、家族の本質をさらりとした味付けで描いて魅せる2時間半。
p.s.1 人物名と人間関係を追いかけるだけで精一杯のところがあったり、音楽がジャズからクラシックに前衛的なものまであって、使い分けに意図があったのかまでは解らず、機会があったらもう一度見直してみたいものだ。
p.s.2 三男の嫁さんシルヴィア、演じるのはドヌーヴの実の娘キアラ・マストロヤンニ。ドヌーヴの「あの娘は嫌いよ」という台詞が笑える。
p.s.3 それにしても、皆よく煙草を吸うねー。
クリスマス・ストーリー
クリスマスから想像するものとはかけ離れたエピソード満載で過激でしたが,
登場人物すべてが魅力的で、ちょっと笑えるところもあって・・・結果 心温まる家族の物語に引き込まれました。
余計な説明があまりないのがフランス映画らしいのか、デプレジャンなのか,150分飽きさせませんでした。
見終わってみると、ルーべの町もビュイヤール家も愛すべき人々に出会えて幸せなひと時が過ごせた気分です。そこがクリスマスストーリーなのかもしれません。
テーマはシンプルだけど難しい(-.-)
2010 フランス映画祭にて。
ドヌーヴ好きにとってはmustな映画なので鑑賞。結果‥難しい(+_+)家族の中に起こりうる問題と、家族が持つそれぞれの歴史が相まざって複雑さを生み出す。
1度ではとても理解することが出来ませんでした。
映画祭なので出演者と監督によるトークショーがありましたので、少し監督から解説のようなものめありましたが、それでもまだわからず(*_*;
デートで観るにはあまりオススメできません(^ε^)
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